埜口遥希選手の逝去について
2023 イデミツFIM※1アジアロードレース選手権(ARRC)のASB1000クラスにSDG Motorsports HARC-PRO Honda PH(ショーワ・デンキ・グループ・モータースポーツ・ハルク・プロ・ホンダ・フィリピン)から参戦中の埜口遥希(のぐち はるき)選手(22歳)は、2023年8月13日にインドネシアのプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットで開催された第4戦決勝レース2の4周目にターン10にて発生した複数のクラッシュにより重症を負い、現地の病院に搬送され治療を受けていましたが、現地時間8月16日17時40分に逝去されました。
奈良県出身の埜口選手は、5歳よりキッズバイクに乗り始め、翌年からキッズバイクやミニバイクレース、地方選手権などで活躍。2017年からは若手ライダーの登竜門となるイデミツ・アジア・タレント・カップに参戦し2年連続でランキング2位に、2019年にはレッドブル・ルーキーズカップでランキング3位になるなど、着実に成長してきました。2020年からはMFJ※2全日本ロードレース選手権ST600クラスに参戦し、2021年に見事チャンピオンを獲得。2022年からはARRCのASB1000クラスにステップアップし2022年には4勝を挙げてランキング2位、今シーズンも開幕戦で2勝を挙げて第3戦終了時点でランキング2位につけていました。
さらに、今月6日に開催された2023FIM世界耐久選手権“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第44回大会では、SDG Honda Racingから参戦し2位に入るなど、これからさらなる活躍が期待されるライダーでした。
謹んでお悔やみを申し上げますとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
渡辺 康治 株式会社ホンダ・レーシング 代表取締役社長のコメント
「埜口遥希選手の訃報に接し、突然のことに大きな驚きと深い悲しみを感じています。先日の鈴鹿8耐では、急遽参戦が決まり不慣れな環境下にも関わらず、見事な走りで表彰台に上がり、素晴らしい笑顔を見せてくれたばかりでした。また、昨年は大きな怪我のためにあと一歩のところでARRCチャンピオンを逃し、悔しい想いをしたのに対し、今シーズンは怪我から完全復活し開幕から順調に勝利を挙げていたところでした。レースのみならず何事にも前向き、意欲的に取り組む姿勢が印象的で、まだ22歳とこれからの活躍が楽しみだった中での逝去が、本当に残念でなりません。埜口選手ならびにご家族、チーム関係者の皆様に対し、謹んで哀悼の意を表します。」
※1 FIMとは、Fédération Internationale de Motocyclisme(国際モーターサイクリズム連盟)の略称
※2 MFJとは、Motorcycle Federation of Japan(一般財団法人 日本モーターサイクルスポーツ協会)の略称