Race
INDY 2021
Round 15

コルトン・ハータがポール・トゥ・ウイン。Honda、10回目のマニュファクチャラーズ・タイトル獲得決定

us WeatherTech Raceway Laguna Seca

2021年のインディカーシリーズも残すところ2戦となっています。先週のオレゴン州ポートランド、今週末のカリフォルニア州モントレー、そして来週のカリフォルニア州ロングビーチと、シーズン最後の3レースはアメリカ西海岸での休みなしの3連戦です。

コルトン・ハータがポール・トゥ・ウイン。Honda、10回目のマニュファクチャラーズ・タイトル獲得決定

サンフランシスコの南西、太平洋沿いの風光明媚な街モントレーの内陸部にあるラグナセカレースウェイがシリーズ第15戦の舞台です。全長2.258マイルに11のコーナーが配されたコースはアップダウンが激しく、中でも崖のように切り立った左、右と切り返す、コークスクリュー(ワインのコルク抜き)と名付けられたコーナーは、非常に特徴的なものとして世界中に知れ渡っています。

このコースを95周して争われるレースでは、予選でポールポジションを獲得したコルトン・ハータ(Andretti Autosport with Curb-Agajanian)がライバル勢を寄せ付けない走りをスタートからゴールまで見せ続け、94周のリードラップを記録しての圧勝を飾りました。ハータは2019年にもラグナセカで勝っており、パンデミックでレースが行われなかった昨年を挟んで、2戦連続の優勝をこの地で記録しました。地元カリフォルニア州出身のドライバーの優勝とあって、コースサイドに陣取ったファンからは大きな歓声が上がっていました。この勝利はハータにとっての今シーズン2勝目です。

2位でゴールしたのはチャンピオン争いでトップにいるアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing) でした。予選4番手だった彼は、ハータとの間にいた2人が優勝争いから脱落したことで2番手に浮上し、最後まで逆転優勝を目指してプッシュを続けました。4勝目こそならなかったものの、パロウはこれで今シーズン8回目の表彰台登壇で、ポイントリードをレース前の25点から35点に広げることに成功し、初のドライバーチャンピオンシップ獲得へまた一歩近づきました。

そして、3位はロマン・グロージャン(Dale Coyne Racing with RWR)のものとなりました。予選13番手だった彼は、ソフトタイヤをスタート時とゴール時に採用。最後のピットストップを終えた時には7番手でしたが、ソフトタイヤでの周回数をできる限り少なくする作戦が功を奏し、ゴール前の22周で4台をパス。F1経験を持つフランス人ドライバーの激しい追い上げも、今日のレースを大いに盛り上げていました。

表彰台はHondaドライバーで占められ、グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)が4位でフィニッシュしたことにより、Hondaはトップ4を独占し、4年連続のインディカー・マニュファクチャラーズ・タイトル獲得を最終戦を待たずに決めました。今シーズンのこれまでの15戦でHondaは9勝。第14戦ポートランドと2戦連続での1−2−3−4フィニッシュとなりました。

Hondaは1996年、1998-99年、2001年、2004-05年、そして2018-20年にインディカーシリーズでマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得してきていて、今回が通算10回目のタイトルとなりました。また、今日のタイトル獲得決定は、初タイトルからの25年目のことでもあります。1996年9月8日、Chip Ganassi Racingのアレックス・ザナルディが優勝し、ジミー・バッサーが4位フィニッシュしたことにより、今日と同じくラグナセカで、Hondaの初めてのインディカータイトル獲得となりました。そして、バッサーはHonda初のドライバーチャンピオンに輝きました。

佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は、プラクティス、予選でマシンセッティングに悩み、スターティンググリッドは23番手でした。そこで、決勝日の午前中のウォームアップセッションではチームメートのセッティングを移植したマシンに搭乗。一気に競争力を高め、レースでは20周目までに2番手までポジションを上げました。2回目のピットストップで下げた順位も着々とばん回していった佐藤でしたが、レースが中盤にさしかかろうというところでコークスクリューの縁石に足を取られてスピン。不運にもそこでディクソンのマシンがヒットしたため、サスペンションアームが曲がり、アンダートレイにもダメージを受けました。ピットでの修復後にレースに戻った佐藤でしたが、結果は27位となりました。

次戦は2021年シーズンの最終戦、アキュラ・グランプリ・オブ・ロングビーチ。カリフォルニア州ロングビーチのダウンタウンに設けられるストリートコースでのレースで今年のチャンピオンが決定し、シーズンの幕が下されます。


Colton Herta
Colton Herta 26
Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian
私はここラグナセカでレースを戦うのが本当に好きなんです。すばらしいコースですし、自分にとっても、自分の家族にとってもいいコースなので(父親のブライアン・ハータもインディカーで2勝を挙げている)。これでラグナセカではキャリア2戦2勝。信じられないことです。週末をとおしてずっと速い存在であり続けることができました。そして、レースできっちり勝てたことをうれしく思います。ずっとアレックス・パロウからのプレッシャーを受けていました。それだけに、こうして勝つことができて本当にうれしいです。ラグナセカは自分が北米大陸で一番好きなサーキット。それも、他を大きく引き離してのナンバーワンなので、今日勝てたことの持つ意味はとても大きいです

Alex Palou
Alex Palou 10
Chip Ganassi Racing
すばらしい1日でした。レースではコルトン・ハータを相手に競争力を発揮できました。それは自分でも驚きでした。今日の私たちは勝つことができませんでしたが、ずっとベストを尽くし続け、できる限りのことをやり切ることができたと思います。ロマン・グロージャンが最後に激しくチャージしてきたこともはエキサイティングでした。今日のレースはすばらしいものだったと思います

Takuma Sato
Takuma Sato 30
Rahal Letterman Lanigan Racing
レースの前半はとてもよかったです。早いタイミングで行ったピットストップによって優位を手に入れました。マシンは非常にいい仕上がりになっていました。朝のウォームアップで私は3番手のタイムをマークしました。昨日までとは全く違うマシンになっていて、それが効果を発揮しました。そのマシンを操り、私はレースを思う存分楽しんでいました。多くのマシンをオーバーテイクすることもでき、2番手にまでポジションを上げました。トップ争いを展開するリーダーたちと同じペースを保ち続けることができ、それをとてもポジティブに感じることができました。しかし、サードスティントで残念なことに、それまで一度も乗ったことのないコークスクリュー内側の縁石に引っかかり、スピンを喫しました。さらに、そこへスコット・ディクソンが来て接触。サスペンションとディフューザーがダメージを受けたため、ピットに戻りました。交換できるものは交換しましたが、ダメージは大きく、レース終盤にリタイアを余儀なくされました。今日の私たちは大きなポテンシャルを手にしており、上位でフィニッシュするチャンスでした。このところの数戦でチームはスピードを大幅に上げています。それはとてもポジティブに感じられることです。ロングビーチでいいレースを戦えることを楽しみにしています



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