太陽と然、世界へ──
MotoGP
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太陽と然、世界へ──

MotoGP日本グランプリ in モビリティリゾートもてぎ 10月2日〜4日

Honda Team Asiaが育てる二人の若武者
その視線の先にあるのはMotoGPの頂点だ


古里太陽(写真右)と三谷 然(左)
古里太陽(写真右)と三谷 然(左)


MotoGPという世界最高峰を目指し、若き才能たちがしのぎを削るMoto2とMoto3クラス。その舞台で、アジアから世界へ羽ばたくライダーを育て続けてきたのがホンダ・チーム・アジアだ。中上貴晶、小椋 藍、ソムキアット・チャントラらを最高峰クラスへ送り出してきた育成の名門から、いま新たな才能が世界に挑んでいる。
Moto2クラス1年目ながら急成長を続ける古里太陽と、Moto3クラスで世界への第一歩を踏み出した三谷 然。二人の若きライダーは、それぞれの壁と向き合いながら、その先にあるMotoGPの頂を見据えている。
MotoGP日本グランプリは10月2日(土)〜4日(日)、モビリティリゾートもてぎで開催される。


■文・写真:遠藤 智 ■協力:Honda

Web版 Mr. Bike コラボレーション記事


 2013年にロードレース世界選手権のMoto2クラスへの参戦を開始したホンダ・チーム・アジアは、今年で14年目を迎えた。16年からはMoto3クラスにも参戦し、現在は2クラスに出場している。
 今年はMoto3クラスに三谷 然(19歳)とヴェダ・プラタマ(17歳)、Moto2クラスには3年目のシーズンを迎えるマリオ・アジ(22歳)と、Moto3クラスからステップアップした古里太陽(21歳)が参戦している。

 ホンダ・チーム・アジアは、これまで3人のMotoGPライダーを誕生させてきた。14年から17年まで同チームからMoto2クラスに参戦した中上貴晶は、18年から24年までLCR・ホンダ・イデミツからMotoGPクラスに参戦。ホンダ・チーム・アジア出身者として初のMotoGPライダーとなった。

 19年から23年までホンダ・チーム・アジアに所属し、Moto3、Moto2の両クラスでタイトル争いを繰り広げた小椋 藍は、その後も素晴らしい結果を残した。24年に移籍したスペインのチームで、Moto2クラスのタイトルを獲得。日本人としては歴代7人目の世界チャンピオンに輝くと、25年にはTrackhouse MotoGP Teamから最高峰クラスに参戦した。26年のオランダGPでは、04年の玉田 誠以来、日本人として22年ぶりとなるMotoGPクラス優勝を達成した。
 小椋は、ホンダとグランプリを統括運営するドルナスポーツが14年に共同で設立した『アジア・タレント・カップ』の出身ライダーであり、ホンダの育成シリーズから初めて世界タイトルを獲得し、初めてMotoGPクラスで頂点に立ったライダーとなった。

 小椋とアジア・タレント・カップでタイトル争いを繰り広げ、16年に同カップのタイトルを獲得したソムキアット・チャントラも、ホンダ・チーム・アジアからMotoGPクラスへ羽ばたいた一人だ。チャントラは19年から24年までホンダ・チーム・アジアからMoto2クラスに参戦し、22年のインドネシアGPではタイ人として初のグランプリ優勝を達成。23年にはモビリティリゾートもてぎで開催された日本GPで2勝目を挙げ、25年にはLCR・ホンダ・イデミツから最高峰クラスへの昇格を果たした。

 ほかにもホンダ・チーム・アジアで活躍した選手は多く、チームはいまやMoto2、Moto3の両クラスで押しも押されもしないトップチームへと成長を遂げている。


Moto2クラスにはマリオ・アジ(写真左)と、Moto3クラスからステップアップした古里太陽(右)が参戦する。
Moto2クラスにはマリオ・アジ(写真左)と、Moto3クラスからステップアップした古里太陽(右)が参戦する。

Moto3クラスの三谷 然(写真右)とヴェダ・プラタマ(左)は19歳と17歳という若いコンビだ。
Moto3クラスの三谷 然(写真右)とヴェダ・プラタマ(左)は19歳と17歳という若いコンビだ。


