アレックス・パロウがシーズン2勝目を挙げ、ポイントリーダーの座を奪還
五大湖地方のウィスコンシン州にあるロードアメリカは、緑の中にあるとても美しいサーキットとしてその名を知られています。全長は4.014マイルと長く、”スピードの国立公園”とも称されるロードコースを55周して争われる2021年インディカー・シリーズ第9戦。優勝したのは、デビュー2シーズン目のアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)でした。
コルトン・ハータ(Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian)がそれに続き2位でフィニッシュし、Hondaは5月の第105回インディアナポリス500マイルに続く、今シーズン2回目の1-2フィニッシュを達成しました。
開幕戦のHondaインディ・グランプリ・オブ・アラバマでキャリア初優勝を飾っているパロウは、このロードアメリカでキャリア2勝目、つまり今シーズンの2勝目を挙げ、ポイントリーダーの座に復帰しました。また、Hondaエンジンを使うドライバー7人がトップ8フィニッシュしたことにより、Hondaはマニュファクチャラーズ・チャンピオンシップのポイントリードを広げることにもなっています。
パロウは昨シーズン、デビューからわずか3戦目だったロードアメリカでのレースで3位フィニッシュし、インディカーで初めて表彰台に立ちました。元々ある地形を活かし、自然の中に溶け込むように作られた、ヨーロッパ的な雰囲気も漂わせるロードアメリカ。テクニカルな高速コースはパロウにとって相性がよく、彼がシリーズで最も気に入っているサーキットでもあります。今年も予選で上位に食い込んだパロウは、やや雲がかかって心地よいコンディションのもと、3列目イン側という好位置からスタート。12周目までに2番手までポジションを上げ、ポールポジションからスタートしたジョセフ・ニューガーデン(シボレー)の背後につけました。
多くのファンがコースサイドで見守る中、2番手を走り続けたパロウは勝負のチャンスが訪れるのを待ち続けていました。そして、ゴール前2周で切られたリスタートで思いきり加速し、ターン1へと到達する前にトップに立ちました。そのあとパロウは後ろを振り返ることなく、チェッカーフラッグまで突っ走りました。これはパロウにとってシーズン2勝目であると同時に、今季4回目の表彰台です。昨年のロードアメリカはダブルヘッダーで、Chip Ganassi Racingが両レースで優勝しているため、今週末のパロウの勝利によって、チームはロードアメリカ3連勝。Hondaにとっても2019年からの4戦連続優勝となります。
インディカー・シリーズは第9戦を終え、これからシーズン後半戦へと向かいます。パロウはポイントリーダーの座を奪還し、28ポイントのリードを2番手のパト・オワード(シボレー)に、53ポイントのリードをチームメートのスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)につけています。
シリーズ第2戦で優勝しているハータが、ロードアメリカでは2位フィニッシュしました。Hondaはシーズン2回目となる1-2フィニッシュ、9レースで6勝目をマークしたことにより、マニュファクチャラーズ・チャンピオンシップでのポイントリード(暫定)を29ポイントへと伸ばしました。
パロウのチームメートのディクソンとマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)、Dale Coyne Racing with RWRのロマン・グロージャン、Andretti Autosportのアレクサンダー・ロッシ、そして、Rahal Letterman Lanigan Racingの佐藤琢磨と、Hondaパワーで走る7人がロードアメリカでトップ8フィニッシュを記録しました。
佐藤はマシンセッティングに苦しんで予選は20位でしたが、予選後のファイナルプラクティスでスピードアップのヒントをつかみ、レースにはセッティングをもう一歩進めて臨みました。得意のスタートでポジションアップに成功した佐藤でしたが、アクシデントで後退。マシンにもダメージを受けました。しかし、その修理のために1回目のピットストップには早めに入り、そこからはトップグループとは違うピットタイミングで戦って勝機を見いだそうとしました。レース半ばの31、32周目にはトップを走行。ゴール前2周のリスタートを12番手で迎えた佐藤は、1周につき2台をパス、4つものポジションアップを実現し、スタート位置から12も上の順位、8位でゴールしました。
次戦は7月2~4日にオハイオ州のミッドオハイオ・スポーツカーコースで開催されるHondaインディ200アット・ミッドオハイオです。