今大会の注目は、昨年のシーズン終盤に右目を負傷して2レースを欠場、その後も治療のために2カ月間トレーニングから遠ざかっていたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)の走りでした。2月にマレーシア・セパン、インドネシア・マンダリカで行われた公式テストでフィジカル面の遅れを取り戻し、着実にタイムを上げていたマルケス。そして迎えた開幕戦カタールGPのフリー走行、FP1では17ラップをこなし9番手タイムをマーク。路面コンディションがよくなりタイムが上がったFP2も17ラップをこなし、一気に2番手に浮上しました。
マルケスは、1分54秒台から55秒台で周回し、セッション終盤には前後ソフトを装着して2度のタイムアタックを行い、1分53秒467をマークしました。20年シーズンは右上腕を骨折して欠場。昨年は第3戦ポルトガルGPからの復帰となりましたが、今年は開幕戦からシーズンに挑みます。2日目のFP3ではタイヤテストなど決勝に向けて準備を進め、予選ではフロントロー、ポールポジション獲得が期待されます。
チームメートのポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、トップから0.531秒差の9番手につけました。FP1は17ラップをこなし4番手。FP2は14ラップをこなし9番手、総合でも9番手で初日を終えました。
この日は路面コンディションがよくなるにつれて全体的にタイムも上がりました。ウインターテストでも好調だったポル・エスパルガロは、前後ソフトを装着して2度のアタックを行いましたが、2度目のアタックがうまくいかず、1分53秒963で9番手でした。
初日は、1分53秒台に10人がひしめく大接戦となりました。2日目のFP3では、さらにタイムが上がることが予想されるだけに、FP3でダイレクトでQ2進出を果たし、マルク・マルケスとともにフロントロー、PPを狙います。
中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)はトップから0.606秒差の12番手でした。FP1は快調にタイムを短縮し、1分54秒907で2番手と好調なスタートを切りました。そしてFP2でも1分54秒038までタイムを短縮しましたが、接戦の中で12番手へとポジションを落としました。FP1は30℃という暑さ。ナイトセッションのFP2では23℃まで気温が下がり、そのコンディションの違いに苦戦しました。今年もタイムが接近するMotoGPクラスですが、2日目のFP3ではダイレクトでのQ2進出を目指し、予選では上位を狙います。ルサイル・インターナショナル・サーキットを得意とする中上の走りに注目です。
チームメートのアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、FP1ではトップから0.534秒差の9番手。さらに上位を狙ったFP2ですが、最後のアタックで転倒を喫し、16番手へとポジションを落としました。しかし、FP2の連続ラップでは1分55秒台をマークするなど、相変わらずレース用タイヤで速さを発揮しているだけに、2日目のばん回に期待されます。明日は、これまでの課題となっている一発のタイム改善に挑みます。