■壁を越えるたび、太陽は速くなる


 そうした実績を積み重ねてきたチームで世界への挑戦を始めた古里太陽は、小椋 藍、ソムキアット・チャントラに続き、アジア・タレント・カップから最高峰クラスを目指すライダーとして大きな注目を集めている。



 鹿児島県鹿屋市出身、05年7月12日生まれの21歳。20年にアジア・タレント・カップへ参戦し、デビュー戦で2位、4位と初戦から好走を見せたものの、この年は新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行によって、以後の大会がすべて中止となった。

 翌21年、デビューシーズンをわずか1戦しか走れなかった悔しさをぶつけるように快進撃を見せる。依然として厳しい渡航制限などが続くなか、太陽は7戦全勝という圧倒的な記録を打ち立て、チャンピオンに輝いた。同年には、グランプリ併催の育成シリーズ『レッドブルMotoGPルーキーズカップ』へシーズン途中からスポット参戦すると、初出場となったイタリア大会でいきなりデビューウインを飾る。その活躍が認められ、22年にホンダ・チーム・アジアから16歳でMoto3クラスへデビュー。この年の日本GPでは14位に入り、世界選手権での初ポイントを獲得した。

 23年のタイGPでは2位に入り、初表彰台を獲得する。24年にはカタールGP、ドイツGP、マレーシアGPで3度の表彰台に立つ活躍を見せ、注目を集めた。25年にはマレーシアGPで待望の初優勝を飾り、シーズン通算5度の表彰台、ランキング8位でMoto3クラスでのキャリアを締めくくった。

 そして26年、かねてから希望していたMoto2クラスへのチャレンジを開始。第11戦ドイツGPでは圧巻の追い上げを見せて5位でフィニッシュし、上位争いに食い込む力を示した。



 古里太陽は、子供のころから「太陽」という名前で呼ばれ、親しまれてきた。さんさんと輝く太陽のようになってほしい──。そんな願いを込め、町内会の長老が名付けてくれたという。家族全員がその名前を気に入り、太陽自身も「自分の名前が大好き」と語る。

 生まれ育った鹿屋市からは、活火山として知られる桜島が間近に見える。さらに、日本の宇宙開発の拠点であるJAXAの施設も近く、小学校の教室からロケットの打ち上げを見学することもあった。

 のびのびとした環境で育った太陽は、「興味を持ったことは何でもやらせたい」という父・陽一郎さんの教育方針のもと、4歳でバイクとゴルフを始めた。6歳になると、体操、テニス、ピアノも習い始める。

「バイクもゴルフも体操もテニスもピアノも、すべて自分がやりたくて始めた。その中でも、バイクが最高に面白かった」と語る太陽は、数ある選択肢の中からバイクの道を選んだ。

 その後、本格的にレースへ打ち込むため、多くのグランプリライダーを輩出してきた『鈴鹿サーキットレーシングスクール(現ホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿)』に入校。めきめきと腕を上げ、書類選考を通過した数百人が参加するアジア・タレント・カップのオーディションを突破した。以来、ホンダの育成プログラムで着実に結果を残し、近い将来MotoGPクラスに昇格が期待されるライダーのうちの一人だ。



 彼の持ち味は、ブレーキングからクリッピングポイントまでの鋭さにある。育成シリーズではこの走りで頭角を現したものの、世界のトップが競うグランプリでは苦戦を強いられた。クリッピングポイントに付くのが早い分、コーナーで向きを変えるのが遅れ、結果として立ち上がりでアクセルを開けるタイミングも遅れてしまう。そのロスを取り戻そうとブレーキングで無理をし、転倒を喫することも多かった。しかし、その走りが、彼の最大の武器になった。

 マシンの排気量が上がり、スピードレンジが高くなったMoto2クラスへ上がってからは、リヤタイヤをスライドさせながら曲げるライディングも身に付けてきた。ドイツGPでは表彰台争いに迫る5位に入ったが、シーズン後半に導入された高グリップタイヤへのアジャストには試行錯誤が続く。

「日本GPまでには、グリップの高いタイヤのパフォーマンスを生かせる走りに仕上げたい」と語る太陽の、さらなる進化に期待がかかる。

 今季はMoto2クラス1年目のルーキーイヤー。排気量は250ccから765ccへ、最高出力も約60馬力から約140馬力へと跳ね上がり、マシンへの順応が最優先のシーズンでもある。

