株式会社ホンダ・レーシング(HRC)は、2013年より出光興産株式会社とともに、アジア地域の若手ライダー育成プロジェクトを推進してきました。
FIM※ロードレース世界選手権のMoto2、Moto3クラス、そしてIDEMITSU Asia Talent Cup(IATC)を舞台に、数多くの若い才能を世界へ送り出してきたこの取り組みは、アジアのモータースポーツ文化の発展と、世界トップレベルで戦えるライダーの育成を目指して進められてきました。この13年間のプロジェクトを振り返ります。
プロジェクト開始当初、Honda/HRCはMoto2、Moto3クラスでのチーム運営を担い、アジア各国の才能を発掘してきました。2018年には中上貴晶選手が日本人としてMotoGPクラスに昇格し、世界最高峰の舞台で活躍。さらに2025年には、ソムキアット・チャントラ選手がタイ人ライダーとして初めてMotoGPクラスに参戦し、アジアの若手育成の成果がグローバルに認められた歴史的な一歩となりました。
IATCでは、出光興産がタイトルスポンサーとして参画し、若手ライダーに国際舞台への登竜門を提供。これまでに多くのライダーがMoto3、Moto2を経てトップカテゴリーへとステップアップを果たし、アジアのロードレースにおけるステップアップの体制を整えてきました。
11月7日(金)、MotoGP興行主のDORNAからMotoGPに繋がるステップアップの仕組みを刷新し、IATCは2026年から“Idemitsu Moto4 Asia Cup"としてアジアでの若手発掘・育成の起点となることが発表されました。
アジア地域での育成体制強化を念頭に、Moto4、Moto3、Moto2のステップを整え、若手ライダーの発掘と育成に注力するため、出光興産はMotoGPクラスでの活動の「休止」を決定しました。
Honda/HRCは、これまでの出光興産の協力に深く感謝するとともに、今後もアジア人ライダー育成におけるパートナーシップを継続し、新しい才能の発掘に取り組んでいきます。
※ FIMとは、Fédération Internationale de Motocyclisme(国際モーターサイクリズム連盟)の略称