Repsol Honda Team 現場レポート2022 - Vol.255
第10戦ドイツGPは、Hondaにとって厳しい結果となりました。マルク・マルケスの代役として出場しているステファン・ブラドルが16位で完走しましたが、ポイントを獲得できず。ポル・エスパルガロ、アレックス・マルケス、中上貴晶はリタイアとなりました。最高気温35℃の猛暑。路面温度51℃という厳しい条件となりましたが、Honda勢にとっては、どんなレースだったのでしょうか。果たして、ドイツGPで何が起きたのか。アルベルト・プーチ監督に聞きました。
・・・まずは、ポル・エスパルガロ選手の体調はどうですか?
「ポルは金曜日のFP1で2回転倒してしまいました。そのうちの1回はとても大きな転倒で、走行するのはとても難しいのではないか、難しいレースになるのではないか、と予想していましたが、実際その通りになりました。結果的に彼はレースを途中でやめる決断をしました。彼はろっ骨に痛みがあり、ラップを重ねるごとに痛みと暑さで呼吸が苦しくなってしまい、これ以上レースを続けることは不可能でした。金曜日の転倒の影響がでてしまいました」
・・・苦しんだのはポルだけではなかったと思いますが、ドイツGPの週末をどのように見ていますか?
「とても悪かったとしか言いようがありません。中上貴晶も土曜日に転倒しました。彼はレースをするのに少し制限があり、再び転倒してしまいました。アレックス・マルケスは彼のRC213Vに問題があり、ステファン・ブラドルはできる限りの仕事をしました。ブラドルはテストライダーであり、マルク・マルケスの代役として私たちを助けてくれています。全体的にいい週末ではなかったことは明らかです。この状況から抜け出せるように、できる限り早く分析しなければなりません」
・・・ホンダのコンストラクターとしての成績は、1982年以来最悪のものです。
「統計のことはわかりません。わかっていることは、今の状況がよくないということです。この状況を完全に変えなければなりません。過去に何度も苦難を乗り越えてきました。私たちはHondaです!」
・・・ザクセンリンクでは唯一、マルク・マルケス選手のポジティブニュースがありました。
「はい。でもこれは別の話です。これを混同して考えたくはありません。マルクの経過はいい方向に進んでいます。彼は手術を受け、幸い経過はいいです。でもスーパーポジティブに信じることはできません。ポジティブに考えられるようになるのは、戦闘的なマシンを準備し、いつものレースのレベルと結果に戻ることができたときです」
・・・マルクと話をしたのですか?
「はい。マルクと話をしました。彼はハッピーだし、右腕も順調に回復しています。彼は医者に言われた通りのことをこなしています。でも彼は私たちのこの状況を知っていると思いますし、近いうちになにが起きているのか、見に来ると思います。そしてどのようにマシンを改善しようとしているかを理解しようとすると思います」
・・・今週のアッセンに向けての意気込みは?夏休み前の最後のレースになります。
「隠してはいません。改善しなければならないことはわかっています。まずはライダーたちのコンディションをチェックする必要があります。ポルと中上の体調を知る必要があります。アレックス・マルケスとステファン・ブラドルは大丈夫です。 アッセンは複雑なトラックで、とても難しいところです。高速コーナーと超低速コーナーがあり、うまくマシンをコントロールする必要があるため、いいバランスのマシンが必要になります。マシンをうまくコントロールできないと、かなり苦戦するサーキットです」
ドイツGPでノーポイントに終わったHonda勢。オランダGPでは頂点を目指し、全力を尽くします。ドイツGPからの連戦となる第11戦オランダGPは、6月26日に決勝レースが行われます。