Race
INDY 2021
Round 2

海辺のストリートコースでコルトン・ハータがポール・トゥ・ウインを飾り、Hondaは開幕2連勝

us Streets of St. Petersburg

フロリダ州のタンパ湾沿いにある小さな街、セントピーターズバーグで2021年インディカー・シリーズ第2戦のファイアストン・グランプリ・オブ・セントピーターズバーグが開催されました。気温が30℃を越すことはありませんでしたが、太陽が照りつけてレース中のコース表面の温度は50℃以上まで上昇、湿度の高さもあってドライバーたちには体力的に非常に過酷なレースとなっていました。

海辺のストリートコースでコルトン・ハータがポール・トゥ・ウインを飾り、Hondaは開幕2連勝

決勝日のチケットは完売で、地元自治体が決めた上限の2万人がセントピーターズバーグのストリートコースに集まりました。彼らは真夏のような強いフロリダの日差しを浴びながら、高速で激しく競い合うインディカードライバーたちに声援を送っていました。彼らの前で見事な勝利を飾ったのは、カリフォルニア出身のコルトン・ハータ(Andretti Autosport)でした。彼は先月21歳になったばかりですが、インディカーへのフルシーズン出場は今年で3年目。セントピーターズバーグではキャリア5回目のポールポジションからスタートし、100周のレースでのレコードとなる97周をリードしてキャリア4勝目へと走り切りました。

ハータは西海岸のカリフォルニア州出身ですが、昨年からセントピーターズバーグからも遠くないフロリダ州のメキシコ湾沿いの街で暮らしており、今回の勝利は地元ドライバーとして初めてのものとなりました。そして、ストリートコースでの優勝も彼にとって今回が初めてでした。

先週末の開幕戦Hondaインディ・グランプリ・オブ・アラバマでは24歳のアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)が、速く安定したペースでキャリア初優勝。今回はハータが食い下がる強敵を振り払い、レース中盤には10秒以上のリードを築き上げました。終盤にフルコースコーションが出されたことで2番手との差はほぼゼロになりましたが、リスタートでも慌てる様子は一切見せず、2度のシリーズチャンピオン、セントピーターズバーグで2連勝中だったジョセフ・ニューガーデン(Team Penske)に2秒以上の差をつけ、飛行場の滑走路を使ったメインストレートのゴールを横切りました。

ハータのピットで作戦を担当していたのは彼の父親であるブライアン・ハータでした。勝負に対する勘の鋭い彼は、ストラテジストとして戦ったインディ500で2勝を記録しています。ハータ親子がコンビネーションを組むのは今年からですが、2戦目にして早くも勝利を記録しました。息子コルトンは、尊敬する父ブライアンのインディカーでの通算優勝回数4回に21歳の若さで並ぶこととなったのです。

キャリアベストタイの予選2番手からスタートしいたジャック・ハーヴィー(Meyer Shank Racing)も予選2番手から力強いレースを戦い抜き、表彰台にあと一歩の4位でフィニッシュしました。彼の後ろでは昨シーズンチャンピオンのスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が5位でチェッカーフラッグを受け、開幕から2戦続けてのトップ5入り。そして、15番手スタートから6位まで大きく順位を上げて佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)が6位フィニッシュ。マーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)が7位。Hondaドライバーたちはトップ7の5ポジションを占めました。

2戦連続で上位フィニッシュしたドライバーが少ないことから、ポイント争いは混沌としています。2レースを終えてのトップは開幕戦ウイナーのパロウ。2点差の2番手タイにディクソンともう一人がつけており、ハータは第2戦での勝利によってパロウと5点差の4番手にポイントスタンディングが上がりました。

佐藤は予選までにマシンのセッティングを仕上げ切れなかったためにスターティンググリッドは出場24台のうちの15番手でした。しかし、レースデイの朝のウォームアップセッションでマシンを自分の考えているものに近づけることに成功し、レースでは得意のスタートで2台をパスし、最初のピットストップを行う35周目までにさらに4台をコース上でオーバーテイクしました。その後に他車との接触でポジションを落としたドライバーたちもいたことで、1回目のピットストップの後に佐藤は6番手にまで浮上。スタートがハードコンパウンドのブラックタイヤ、1回目のピットでソフトコンパウンドのレッドタイヤを選んだ彼は、レース終盤を戦うタイヤにブラックを選び、ディクソンを必死で追いかけましたがあと一歩届かず、6位でゴールしました。スタート前に宣言していた通りのトップ6入りを、アグレッシブな走りが持ち味の佐藤らしい闘いぶりで実現した彼は、レースを終えてピットに戻るとクルーたちから大歓迎を受け、グランドスタンドからも大きな声援が上がっていました。

次のレースは来週末、全長1.5マイル、急なバンクを持つ高速オーバルのテキサスモータースピードウェイで開催されます。しかも、土曜、日曜に1レースずつのダブルヘッダーと、シーズン序盤のスケジュールは、過酷なものとなっています。


Colton Herta
Colton Herta 26
Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian
開幕戦は1周目のクラッシュに巻き込まれたために遅れをとりましたが、今日はすばらしい勝利を飾ることができました。本当によかったと思います。これでチャンピオン争いに必要な勢いを手に入れることができました。レース終盤の再スタートではジョセフ・ニューガーデンが真後ろにいまいた。彼はこのコースでのレースを得意としている上に、軟らかい方のタイヤを履いていたのでアタックされるかと思いましたが、私の装着していた硬いタイヤとパフォーマンスは大きく変わらなかったようで、彼を抑え込むことができました。Hondaのパワー、そしてチームのすばらしい仕事によって勝つことができ、とてもうれしく思います

Takuma Sato
Takuma Sato 30
Rahal Letterman Lanigan Racing
今日の6位フィニッシュという結果はすばらしいものです。チームの採用した作戦が的確で、レース中のタイヤチョイスも正しかったと思います。私たちはハードでスタートし、ソフト、ハードという順番で使いました。このチョイスが自分たちのマシンには一番合っていたんだと感じました。マシンのハンドリングバランスは文句のないものでした。接触のためかボディワークが少しグラついており、ダウンフォースが少なくなっていました。ドラッグも増えていたと思います。その状態でディクソンを追いかけ続けました。彼は本当に速かったですね。私はゴールまで思いきりプッシュし続けました。全体的に見て、予選後にチームが見せた仕事ぶりがファンタスティックだったといういことです。クルーたちのピット作業は今回も最高でした。次のテキサスに行くのが今から楽しみです


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