
FIM※モトクロス世界選手権(MXGP)MX2クラス2度の王者であり、AMAスーパークロス選手権(AMA-SX)250ccクラスでも2度のチャンピオンに輝いたトム・ヴィアル選手が、Honda HRCと複数年契約を締結しました。これを機に、フランス人ライダーのヴィアル選手は今後MXGPクラスへステップアップします。キャリアの重要な局面を迎えていたヴィアル選手は、つい先日AMAスーパーモトクロス(AMA-SMX)で2度目の表彰台を獲得した勢いをそのままに、ブランドと大陸を移してモトクロス世界選手権に復帰することを決めました。Honda CRF450Rを駆り、輝かしいキャリアの継続を目指します。
アメリカでの挑戦を経て、ヴィアル選手が「ホーム」に戻る決断をした大きな理由の一つは、この強力なマシンの実力にあります。ファクトリーマシンCRF450Rに跨るチャンスは、そう多く巡ってくるものではなく、この千載一遇の機会を逃す手はありませんでした。450クラスへのステップアップは極めて重要な一歩であり、勝利を重ねていくためには、最高のマシンと環境が不可欠であることをヴィアル選手は理解していました。
パドック内でも屈指のプロフェッショナルチームとして知られ、長年にわたって数多くの勝利とタイトルを獲得してきたHonda HRCは、ヴィアル選手がすぐに準備に取り掛かり、このオフシーズンを活用して世界各地で開催される全20戦から成る2026年MXGPの過酷な戦いに万全の態勢で臨むことを期待しています。MX2クラスで2度のタイトルを獲得している彼にとって、シリーズ運営の多くの側面は馴染みのあるものですが、ラウンド数の増加や予選レースでのポイント制導入、より多様化したカレンダーなど、彼が最後に参戦した2022年当時とは状況も変化しており、競争の激しいMXGPですぐにトップ争いに食い込むには、一定の順応期間が必要となるでしょう。
MXGPクラスに順応するうえで彼を支えるのが、Honda HRCと再契約を結んだルーベン・フェルナンデス選手です。2025年シーズンに世界選手権で総合4位を獲得した彼は、2026年シーズンはその成績を上回り、チームでのさらなる勝利と表彰台獲得を目指します。昨年十分なスピードと安定性を見せたフェルナンデス選手は、ヴィアル選手と並んでHonda CRF450Rを武器にトップ争いに食い込む強力な存在となるでしょう。
しかしその前にヴィアル選手が臨むのは、母国ファンが詰めかけるパリSXです。帰還を歓迎するホームの声援を受けながらレースに出場し、チームの一員として馴染んでいく良い機会となるでしょう。その後は、2026年MXGPシーズンの準備が本格化します。シーズンの締めくくりとなるのは、フランスのエルネーで開催されるモトクロス・オブ・ネイションズ(MXoN)です。このエルネーのトラックは、ヴィアル選手が2023年にMXoNで勝利した思い出の地でもあります。
※ FIMとは、Fédération Internationale de Motocyclisme(国際モーターサイクリズム連盟)の略称
■HRC MXGPゼネラルマネージャー マーカス・ペレイラ・デ・フレイタス
「トム・ヴィアル選手をHonda HRCに迎え入れることは、我々の強い意志を示すものであり、チームにとっても大きな成果です。彼はモトクロス世界選手権で2度のチャンピオンに輝き、SXでも2度のタイトルを獲得しています。そんな才能あふれるライダーを、キャリアの節目となるこのタイミングでチームに迎え入れられるのは、私たちの取り組みが正しい道を進んでいることの証明でもあります。もちろん、450ccマシンで戦うのは今回が初めてとなりますが、これまでのキャリアでさまざまな変化や新しい環境にうまく順応してきた彼なら、Honda CRF450Rにもすぐに対応できると私たち全員が確信しています。まず最初に、彼はパリSXに出場します。これはチームにとっても新しい挑戦になるため、そこで共に学びを深めていきたいです。その後は完全にモトクロスに集中し、2026年のモトクロス世界選手権に向けて準備を進めていきます」
■トム・ヴィアル選手
「これは間違いなく私にとって大きな変化ですが、今のキャリアにおいて正しい選択だと感じています。世界選手権で多くの経験を積んできたので、常にシリーズの動向には注目していました。Honda HRCが私に関心を持っていると知ったとき、これ以上のチャンスはないと確信しました。彼らがトラック上で成し遂げてきたことを見てきましたし、チームとしての評判も良いことばかり聞いていました。だからこそ、今が世界選手権に復帰し、これまでの成功をMXGPクラスにつなげていく絶好のタイミングだと感じました。もちろん簡単な挑戦でないことは分かっています。Honda CRF450Rに慣れるまでには多くの学びが必要になるでしょう。しかし、自分の実力を信じていますし、一日も早く走り出したい気持ちです!」
トム・ヴィアル(2000年10月28日生まれ、フランス・アヴィニョン出身)
2020年:FIMモトクロス世界選手権MX2クラス チャンピオン
2021年:FIMモトクロス世界選手権MX2クラス 3位
2022年:FIMモトクロス世界選手権MX2クラス チャンピオン
2023年:FIMモトクロス・オブ・ネイションズ 優勝/AMAスーパークロス選手権、AMAプロモトクロス選手権、AMAスーパーモトクロス デビュー
2024年:AMAスーパーモトクロス250クラス 2位/AMAプロモトクロス選手権250クラス 2位/AMAスーパークロス選手権250クラスEAST チャンピオン
2025年:AMAスーパーモトクロス250クラス 3位/AMAプロモトクロス選手権250クラス 5位/AMAスーパークロス選手権250クラスEAST チャンピオン

