台風の接近で終日ウエットコンディションになった2日目は、午後になって落雷を伴う激しい雨になり、MotoGPクラスは午後のFP3がキャンセルとなりました。今大会は、金曜日、土曜日とそれぞれフリー走行が1回行われ、Q1とQ2が行われました。
ドライコンディションとなった初日のフリー走行で6番手とまずまずのスタートを切ったマルク・マルケスは、台風の接近で終日ウエットコンディションとなったFP2でトップタイムをマークすると、その後に行われたQ2でも快調にラップを刻み、Hondaとしては昨年のイギリスGP(ポル・エスパルガロ)以来22戦ぶり、マルク・マルケスとしては2019年の日本GP以来、1071日ぶりのPP獲得となりました。
2020年7月のスペインGPで右腕上腕を骨折、今年の6月に4回目の手術を行ったマルケスは、先週のアラゴンGPで3か月半ぶりに復帰したばかり。ドライコンディションでは、右腕のパワーが完全ではなく、本来のパフォーマンスを発揮するのはもう少し先のことになりそうですが、ウエットコンディションではRC213Vと自身のパフォーマンスを遺憾なく発揮することに成功。通算91回目のPP獲得を果たしました。
MotoGPクラスは、厳しい車両規定の中で接戦が続いています。今大会もドライコンディションで行われたFP1では、トップから1秒差に19台。決勝日はドライコンディションが予想されますが、復帰2戦目でPPを獲得したマルク・マルケスの走りに大きな注目が集まっています。
チームメートのポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は11番手でした。初日のフリー走行は、マルク・マルケスに続いて7番手とまずまずのスタートを切りましたが、ウエットコンディションになったFP2では転倒を喫し19番手に。しかし、ドライコンディションのFP1で7番手につけていたことでQ2からの予選となり、11番グリッドを獲得しました。今大会、ポル・エスパルガロはドライコンディションで好走を見せているだけに決勝は追い上げのレースが期待されます。
MotoGPクラスにデビューして初めてモビリティリゾートもてぎを経験するアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、初日20番手と出遅れましたが、ウエットコンディションとなったFP2では8番手と好走を見せました。しかし、ドライコンディションだったFP1の順位で総合20番手のアレックス・マルケスはQ1からの予選となり、17番グリッドを獲得しました。午前中のFP2では、タイヤのパフォーマンスを十分に活かしてシングルにつけましたが、午後のQ1ではリアのグリップに苦戦し、思うようなタイムを出せませんでした。しかし、コース攻略を果たしたことで、決勝では追い上げのレースに挑みます。
ワイルドカードで出場の長島哲太(Team HRC)は、MotoGPマシンでは初めて経験するウエットコンディションの中で19番手でした。初めて経験するミシュランのウエットタイヤのフィーリングを確かめながら着実にタイムを上げていった長島は、FP2では22番手でしたが、予選では19番手までポジションを上げることに成功しました。決勝レースでは、さらに上のポジションを目指します。
初日12番手の中上貴晶は、午前中に行われたFP2で17番手。15台が出場したQ1では転倒を喫し15番手に終わり、25番グリッドが確定しました。前戦アラゴンGPで右手の小指と薬指を負傷している中上は、Q2進出を目標に闘志をかき立てていましたが、オープニングラップの最終コーナーで転倒しました。再スタートを切った中上はピットに戻り、マシンを乗り換えて再度アタックしましたが、思うようにタイムを伸ばすことができませんでした。決勝日は、痛み止めを飲み、追い上げのレースに挑みます。