「いまはたくさん乗って、バイクに慣れることが大切。ここ数戦でバイクにもなじんできたし、タイヤの挙動もしっかり感じ取れるようになってきた」

 立ちはだかる壁を、一つひとつ着実に乗り越えている。

 太陽が付けるゼッケン『72』は、自身の誕生日である7月12日に由来する。「チャンピオンを取ったら、7と2の間に『1』を入れたい」というその目標を現実のものとする日は、決して遠くないはずだ。


16歳でMoto3クラスへデビューした古里太陽。満を持してのMoto2の2026年シーズンを迎えた。
16歳でMoto3クラスへデビューした古里太陽。満を持してのMoto2の2026年シーズンを迎えた。


■日本GPへ、19歳の逆襲が始まる



 Moto3クラスに挑む三谷 然は、茨城県桜川市出身。07年3月27日生まれの19歳だ。3歳でポケバイに乗り始め、ミニバイクなどで腕を磨いた。15歳となった22年には、全日本ロードレース選手権J-GP3クラスのチャレンジクラスを制覇。その実績を足がかりに23年からアジア・タレント・カップへ参戦し、24年にはシーズン7勝、2位3回という圧倒的な成績でチャンピオンの座に就いた。

 25年はレッドブルMotoGPルーキーズカップで2度の表彰台に立ち、ジュニアGPでも上位争いを展開。シーズン終盤のインドネシアGPでは、イタリアのスナイパーズ・チームから1戦、ホンダ・チーム・アジアから代役として2戦の計3レースに出場し、世界選手権への足がかりをつかんだ。そして26年、レギュラーライダーとしてフル参戦を果たしている。



 初参戦の今年は、初走行となるサーキットも多く苦戦が続き、第13戦アラゴンGP終了時点での獲得ポイントは2点にとどまる。シーズン中盤のオランダGPで左手小指を骨折し、ドイツGPとイギリスGPの2戦を欠場するなど悔しい展開が続いているが、後半戦に向けて視線は前を向いている。

「オランダGPでは、ライダー人生で初めて骨折を経験しました。復帰まで約2カ月かかりましたが、夏休みを挟んだため2戦の欠場で済んでよかったです。復帰戦となったアラゴンGPは、日を追うごとに左手に力が入らなくなり、厳しいレースになりました。次戦に向けて状態はさらに良くなると思うし、一戦一戦レベルを引き上げ、日本GPにはベストな状態で臨みたいです」

 後半戦には、アジア・タレント・カップ時代に走り込んだコースも多く控える。「自分の成長を確かめられると思うので、すごく楽しみです。特に日本GPではいい走りを見せて、しっかりとポイントを獲得したい」と意気込みを語る。

 三谷は日本大学スポーツ科学部に在籍しており、25年シーズンは地元・桜川市から片道2時間半ほどをかけて大学に通いながら、海外遠征との両立を図っていた。しかし、全22戦に及ぶ過密日程のMoto3を戦う今シーズンは学業との両立が困難となり、現在は休学してレースに専念している。



 幼少期から英会話を学んでいたこともあり、海外遠征の初期から外国人クルーとの意思疎通に不安はなかった。快活な受け答えと人懐っこい人柄で、周囲を惹きつける魅力を持つ。現在はバルセロナ市内にあるチームのアパートで、チームメートとともに共同生活を送る。共用のリビングとキッチン、個室に加え、浴室とトイレが二つずつ備えられた環境で、快適な日々を過ごしている。

 チームを率いる青山博一監督は、09年にロードレース世界選手権250ccクラスの王者に輝き、MotoGPクラスやスーパーバイク世界選手権を戦い抜いた日本レース界のレジェンドだ。グランプリ界での確固たる人脈のもと、チームには優秀なエンジニアやメカニックが集う。

 青山監督は豊富な実戦経験をもとに、多角的なライダー育成を推進する。ジムでのフィジカルトレーニングやロードバイクだけでなく、モトクロス、ダートトラック、ロードコースでの実走トレーニングをバランスよく組み込み、選手が日頃から万全の準備を整え、レースウイークに集中できる環境を整えている。まもなく迎える日本GPは、そうした日々の鍛錬の成果を披露する格好の舞台となる。

