今大会はフリー走行、予選と大接戦となり、アレックス・マルケスは、ワンミスが最後尾グリッドになるという厳しい戦いでした。レース中もブレーキングでリアのムービングに苦戦しましたが、粘り強い走りでポイントを獲得しました。
その後方では、15番グリッドからスタートしたポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)が16位でフィニッシュしました。
レッドブル・リンクは、シーズンを通して、ハードブレーキングのポイントが多いサーキットです。今大会、フリー走行、予選でトラクション不足に苦戦したポル・エスパルガロは、決勝レースでもコーナーの立ち上がりで苦戦します。そのため結果的にブレーキングもハードになり、腕上がりの症状にも苦しみました。レッドブル・リンク用として、硬めのケーシングでドライブグリップがやや落ちるタイヤが供給されたこともHonda勢にとっては、マシンコントロールを難しいものにしました。
右腕を手術して戦列を離れているマルク・マルケス(Repsol Honda Team)の代役を務めるステファン・ブラドルは、ポル・エスパルガロから数秒遅れの17位でフィニッシュしました。ポイントは獲得できませんでしたが、今大会で得たデータは、RC213Vの性能向上に役立つはずです。
予選でHonda勢トップの14番グリッドから決勝に挑んだ中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、オープニングラップは15番手と一つポジションを落としただけでしたが、大混戦の中で2周目には18番手まで順位を落としました。
中上に先行するのはチームメートのアレックス・マルケスで、それから8周に渡りランデブー走行を続けましたが、10周目の7コーナーでフロントからスリップダウンを喫し、リタイアに終わりました。
朝のウォームアップで、最後の調整に挑みたかった中上ですが、小雨が断続的に降るコンディションとなり、決勝に向けてのセットアップが進みませんでした。加えて、アレックス・マルケスをピタリとマークしたことでフロントタイヤのオーバーヒートでフィーリングが変わり、ブレーキングに問題を抱える苦しい戦いでした。
今大会もRC213Vのパフォーマンスを存分に引き出すことはできませんでしたが、次戦サンマリノGPでは、この厳しい状況を抜け出し、再び、トップを目指す意気込みです。