今大会は、貨物機の故障で機材の到着が遅れ、金曜日のセッションがすべてキャンセルされました。そのため大幅にスケジュールが変更され、土曜日はフリー走行と予選を一日で行う過密スケジュールとなり、忙しい一日となりました。
その中でポル・エスパルガロは、FP1では3番手と好調なスタートを切りましたが、FP2で転倒し17番手に後退。Q1からとなった予選では、Q1でトップタイムをマークしてQ2進出を果たし4番グリッドを獲得するという、FP2のミスを見事にリカバリーする一日となりました。しかし、Q1からの予選となったため、リアにソフトタイヤが1本しか残っておらず、アタックはセッション終盤に一度だけ。それでも今季ベストのグリッドを獲得し好調をアピールしました。
アルゼンチンGPに向かうためのPCR検査で陽性判定となり、一度は欠場を決めた中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、再検査で陰性判定となり、急きょ、アルゼンチンGPに参加しました。貨物機の故障で金曜日の走行がキャンセルになったことは、中上にとってラッキーな出来事でした。
迎えたFP1では、セッション序盤から快調にラップを刻んで1番手タイムをマーク。FP2では大接戦の中で13番手までポジションを落としQ1からの予選となりましたが、Q1ではポル・エスパルガロに続く2番手でQ2に進出。10番グリッドを獲得しました。
チームメートのアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、フリー走行で19番手。Q1では9番手に終わり、19番グリッドが確定しました。雨となった前戦インドネシアGPでは13位になり今季初ポイントを獲得。好天が予想される今大会は、ドライコンディションで2戦連続ポイント獲得と今季初表彰台獲得に挑みます。
前戦インドネシアGPの決勝日のウォームアップで転倒し、今大会を欠場したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)の代役で出場しているステファン・ブラドルは24番手でした。HondaのMotoGPマシンのテストライダーを務めるブラドルは、昨年、一昨年と代役やワイルドカードで出場し、たびたびトップ10フィニッシュを果たしています。今回もトップ10フィニッシュを目指しますが、一日でフリー走行と予選を行う過密スケジュールでは、レギュラーライダーたちとの経験値の差は大きく、厳しい戦いを強いられました。フリー走行ではトップから1秒差に17台という接戦。決勝では、これまでの経験を活かし、追い上げのレースに挑みます。