右腕の手術のため第9戦カタルニアGP以降、欠場しているマルク・マルケス(Repsol Honda Team)の代役として出場のステファン・ブラドルは、開発テストを続けながらの実戦でトップから1.345秒差の21番手でした。
午前中に行われたFP1は、ウエットコンディションで始まり、徐々に路面が乾き、セッション終盤はほぼドライコンディションとなりました。このセッションで8番手につけた中上は、ドライコンディションとなった午後のFP2で1.330秒短縮しましたが、全体的にタイムが上がり12番手へとポジションを落としました。しかし、レッドブル・リンクを得意とする中上は、2日目のFP3ではダイレクトでQ2進出を目指しトップ10入りを目指し、予選では状態を目指します。
ポル・エスパルガロは、ウエットからドライへと変化したFP1は、慎重な走りで20番手でしたが、ドライコンディションとなった午後のFP2では2.541秒と大幅にタイムを短縮して14番手へとポジションを上げました。しかし、不安定なコンディションの中でアタックのタイミングが難しく、それが大きくポジションに影響しました。初日のフリー走行では、トップとポル・エスパルガロとの差は0.527秒。対してトップ10のタイム差が0.291秒という大接戦となっており、FP3と予選では、その厳しい戦いに入る意気込みです。
アレックス・マルケスはFP1では14番手、午後のFP2では1.928秒短縮しましたが大接戦の中で16番手へとポジションを落としました。アレックス・マルケスもトップと0.672秒差。決勝が強いアレックス・マルケスだけに、グリッドをもう少し上げる意気込みです。FP3では課題となっているソフトタイヤでのパフォーマンスの改善に挑みます。
この日は、今大会から2コーナーに新設されたシケインの攻略に選手たちは多くの時間を割くことになりました。これは2020年の大会で2人の選手が接触転倒し、転倒したマシンが3コーナーにさしかかっていた他のライダーに接触寸前という大きな事故に発展しました。その事故を受け、安全対策としてシケインが設置されました。この日はコンディションが不安定でしたがドライコンディションとなったFP2では、早くも選手たちは攻略を果たし、ベストタイムが目まぐるしく更新されました。
5月下旬に行われた第8戦イタリアGPを終えて、米国で右腕の手術を行ったマルク・マルケスは、今大会、2カ月半ぶりにサーキットを訪れ、忙しい一日を過ごしました。チームやHRCとミーティングを行い、またMotoGPマシンをコースサイドから見るという貴重な機会を得ました。2回のセッションで、マルケスはHondaの全ライダーを観察し、ブリーフィングに耳を傾けることができました。実りある訪問を終えたマルク・マルケスは、帰国後、回復とリハビリを続ける予定です。
初日トップ10に入れなかったHonda勢ですが、2日目のタイム短縮とポジションアップに期待されます。