Hondaダカールラリー挑戦の歴史 Part 5(2021)
ワークスチームとして2013年に復帰したHondaは、ダカールラリー2020でMonster Energy Honda Teamのリッキー・ブラベックが総合優勝。31年ぶりのチャンピオンに輝いた。翌ダカールラリー2021にはディフェンディング・チャンピオンとして挑むこととなった。
ダカールラリー2021は2年連続サウジアラビアで開催された。Monster Energy Honda Teamのメンバーには、2020年大会で総合優勝を果たしたブラベックの他、ダカールラリーの実績豊かな選手たちがそろった。2020年大会で総合4位に入ったホセ・イグナシオ・コルネホ、2018年総合2位のケビン・ベナビデス、そして現役選手で最多の計24回のステージ優勝を誇るジョアン・バレーダ。4名の名手が2020の優勝マシン・CRF450 RALLYを駆り、連覇を狙うこととなった。
バレーダがステージ優勝を重ね、ダカールラリーの歴史を更新
ダカールラリー2021は、10kmのスペシャルステージからなるプロローグからスタート。翌日第1ステージのスタート順位が決まるこのステージを、ブラベックは見事トップで駆け抜けた。2番手にはわずか6秒差でバレーダが入り、Monster Energy Honda Teamの二人が1位-2位を占める幸先の良いスタートとなった。
ジッダからビシャまで622kmの道のりを走る第1ステージ。ブラベックとバレーダが困難に直面する中、ベナビデスが好走。2位フィニッシュとなった。第1ステージで苦戦したバレーダは、続く第2ステージでその力を発揮し見事優勝。自身25回目のダカールラリーステージ優勝を飾るとともに、通算ステージ優勝回数歴代4位となった。その後バレーダは、第4ステージでも勝利し、さらに記録を更新している。また第2ステージでは、ブラベックも第1ステージのタイムロスを取り戻す2位を獲得した。
ベナビデスが総合2位、コルネホが3位で前半戦を終える
総距離630kmの第3ステージは、ワディ・アド・ダワシルでのループステージ。ここでアルゼンチン出身のベナビデスが見せ場を作る。好スタートから追い上げを見せ、暫定首位とわずか33秒差の2位でフィニッシュ。好調を維持するベナビデスは第4ステージで3位、第5ステージでステージ優勝し、タイム差2分31秒で総合首位に浮上。第5ステージで2位となったコルネホとともに表彰台に登った。全日程の折り返しに当たる第6ステージでは、ブラベックが復調を感じさせ4位でフィニッシュし、前半戦を締めくくった。
前半戦が終わって総合順位は、ベナビデスが2位、コルネホが3位、バレーダが7位、ブラベックが13位という結果となった。
第9ステージでMonster Energy Honda Teamが1-3位を独占
ハイルでの休息日(レストデイ)を挟み、迎えた後半戦。第7ステージは、外部からのメカニカルサポートを受けることができないマラソンステージからスタートした。レースでは第6ステージ4位のブラベックがベストタイムで優勝。2位にナビゲーションが得意なコルネホが入り、今大会2度目の1-2フィニッシュ。第7戦の結果で総合順位トップに立ったコルネホは、マラソンステージ後半となった第8ステージでも勝利しその座を維持した。
第9ステージでは、紅海の海岸沿い465kmを走行するスペシャルステージが設けられた。美しい景観とは裏腹に、30℃を超える気候の中を戦うタフなステージを勝利したのはベナビデス。2位にブラベック、3位コルネホの順でフィニッシュし、Monster Energy Honda Teamが1-3位を独占した。
Monster Energy Honda Teamが二連覇 ベナビデスが初チャンピオンに輝く
総合首位コルネホ、2位ベナビデスという順位で迎えた第10ステージ。前戦に続き1位ブラベック、2位バレーダ、3位ベナビデスとなったものの、ここでコルネホがクラッシュ。完走は果たしたものの、無念のリタイアとなった。第11ステージでも残り1戦というところでバレーダがリタイアを喫するものの、総合優勝を狙うベナビデスは3位に入り首位をキープ。2位に5分差をつけて最終戦に臨んだ。
最終第12ステージは、ヤンブからジッダまでの総距離452 km。レースではブラベックがステージ勝利、2位にベナビデスという結果で完走を果たし、見事Monster Energy Honda Teamがダカールラリー二連覇を達成した。個人ではベナビデスが初の総合優勝、ブラベックが総合2位で1-2を飾り、連覇のよろこびに花を添えるすばらしい結果に終わった。