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MotoGP 2022
Round 4

マルク・マルケス アメリカズGPで復帰を果たす

us Circuit Of The Americas

第4戦アメリカズGPが、4月8日(金)~10日(日)の3日間、米国テキサス州・オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催されます。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で10月開催となりましたが、今年は例年通り4月に行われます。アメリカズGPは2013年に初めて開催され今年で9回目を迎えます。

マルク・マルケス アメリカズGPで復帰を果たす

今大会は、第2戦インドネシアGP決勝日のウォームアップで転倒し、インドネシアGP決勝と第3戦アルゼンチンGPを欠場したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が復帰を果たします。過去、アメリカズGPで数々の記録、そしてドラマを生んできたマルク・マルケスの復活に大きな注目が集まります。

マルク・マルケスはアメリカズGP初開催となった13年、最高峰クラスデビュー2戦目にして初のポールポジションを獲得しました。この記録は1982年のスペインGP(ハラマ)でフレディ・スペンサーが樹立した20歳153日という最年少記録を20歳62日でブレイク(その後、19年のスペインGPでファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)によって更新)。翌日の決勝では同じく1982年のベルギーGPでスペンサーが樹立した20歳196日という初優勝記録を20歳63日で更新。最高峰クラス最年少優勝記録を実に31年ぶりに塗り替えました。さらにシーズン6勝を挙げてデビューシーズンにしてタイトルを獲得。これもまたスペンサーが83年に21歳258日で達成した史上最年少でのタイトル獲得を20歳266日で達成し、30年ぶりに記録を塗り替えました。

以来、マルク・マルケスにとってCOTAは最も相性のいいサーキットの一つで、初開催の13年から7年連続でPP獲得を達成します。そして7連勝が期待された19年の大会では、首位を独走するも転倒リタイアに終わり7連勝を達成できませんでした。その後、20年はコロナ禍で大会が中止となり、2年ぶりの開催となった21年には、3年ぶり7回目の優勝を達成しました。ケガからの復帰戦となる今年はアメリカズGP8回目の優勝が期待されます。

マルク・マルケスは、インドネシアGPのウォームアップで転倒した際に頭を打ち、物が二重に見える状態になりました。これは、昨年のシーズン終盤戦、モトクロストレーニング中の転倒で同じ状態になり、回復するまで2週間がかかりました。しかし、今回の症状は軽く、5日(火)にはサーキットトレーニングで使用しているHonda CBR600RRで練習を再開。医療チームからゴーサインが出されました。

マルク・マルケスは、COTAだけではなく、以前米国で開催されていたインディアナポリスGPでも、11年と12年にMoto2クラスで、13年、14年、15年にはMotoGPクラス優勝。2013年の開催が最後になったラグナセカでも勝利しています。

マルク・マルケスがアメリカラウンドで強い理由のひとつに、左周りのコースだということがあります。マルク・マルケスは、ダートトラックなどオーバルコースでトレーニングを積んでいることもあり、左周りのコースを得意としています。今大会は復帰戦となりますが、予選、決勝と世界中のレースファンの注目を集めることになります。

チームメートのポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、今季2回目の表彰台獲得と初優勝に挑みます。先週のアルゼンチンGPでは予選4番手から3位争いに加わりますが、惜しくも転倒リタイアに終わりました。

これまでポル・エスパルガロは、アメリカのインディアナポリスでは08年から10年まで、優勝を含む3年連続表彰台を125ccクラスで獲得、Moto2クラスでは11年、12年と2年連続表彰台に立っています。こうしてポル・エスパルガロも左周りのコースを得意としていますが、Repsol Honda Teamで初めて出場した昨年のCOTAでは10位でした。今年は、表彰台争いに加わりながらも転倒した前戦アルゼンチンGPの雪辱を果たし、今季2回目の表彰台獲得、初優勝が期待されます。

