Race
INDY 2021
Round 11

ナッシュビルのダウンタウンでの初開催イベントでマーカス・エリクソンが優勝 Honda勢がトップ7を独占

us Streets of Nashville

テネシー州の州都であるナッシュビルのダウンタウンで初めて開催されたインディカー・シリーズ第11戦で、Hondaエンジン搭載マシンで戦うマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)が優勝を飾りました。

ナッシュビルのダウンタウンでの初開催イベントでマーカス・エリクソンが優勝 Honda勢がトップ7を独占

予選18番手だったエリクソンは、序盤のリスタート時に前方を走るマシンに接触してジャンプし、着地の際マシンのフロント部に大きなダメージを負いましたが、ピットでマシンを修復すると、最後尾から追い上げてのすばらしい勝利を挙げ、ナッシュビルのコースに集まった大観衆を沸かせました。フットボール用スタジアム周辺の道路や大きな川を渡る橋で構成されたユニークなコースを使ったレースで、Hondaドライバーたちが大活躍をみせ、この初開催のレースで1位から7位までを独占しました。

全長2.17マイルのタイトでバンピーなコースを80周して争われたナッシュビルでの初レースでは、とても多くのアクシデントが発生しました。その最初となったのが、5周目のエリクソンによるものでした。彼はリスタートへの加速するタイミングが少し早く、すぐ前を走っていたセバスチャン・ブルデーのマシンに後方からぶつかり、リヤホイールに乗り上げて宙に舞い上がったのでした。ブルデーを飛び越えてフロントから着地したエリクソンのマシンはフロントウイングなどを大破し、その修理後にはストップ&ゴーのペナルティーも課されました。しかし、コースへと戻ったエリクソンにはスピードがあり、粘り強い走りが実って、レース終盤に優勝争いの一角に食い込みました。チームの作戦が的確だったことや、多くのフルコースコーション発生によって助けられたエリクソンは、ポールポジションから目覚ましい走りをみせていたコルトン・ハータ(Andretti Autosport)とのトップ争いを展開することとなりました。

エリクソンとハータのバトルは実に見応えのあるものとなりました。エリクソンは、アクシデントによるダメージで完ぺきではないマシンだった上に、燃費セーブも実現しながらライバルを後方に封じ込め続ける戦いを余儀なくされていました。それでも彼はトップを守り続け、逆にハータの方はブレーキをロックさせていったん後退しました。それから数周後、ハータが勢いを取り戻して再びエリクソンの背後に迫りました。しかし、ハータはトップを奪還するアタックを仕掛けようというところで、ターン9のコンクリートウォールにヒットし、レースを終えました。

ハータに代わって2番手に浮上し、エリクソンへのアタックを開始したのは6度のタイトル獲得経験を持つスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)でした。しかし、エリクソンは先輩チームメートからの攻撃を受けてもトップを明け渡すことはなく、キャリア2勝目のゴールへと飛び込みました。

エリクソン、ディクソンの順でChip Ganassi Racingが1−2フィニッシュ。そして、3、4位でゴールしたのはジェームズ・ヒンチクリフとライアン・ハンターレイという2人のAndretti Autosportのドライバーたちでした。さらには、グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)が5位、エド・ジョーンズ(Dale Coyne Racing with Vasser-Sullivan)が6位、ポイントリーダーのアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)が7位と、Honda勢がトップ7を独占しました。また、今年のインディ500で優勝し、史上最多タイの4勝目を挙げたばかりのエリオ・カストロネベス(Meyer Shank Racing)がインディ500以来のレースで9位に入り、Hondaエンジンを使う全チームのドライバ―がトップ10でのゴールを記録することにもなりました。

佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は、金曜日の走行開始からマシンセッティングで苦しみ、予選結果は24番手でした。しかし、エンジニアとの共同作業によって決勝日の朝のウォームアップでマシンを向上させ、チームメートのセッティングから得たヒントもプラスすることで、レースに臨むマシンの競争力を大幅に高めることに成功しました。

決勝レースが始まるや、佐藤は生き生きとした走りでポジションを上げて行きました。そして、早めのピットストップを行ったチームがあったことも影響し、佐藤は18周までに10以上のポジションをゲインして13番手につけました。ところが、20周目のリスタートで無理をしたドライバーがおり、佐藤の目の前でアクシデントを引き起こしました。壁にヒットした2台がコースを塞ぎ、そこにちょうど差し掛かってしまった佐藤は停止していたマシンに接触。フロントサスペンションに決定的なダメージを受け、リタイアを喫しました。

オリンピック開催中はオフとなっていたインディカー・シリーズですが、ナッシュビルからは3連戦。次戦はインディアナポリスのロードコースを使った今年2回目のレースです。


Marcus Ericsson
Marcus Ericsson 8
Chip Ganassi Racing
信じられない勝利です。インディカー・シリーズでは、本当に何が起こるかわからないということです。絶対にあきらめてはいけません。私の後ろには非常に優秀なチームが控えてくれています。彼らはすばらしいマシンを用意してくれ、今日の勝利を可能にしてくれました。この勝利を私のマシンをみてくれている全クルーに捧げます。レース序盤のアクシデントで受けたダメージを彼らは見事に修復してくれました。Hondaエンジンは最高で、レースを通してパワフルでした。コルトン・ハータは週末を通じて本当に速かったと思います。彼を背後に封じ込めながら、燃費のセーブも行わねばならなかった状況での走りは、私のレーシングキャリアの中でもベストのパフォーマンスであったと言っていいでしょう。ハータがクラッシュでレースを終えたことは非常に残念です。彼は今日のレースで表彰台に上がるべき走りをしていました。私は、自分たちのチームを誇りに感じ、同時に、彼らに深く感謝したいと考えています

Takuma Sato
Takuma Sato 30
Rahal Letterman Lanigan Racing
本当に厳しいレースとなりました。ナッシュビルはすばらしい雰囲気で、実にエキサイティングなレースでした。スタートでは多くのクルマが入り乱れ、混乱が起きてアクシデントが多発しましたが、私はすべてを避けることができました。実際、私はコース上でライバル勢をオーバーテイクし、前方のグループに追いつき、13番手まで順位を上げました。レース序盤、かなり勇気づけられる戦いができていました。しかし、再スタート時にクラッシュが発生、私の目の前でクルマが絡み合いタイトなコーナー部にストップしました。タイトなコーナーで2台が並んで止まったので、避けきれずにぶつかり、フロントサスペンションを破損しました。ピットに戻ることはでき、クルーたちがすばらしい働きをして、修理を試みたのですが、残念ながら重要なパーツの一つが修復不能な状態になっており、レースに戻ることは叶いませんでした。とてもエキサイティングで、おもしろいレースとなっていたので、レースを戦い続けたかったところです。次のレース、インディグランプリでいい戦いぶりを見せたいと思います


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