INDYCAR SERIES

17戦のスケジュールされた2021年シーズンに強力なラインアップで臨む

2021年のインディカーシリーズ開幕まで1カ月を切りました。アメリカの11州でのレースとカナダへ遠征しての1レース、合計17戦が2021年シーズンにはスケジュールされ、4月18日決勝の開幕戦Honda INDYグランプリオブアラバマ(アラバマ州バーミンガム郊外)から多くのファンを観客席に迎え入れてのレースが開催されることとなっています。

17戦のスケジュールされた2021年シーズンに強力なラインアップで臨む

Hondaは1994年にインディカーシリーズ参戦を始め、1996年に初めてのマニュファクチャラーズチャンピオンシップ獲得を果たしました。昨年2020シーズンは通算9度目、参戦以来初めて3年連続でマニュファクチャラーズタイトルを手に入れました(2006~2011年はHondaが単独でエンジン供給を行っていたため、マニュファクチャラーのチャンピオンシップは無し)。Hondaは4年連続の栄冠に向け、2021シーズンも強力なユーザーチームラインアップを敷いています。

昨年、現役ドライバーでは最多となる6度目のシリーズタイトルをつかんだのがニュージーランド出身、現在40歳のスコット・ディクソンです。彼を擁するChip Ganassi Racingは、昨年までより1台多い4台をフルシーズンで走らせる体制へと拡大します。ディクソンのチームメートとしてシーズン全戦に出場するのは、元F1ドライバーでインディカーは3シーズン目となるマーカス・エリクソン(スウェーデン出身/30歳)と、全日本スーパーフォーミュラからインディカーへとステップアップし、アメリカでの2シーズン目を迎えるアレックス・パロウ(スペイン出身/23歳)の2人です。追加された4台目のマシンに乗るのは、アメリカのストックカーシリーズ最高峰で史上最多に並ぶ7度のシリーズチャンピオンに輝いたジミー・ジョンソンです。カリフォルニア出身、45歳の大ベテランは少年時代からの憧れであったインディカーへの挑戦を決意し、まずはロードコースとストリートコースでのレースに出場することとなりました。そして、ジョンソンが走らないオーバルレースでは、そのマシンにトニー・カナーン(ブラジル出身/46歳)が搭乗します。ストックカーで圧倒的な戦績を残したジョンソンがオープンホイールマシンでどのような走りを見せるのか、インディカーの強豪たちを相手にどこまで戦えるのかに大きな注目が集まっています。また同時に、2003年のシリーズチャンピオンで2013年のインディ500で優勝を飾っているカナーンにも、経験が重要な役割を果たすオーバルレース、特にインディ500で優勝争いに加わるパフォーマンスが期待されます。

佐藤琢磨はインディカーでの12シーズン目に臨みます。昨年はインディ500で自身の2勝目、自身通算の6勝目を挙げました。今年も佐藤は有名なスーパースピードウェイでの優勝候補筆頭に数えられます。100年を超えるインディ500の長い歴史の中で、まだ5人しか達成したことのない2連覇、そして、史上8人目となる3勝目を佐藤はRahal Letterman Lanigan Racingからのエントリーで目指します。元インディカーチャンピオンでインディ500優勝経験も持つボビー・レイホールの率いるチームからの出場はトータル5シーズン目、2018年からの4シーズン連続です。チームメートはその4年間を共に戦って来て、互いの気心も能力も深く理解し合っているグレアム・レイホールです。彼らは仕事を分担し、データを共有しながらもライバルとして競い合い、2人そろってチャンピオン争いに加わることを2021年の目標に掲げています。

Chip Ganassi Racingがニュージーランド、スウェーデン、スペイン、アメリカ、ブラジルのドライバー起用というインターナショナルぶりなのに対して、Andretti Autosportはライアン・ハンター-レイ、アレクサンダー・ロッシ、コルトン・ハータというアメリカ人3人と、カナダ人のジェイムズ・ヒンチクリフという北米出身ドライバーを集めた布陣を敷きます。インディ500などには5台目をエントリーさせる計画ですが、そのマシンにはやはりアメリカ出身のマルコ・アンドレッティを起用します。

Mayer Shank Racingはイギリス出身のジャック・ハービーをフルシーズンで出場させ、2台目にはインディ500で3勝、インディカーで通算30勝という輝かしい実績を誇るエリオ・カストロネベスを起用し、インディ500を含む複数のレースにエントリーします。

Dale Coyne RacingはF1で戦っていたフランス人ドライバーのロマン・グロージャンをインディカーシリーズへとデビューさせます。彼は昨シーズンまで10年以上もF1グランプリで戦って培った経験をアメリカのトップオープンホイールの世界でも大いに発揮し、活躍するものと見られます。チームの2台目に搭乗するドライバーも開幕までに発表される予定です。

世界で最も長い歴史を誇り、世界最大のビッグレースでもあるインディ500。昨年はパンデミックによって8月まで開催が遅らされましたが、今年は伝統的な5月開催のスケジュールに戻る予定です。1911年から2回の世界大戦中を除いて開催され続けて来たレースは、今年が105回目。ディフェンディングレースウイナーであるHondaは例年以上に強力な布陣で同レースに臨み、通算14勝目を目指します。

伝統あるレースにおけるドライバーの最多優勝回数は4回で、これまでにA.J.フォイト、アル・アンサー、リック・メアーズの3人が達成しています。現役ドライバーで彼らに並ぶ可能性を唯一持っているカストロネベスが、今年はHondaエンジン搭載マシンを駆って出場することになりました。また、過去4シーズンのインディ500で優勝2回、3位1回と極めて高いパフォーマンスを見せて来ている佐藤は、カストロネベスらに並ぶ通算3勝目に照準を合わせています。さらにHonda陣営にはカナーン、ハンター-レイ、ディクソン、ロッシという4人のインディ500優勝経験者がおり、彼らも全力で2勝目を狙って行きます。

2021年のインディカーシリーズは、常設ロードコースでのレースが7戦、ストリートコースが6戦、オーバルコースが4戦と、レース開催サーキットのバラエティが豊かです。さまざまなコースで繰り広げられる接戦、抜きつ抜かれつのバトル、そして凄まじいチャンピオン争いの火蓋は間もなく切って落とされます。


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