＜FIMスーパーバイク世界選手権＞WorldSBKレジェンドのジョナサン・レイ選手がHRCテストライダーとしてHondaに加入決定

FIM^※スーパーバイク世界選手権（WorldSBK）において6度のチャンピオンに輝き、元Hondaライダーのジョナサン・レイ選手が、2026年よりHRCテストライダーとしてHondaに新たに加わることが決定しました。

この38歳のライダーは、もはや説明不要の存在です。6度の世界タイトル、119勝、264回の表彰台を誇るレイ選手は、WorldSBK史上、最も成功を収めたライダーです。市販車ベースの舞台において、その実績と記録に並ぶ者はいません。

2015年から2020年まで、レイ選手はWorldSBKで圧倒的な強さを見せ、6シーズン連続でチャンピオンに輝きました。この偉業が再び達成されることは、当面ないでしょう。

特筆すべきは、北アイルランド出身のレイ選手が、キャリア形成期をHondaマシンとともに歩んできたという点です。プロキャリアの初期には英国スーパーバイク選手権（BSB）でHondaチームに所属し、3年間にわたって活躍。2007年シーズンを総合ランキング2位で終えました。その翌年にはTen Kate Hondaからスーパースポーツ世界選手権（WSSP）に参戦し、再び総合ランキング2位でシーズンを締めくくりました。この結果を受け、2009年シーズンには再びHondaとともにWorldSBKへステップアップし、このパートナーシップは2014年末まで続きました。その間、42回表彰台に立ち、うち15回は勝利を飾りました。これらの実績により、彼はWorldSBK史上、Honda勢として歴代3位の実績を誇ります。

2025年末をもって現役引退を決意したジョナサン・レイ選手は、新たな挑戦を求めていました。そして今、歴史的なHonda復帰という形でそれを見出しました。レイ選手はこれまでに培った比類なき経験と知識をHonda HRCのスーパーバイクプロジェクトに注ぎ込むことを熱望しています。一方、Hondaはレイ選手ほどの実力を持つライダーの計り知れない価値を認識するとともに、このカテゴリーでの存在感を強化する確固たる決意を示しています。

両者は、このコラボレーションが持つ意義と、2026年以降にもたらしうる成果に大きな期待を寄せています。

^{※ FIMとは、Fédération Internationale de Motocyclisme（国際モーターサイクリズム連盟）の略称}

■株式会社ホンダ・レーシング（HRC） チームマネージャー 森 雄司

「ジョナサン選手をWorldSBKプロジェクト、そしてHondaファミリーに再び迎えることができ、大変嬉しく思います。WorldSBK史上最も成功したライダーが、HRCテストライダーという重要な役割でチームに加わることは、私たち全員にとってだけでなく、このシリーズ全体にとっても非常に意義深いことだと思っています。ジョナサン選手はHondaとともに国際的なキャリアをスタートしました。そして今、豊富な知識と経験を得て再び戻ってくることは、このコラボレーションを特に価値あるものとし、私たちのスーパーバイクプロジェクトへの完全かつ継続的なコミットメントを改めて示すものでもあります。彼の貢献は、私たちのプログラムをさらに発展させ、Hondaを再びチャンピオンシップで目指すレベルに引き上げるために極めて重要な役割を果たすでしょう」

■ジョナサン・レイ選手

「HRCが今後の計画と、私に想定している新たな役割について話してくれた瞬間から、自分がどう貢献できるのかを理解し、すぐに胸が高鳴りました。Hondaへの復帰は、まさに原点回帰のような特別な感覚です。このメーカーで私はWorldSBKでの初めての経験を積み、このカテゴリーでの初勝利を手にしました。今まで慣れ親しんできたフルタイムのレーサーとしての役割とはかなり異なりますが、この新たな章を迎えることに強い意欲を感じています。私の目標は、これまでのキャリアで培ってきたすべての経験と知識を活かし、CBR1000RR-Rの開発とHonda HRCファクトリーチームを可能な限り最高の形でサポートすることです。また、Honda HRCテストチームのプロジェクトマネージャーであり、かつての私のクルーチーフでもあるクリス・パイクと再び一緒に仕事ができることを嬉しく思います。彼とは多くの思い出を共有し、お互いに尊敬しあう関係です。チームとして共に取り組むことで、将来に向けて素晴らしい成果を築けると確信しています。早く始めるのが待ちきれません」