アレックス・パロウが開幕戦で2位表彰台。新体制で戦う佐藤琢磨は10位フィニッシュ
2022年のインディカー・シリーズ開幕は、例年より早い2月下旬とされました。それでも、フロリダ州のセントピーターズバーグでのレースウイークエンドは3日間とも快晴に恵まれ、気温は30℃近くにまで上昇。1日で日焼けをしてしまうほどの強い日差しが照りつけました。
グランドスタンドに大勢のファンが戻り、ストリートレースらしいにぎやかさも帰ってきたセントピーターズバーグのレースでは、2021年シリーズチャンピオンのアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)が2位フィニッシュして表彰台に上りました。
ダウンタウンに造られる全長1.8マイルのコースは、ヨットハーバーに面し、空港の滑走路も使うユニークなものです。そこを100周して争われたレースで、パロウは最初のフルコースコーションが出される25周目までに、スタートの10番手から6番手までポジションを上げました。クルーたちの奮闘によってピットストップでポジションを3つ上げ、燃費セーブとスピードを両立させた戦いを続けました。
トップにいたライバルが先にピットインし、パロウは64周目にトップに浮上しました。その次周に2回目のピットストップを行うと、ピットタイミングを違えたライバルたちが先行し、彼のポジションは5番手まで下がりましたが、ゴールまで残り20周時点で2番手までばん回。その時点であったトップとの2秒以上の差を終盤戦で一気に削り取り、残り2周はもう真後ろにつけてプレッシャーをかけていました。
パロウは0.5095秒差の2位でゴールラインに飛び込みました。インディカー参戦3シーズン目の彼にとって、2位はストリートコースでのこれまでの自己ベストを一つ上回るものとなりました。予選結果が10番手だったことを考えれば、シリーズタイトル防衛に向けて非常に幸先のいいシーズンのスタートを切ったと言えるでしょう。
Hondaドライバーはコルトン・ハータ(Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian)が3番手スタートから4位でフィニッシュし、参戦2年目のロマン・グロージャン(Andretti Autosport)は予選と同じ5位と、3人がトップ5でゴールしました。さらに、グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)は11番手スタートから7位、スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が予選7番手から8位、マーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)が予選8番手から9位。7人がトップ10入りしてレースを終えました。
今年からDale Coyne Racing with RWRで走ることとなった佐藤琢磨は、土曜日のプラクティスで不運なアクシデントに遭い、走行時間を大幅に削られました。ソフトとハードの2種類があるタイヤの評価や、それらに合わせたマシンのセッティングなど、十分な準備を予選に向けて整えることができなかった上、予選でトラフィックに遭遇したために、佐藤のスターティンググリッドは22番手という厳しいものになりました。
しかし、レースの朝のウォームアップセッションでレース向けのマシンセッティングを一気に向上させた佐藤とチームは、レースでも着々と順位を上げて行く戦いを見せました。後方スタートでも作戦はオーソドックスなものを採用し、2回のピットストップも着実にこなし、ポジションも12も上げて10位でゴール。佐藤は最も大きく順位を上げたドライバーでした。
チーム移籍後初めてのレースは、佐藤にとってインディカー出走200戦目でした。予選まではなかなか物事がうまく進みませんでしたが、クルーたちと一体となって態勢を立て直し、100周のレースでは力を存分に発揮していました。
次戦はテキサス州フォートワースでの今シーズン初めてのオーバルレース。全長1.5マイル、最大傾斜24度のハイバンクを持つテキサスモータースピードウェイでの375マイルレースは3月20日に決勝が開催されます。