 まもなく幕を開けるホームグランプリ。Moto2クラスの古里太陽とMoto3クラスの三谷 然が、母国のファンの前でどのような走りを見せてくれるのか。二人の挑戦から目が離せない。


Moto3フル参戦初年の今シーズン、怪我にも泣き苦戦を強いられているが、それでも「もてぎにはベストな状態で臨む」と言う。
Moto3フル参戦初年の今シーズン、怪我にも泣き苦戦を強いられているが、それでも「もてぎにはベストな状態で臨む」と言う。


■MotoGP日本グランプリ in モビリティーリゾートもてぎ 10月2日~4日

●16-23 ZERO円パス
https://www.mr-motegi.jp/ticket_m/motogp/zero.html

16-23 ZERO円パス[3日通し券]16~23歳の方はレース観戦もアトラクションも無料!

募集期間:5月10日(日)11:00~10月4日(日)※締め切り日前に予告なく申込受付を終了する場合があります。
対象:2002年10月5日~2011年4月1日生まれの方
内容:自由席観戦券(3日間有効)V席観戦特別招待!(要事前申込/抽選)パドックツアー・グリッドウォーク体験(抽選)
芳賀工業団地~モビリティリゾートもてぎのシャトルバス乗車無料(要事前予約・数量限定)
パークパスポート(3日分)

お申込み方法
1. 募集期間内にMobilityStationオンラインショッピングサイトにて[16-23 ZERO円パス]をお申し込みください。
※お申し込み完了後、ログインした状態で[MENU]→[マイチケット]→[観戦チケット]より電子チケットをご確認ください。
MobilityStationを初めてご利用の方はアカウント新規登録をお願いします。
MobilityStationにログインすると「鈴鹿サーキット」or「モビリティリゾートもてぎ」の選択画面が表示されます。
「モビリティリゾートもてぎ」を選択してチケット選択画面へ進んでください。

▼LRTスマートアクセス
https://www.mr-motegi.jp/motogp/access/

▼LRTアクセス動画
https://youtu.be/J1_GyCg0Mvk?si=xKR-m2I9lMRrPSK2

▼LRT×中上選手 並走PV
https://youtu.be/wRqiYggGugk?si=oatCe3Eo5KE2CtsO



●プレイベント 9月30日 ベルサール秋葉原

https://www.mr-motegi.jp/motogp/event/pre-event.html

開催日時:9月30日(水) 12:00(開場)~19:00(退場) ※予定
会場:ベルサール秋葉原 1階ホール・イベントスペース、地下1階ホール(東京都千代田区外神田3-12-8 住友不動産秋葉原ビル)

参加ライダー

MotoGP
フランチェスコ・バニャイヤ Ducati Lenovo Team
ファビオ・クアルタラロ Monster Energy Yamaha MotoGP™
ルカ・マリーニ Honda HRC Castrol
アレックス・マルケス BK8 Gresini Racing MotoGP™
ファビオ・ディ・ジャンアントニオ Pertamina Enduro VR46 Racing Team
小椋 藍 Trackhouse MotoGP™ Team
ディオゴ・モレイラ Pro Honda LCR

Moto2
佐々木歩夢 Momoven Idrofoglia RW Racing Team
古里太陽 Idemitsu Honda Team Asia

Moto3
山中琉聖 AEON Credit-MT Helmets – MSI
三谷 然 Honda Team Asia

※参加ライダーは都合により変更となる場合がございます。

観覧料:無料

観覧方法:当日の混雑状況や観覧場所によっては、ステージをご覧いただけない場合がございます。あらかじめご了承ください。・ステージ観覧エリアへの入場は整理券順です。※整理券の配布開始時間、配布場所につきましては、決まり次第ご案内いたします。・立ち見でのご観覧となりますので、あらかじめご了承ください。

注意事項:小雨決行・強風や雷雨を伴う荒天時は、安全を考慮しイベントを中止いたします。・イベント開始前からの場所取りはご遠慮ください。

主催:ホンダモビリティランド株式会社、MotoGP Sports Entertainment Group