ドライコンディションで行われた今大会、マルケスは、レース前半は2分00秒台でラップを重ね、トップグループを追走しましたが、レース中盤から終盤にかけて2分01秒台へとペースを落とし、じりじりと後退しました。そのため、中盤から後半にかけては、アレックス・リンス(スズキ)、ジャック・ミラー(ドゥカティ)らと5位争いのグループを形成することになり7番手でフィニッシュ。期待されたオーストラリアGPからの2戦連続表彰台獲得は果たせませんでしたが、来季に向けて多くのデータを収集するレースとなりました。
今大会でマルケスは、RC213Vに施された新しいエアロダイナミクスのアップデートに取り組みました。それはシート上部に設けられた4つの小さなウイングレットで、目的は荷重を増やすことでリアのグリップを高め、コーナー進入や脱出性能をわずかに改善するというものです。これは、マルケスが右腕の手術を行い、今季6レースを欠場したため、来年に向けた新しいパーツを評価しようというHondaの取り組みの一環でした。
7位で完走したマルケスは、右腕にまだ力が残っていることを感じており、今日の結果に十分満足しています。2週間後には最終戦バレンシアGPが開催されますが、それが終われば、来季に向けたフィットネスに集中することができます。2023年の初戦となる来年3月のポルトガルGPには、100%の体力で7度目のMotoGP王座を目指し戦うことを目標に取り組むことになります。
ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、5戦連続でポイントを獲得し、Repsol Honda Teamのスタッフに多くのデータと情報を持ち帰りました。ポル・エスパルガロにとって14位というのは、期待した結果ではありませんが、トップ10からはわずか4秒差。FP1の走路妨害による3ポジションペナルティーを受けて20番グリッドからスタートする厳しいレースでしたが、順調にポジションを上げることに成功しました。
マルケスの弟、アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、21番手という厳しいグリッドからのスタートに加え、前戦オーストラリアGPでのアクシデントでロングラップのペナルティーを受けました。そのため、後方から全力で追い上げましたが、17位とノーポイントに終わりました。
この週末は熱帯の暑さの中で滑りやすくトリッキーなコンディションでした。そのため、フリー走行、予選、決勝で多くのライダーが転倒。右手負傷のため欠場している中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)の代役として3戦目を迎える長島哲太も、5周目の8コーナーでバンプに載ったことで転倒しました。
長島は、タイGP(22位)、オーストラリアGP(19位)ではしっかり完走を果たしました。今大会は23番手とベストグリッドからの決勝だっただけに残念な結果でした。
中上は先月のアラゴンGPで右手小指と薬指を負傷。日本GPは出場しましたが、それに続く、タイGP、オーストラリアGP、マレーシアGPを欠場しました。中上は、数日中に検査を受け、最終戦バレンシアでの復帰が可能かどうか判断する予定です。