MotoGPクラスは、戦前の予想通り、し烈な優勝争いとなり、右腕上腕の手術から復帰して4戦目のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、優勝したアレックス・リンス(スズキ)、3位のフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)と最終ラップ最終コーナーまでし烈なバトルを繰り広げ、2位でフィニッシュしました。
マルク・マルケスはドライコンディションで行われたフリー走行でトップタイムをマークし、予選は2番手でした。マルケスは「今大会は表彰台争いに加われるかも知れない」と好調をアピールしていましたが、その言葉通り、スタートからゴールまで10台に膨れあがったトップ集団の中で常に先頭グループを走りました。
今大会はタイヤに厳しい戦いになることが予想されていました。そのため1分30秒台とやや遅いペースでの戦いとなり、トップ集団は10台に膨れあがりました。その結果、優勝者から7位までのタイム差が0.884秒、トップ10のタイム差が5.940秒という大接戦となり、トップ10のタイム差は、歴代2番目に小さいものでした。
マルク・マルケスは、今大会、エアロダイナミクスのアップデートのテストを行うなど、積極的にマシン開発にも取り組みました。右腕の状態も順調に回復したこともあり、優勝争いに加わり、最高峰クラスで100回目の表彰台獲得を果たしました。
チームメートのポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)はトップグループには加われませんでしたが、セカンドグループを牽引、終盤は集団から抜け出し11位でフィニッシュしました。今大会、ポル・エスパルガロは、フリー走行、予選と力強い走りを取り戻しましたが、大接戦の予選で13番手。5列目からのスタートとなったことが戦いを厳しいものにしました。次戦マレーシアGPは、登り調子の走りを結果につなげる意気込みです。
右手を負傷した中上貴晶の代役として2戦目を迎えた長島哲太(LCR Honda IDEMITSU)は、予選24番手から決勝に挑み19位でした。今大会はウイークを通して不安定な天候となり、RC213Vで初めてフィリップアイランドを走る長島は、レギュラーライダー以上に厳しい状況でした。しかし、レースウイークを通じて着実に前進した長島は、終盤、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)とバトルを繰り広げ19位でチェッカーを受けました。
今大会、今季2回目の予選Q2進出を果たし11番手から決勝に挑んだアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、オープニングラップに7番手に浮上。その後も大接戦の中で9番手前後を走行しましたが、4コーナーで行き場を失い、前を走るジャック・ミラー(ドゥカティ)に追突し、ともに激しく転倒しました。アレックス・マルケスは、前戦タイGPで8位になり調子を上げているときだけに残念な結果でした。幸いにも、両選手ともにケガはありませんでしたが、地元ファンの期待を一身に集めるミラーを転倒させてしまい、アレックス・マルケスは同選手に謝罪しました。