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HRCが記者発表会で今後の運営方針について説明

4月23日(土)、株式会社ホンダ・レーシング(HRC)は、SUZUKA 2&4レースが開催されている鈴鹿サーキットで、新体制について記者発表会を開きました。これまでHondaの2輪レース活動を運営してきたHRCは、昨年10月に4輪レース活動機能を統合することを発表しましたが、その後体制作りが整い、今年4月1日より新しい経営体制での活動を開始しています。

HRCが記者発表会で今後の運営方針について説明

名越哲平選手、取締役/2輪レース部長 若林慎也、HRC代表取締役社長 渡辺康治、常務取締役/4輪レース開発部長 浅木泰昭、取締役/企画管理部長 長井昌也、野尻智紀選手

今回の記者発表会には、HRC代表取締役社長 渡辺康治、取締役/2輪レース部長 若林慎也、常務取締役/4輪レース開発部長 浅木泰昭、取締役/企画管理部長 長井昌也が登壇し、HRCの今後の運営方針について説明しました。

新生HRCでは、埼玉県朝霞市を拠点とする2輪レース部と、栃木県さくら市を拠点とする4輪レース開発部がふたつの柱となって活動します。2輪レース部は、従来どおり2輪レースマシンの開発とレース運営、レース専用バイクの販売を継続し、4輪レース開発部は、これまでのHRD Sakuraを母体に、モータースポーツ用エンジンおよび車体の開発を行なうことになります。

HRCが実現を目指す4つのポイントは以下のとおりです。

[1:モータースポーツ活動を通じたHondaブランドのさらなる高揚]

世界的な知名度を持つ2輪におけるHRCブランドのアドバンテージをベースとして、4輪モータースポーツ領域においてもHRCブランドの浸透をはかり、Hondaのブランド価値向上を図ります。

[2:持続可能なモータースポーツを実現するカーボンニュートラル対応]

2輪と4輪のモータースポーツ開発体制を統合することで、電動化・カーボンニュートラル燃料化の技術を効率よく磨き、Honda製品や将来技術に活かしていく役割を担います。

[3:モータースポーツのすそ野を広げる活動への注力]

ホンダ・レーシング・スクール(HRS)から実戦まで、一気通貫で指導できる体制を構築し、世界中のさまざまなカテゴリーで活躍できるライダー/ドライバーを育成します。また、一般ユーザーが身近に楽しめるカスタマーレースについても、ハード/ソフトの両面においてHRCが大きな役割を果たしていきます。

[4:2輪・4輪事業への貢献]

すでにHRCブランドの市販モデルを販売している2輪と同様に、4輪領域においても事業との連携を強化し、モータースポーツイメージを活用して製品魅力の向上を図ります。

以上の4つのポイントを実現するため、HRCは2輪・4輪の分野でそれぞれが持っている技術・ノウハウの相互連携と運営の効率化を図り、“より強いレースブランド”を目指してモータースポーツ活動に取り組んでいきます。そして、HondaのDNAであるモータースポーツを、将来に向けて確実に継承できるよう強い基盤を築いていきます。

また、昨年末をもって終了したF1活動については、レッドブルレーシングとスクーデリア・アルファタウリに対してパワーユニット供給を行なっているレッドブル・パワートレインズからの要請に基づき、HRCがパワーユニットの組み立て協力やレーストラックサイドでのサポートサービスなどの技術協力を行なっています。2023年以降の支援内容については、現在協議中です。

今回の記者会見にはHRCの契約ライダーである名越哲平選手、契約ドライバーである野尻智紀選手が同席しました。名越選手は「このような形でこの場に居られることを誇りに思います。HRCが2輪と4輪を統合した体制になることにより、技術面のみならずさまざまな面が今まで以上に充実すると期待しています。ライダーとしてはドライバーの皆さんからたくさん学んで成長していこうと思います」と述べました。

また、野尻選手は「HRCが新体制となって、今まで2輪しか観ていなかったファンの皆さんが4輪レースも観ていただけるような機会、あるいはその逆の機会が増えたらいいなと思っています。その結果モータースポーツがさらに盛り上がってくれたらうれしいです。新しいHRCは強いよね、熱いよね、HRCが大好きだ、と思ってもらえるようなレースをしていきたいと思っています」と語りました。



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