ウエットコンディションでのワイルドなレースでコルトン・ハータが今季初優勝。Honda今季初の1−2フィニッシュ
インディアナポリス・モーター・スピードウェイで開催された2022年シーズン第5戦GMRグランプリは、ウエットコンディションでスタートし、ドライ、再びウエット、さらには極度のウエットとレースコンディションが目まぐるしく、そして激しく変化する、非常に難しい戦いとなりました。
予定されていた85周を走り切る、もしくはスタートから2時間でチェッカーフラッグが振り下ろされるルールでのレースでコルトン・ハータ(Andretti Autosport with Curb-Agajanian)が見事なマシンコントロール能力を見せ、2022年の初優勝へと逃げきりました。そして、ハータと同様にHondaエンジン搭載マシンで走るシモン・パジェノー(Meyer Shank Racing)が2位でフィニッシュ。Hondaの今シーズン初勝利は1-2フィニッシュで達成されました。
カリフォルニア出身の22歳、ハータを走らせるAndretti Autosport with Curb-Agajanianは、レースのスタート後まもなく、路面が短時間で乾くだろうと読み、ウエットタイヤからスリックタイヤに交換することとしました。そしてレース終盤に雨が続いた時には、いったん装着したスリックタイヤをウエットタイヤに換える好判断を下し、自らの元へと勝利を引き寄せました。ドライバーはミスのない走りを続け、チームが的確な判断を下したことによってハータはインディカーでの通算7勝目を挙げました。
パジェノーは予選20番手でしたが、ウエットコンディションを自分の味方につけ、Meyer Shank Racingのマシンを2位にまでポジションアップさせました。最終的にレースはスタートから2時間が経過した75周でゴールとなりましたが、41周目時点で11番手を走っていたパジェノーは、グリップの非常に低いレース終盤に次々と順位を上げて行き、今シーズン初の表彰台に上がることとなりました。マーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)もパジェノーと同じくすばらしいレースを戦い抜き、序盤の接触と、それによる長いピットストップという試練を乗り越えて4位でゴールしました。
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)は予選13番手から、今シーズンの自己ベストとなる7位でのフィニッシュを果たしました。ウエットタイヤでのスタートから2ラップを走ったのみでスリックタイヤに交換し、レース中盤戦の乾いていく路面コンディションですばらしいスピードを見せた佐藤は表彰台に上る期待を抱かせる戦いを見せていました。
しかし、42周目のリスタート直後のターン1で目の前の2台が接触し、芝生に押し出されたためにスピン。そこから17番手まで大きくポジションを落としました。そこからのばん回はかなり難しいものと見えていましたが、ウエットタイヤを装着し、雨がさらに降って路面のグリップが低くなると、難しいコンディションでのバトルを得意とする佐藤の本領が発揮され、次々と順位をばん回。フルコースコーション下でのゴールを7位で迎えました。佐藤のチームメート、ルーキーのデビッド・マルカス(Dale Coyne Racing with HMD Motorsports)も12位でゴール。彼らのチームは来週の火曜日にプラクティスの始まる第106回インディアナポリス500マイルに向けて勢いを手に入れました。