中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、前戦アルゼンチンGPでは、予選10番手、決勝12位でした。スタートはよく序盤に6番手までポジションを上げますが、その後、リアタイヤのグリップに苦しみ、大混戦の中でなかなか前に出ることができませんでした。COTAは得意とするサーキットの一つだけに、上位を狙います。昨年の大会は予選5番手。決勝日朝のウォームアップでは最速タイムを記録し、決勝レースも好スタートから表彰台争いを目指しましたが、バックストレートのブレーキングでバンプに足元をすくわれ転倒、再スタートしますが17位でした。今大会は、前戦アルゼンチンGPと昨年のアメリカズGPの雪辱を晴らす意気込みです。

アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、前戦アルゼンチンGPでは予選19番手という厳しいグリッドから15位でフィニッシュしました。インドネシアGPに続き2戦連続でポイント獲得を果たしますが、自分の走りをほとんど出せないまま不完全燃焼に終わっています。アレックス・マルケスは、COTAでは18年のMoto2で2位表彰台に立っています。MotoGPクラスで初めて出場した昨年は予選15番手、決勝12位。今季は、ウインターテストの走りを再現できていませんが、今季初の表彰台、初優勝に挑みます。

一周5.513kmのCOTAは、アップダウンに富んだハイスピード&テクニカルコース。ハードなブレーキングからの加速、そして連続する中高速コーナーでのハンドリングなど、マシンの総合力とライダーのスキルが求められる難易度の高いサーキットです。昨年の大会では、ライダーから路面のバンプに苦情が寄せられたため、今年初めに2コーナーから10コーナーまで、12コーナーから16コーナーにかけて大規模な再舗装と補強が行われました。よりハイスピードの戦いが予想される今年の戦いに大きな注目が集まります。


Marc Márquez
Marc Márquez 93
Repsol Honda Team
戻ってくることができてとてもうれしいです。COTAは大好きなサーキットの一つです。このサーキットで復帰できるというのは、すばらしい気分です。テキサスで走るのはとても楽しいですし、最高の思い出があります。インドネシアの決勝とアルゼンチンGPのすべてを逃してしまったので仕事がたまっています。そのため今は目標を一つに絞ってはいません。やらなければいけないことと考えなければならないことがたくさんあるからです。でも、もっとも重要なのは今週、またマシンに乗れるということです

Pol Espargaro
Pol Espargaro 44
Repsol Honda Team
アルゼンチンは残念な結果となってしまったので、アメリカズGPを楽しみにしています。昨年のオースティンは簡単ではありませんでしたが、今年は新しいマシンなので、昨年との比較が楽しみです。今年のチャンピオンシップはたくさんのライダーが関わってきそうなので、しっかりポイントを獲得し、開幕戦カタールGPのように、レースウイークをうまくまとめたいと思います。ポイントをまた獲得し、築き上げていきます

Takaaki Nakagami
Takaaki Nakagami 30
IDEMITSU Honda LCR
昨年のオースティンはとてもいい週末でした。スピードがあり、いい予選でした。今年の新しいマシンのポテンシャルはさらに高いと信じているので、すばらしい結果を残せることを願っています。COTAのレイアウトは僕に合っています。このサーキットでは、いつもすばらしいスピードがあります。すべてのセッションで前進し、安定し、力強い走行ができるようにがんばります。3日間を通してすばらしい結果を残せることを願っています

Alex Márquez
Alex Márquez 73
LCR Honda CASTROL
アメリカズGPに向けてモチベーションはとても上がっています。COTAはいつも楽しいです。今年もベストを尽くします。シーズン序盤とアルゼンチンで抱えていた問題を解決できるようにがんばります。110%の力で前に進み、仕事に取り組みます。ここは体力的にも精神的にもとても厳しいサーキットです。高い集中力が必要とされますが、モチベーションは上がっています。準備はできています。チームとマシンに取り組み、いい週末にできるようにがんばります

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