Test 2
MotoGP 2022

2022年型RC213Vの確認テストを終える

my Sepang International Circuit

2022年シーズンの開幕を告げる今季最初の公式テストが、2月5日と6日の2日間、マレーシアのセパン・サーキットで行われました。セパンで公式テストが行われるのは20年の2月以来、2年ぶりとなり、MotoGPクラスに参加する全チームが参加しました。

2022年型RC213Vの確認テストを終える

Honda勢は、これまで6回タイトルを獲得しているマルク・マルケスとHondaで2年目を迎えるポル・エスパルガロ(ともにRepsol Honda Team)、LCR Honda IDEMITSUで5年目の中上貴晶、LCR Honda CASTROLで2年目のアレックス・マルケスの4選手が参加しました。

セパン・サーキットは、1999年に完成。マレーシアGPの会場になるだけでなく、一年中、温暖な気候のために、ウインターテストの舞台として定着しました。しかし、コロナ禍の中で昨年はウインターテストが初めてキャンセルとなり、シーズン終盤に行われるマレーシアGPも、20年、21年と2年連続で開催中止となりました。

セパン・サーキットは、バラエティに富んだコーナーが続き、長いストレートが2本あることから、MotoGPマシンのテストには最適のコースです。22年型RC213Vは大幅にマシンが改良されており、Hondaにとっては重要なテストとなりました。

マルク・マルケスとポル・エスパルガロは、昨年9月にイタリアのミサノで行われたテストで、22年型RC213Vのプロトタイプに乗りました。このときに両選手は、22年型が正しい方向に進んでいることを確信しました。その最大の狙いは、ミシュランの最新スペックのリアタイヤのポテンシャルを最大限に引き出し、ダウンフォースの空力特性の大幅な変更で、フロントグリップ向上を狙ったものだったからです。今回のテストでマルケスは、ハードにプッシュすると、すぐにラップタイムが向上するポジティブなフィーリングを得ることに成功しました。

マルケスがRC213Vに乗るのは、昨年10月のエミリア・ロマーニャGP以来、4か月ぶりのことでした。このレースでは、マルケスとエスパルガロが1-2フィニッシュを達成しましたが、そのレース終了後、マルケスはオフロードのトレーニング中に転倒し、この転倒で右目の視力に問題を抱え、終盤の2戦を欠場しました。

それ以来のMotoGPマシンでのライディングとなりましたが、2日間で111ラップをこなし、着実にペースをあげることに成功。テスト2日目の午後はスコールが来たことでタイム更新のチャンスを逃しましたが、トップとの差は0.201秒差。セッション終盤の乾き始めた難しい路面の中では最速ラップを刻み、総合では8番手タイムも、これからの走りに大きな期待が集まりました。

2013年のMoto2チャンピオンのエスパルガロは、スペインのヘレスで昨年11月に行われたテストに参加しており、新型RC213Vでの走行はこれが3回目。エスパルガロは、リアグリップが改善された最新MotoGPマシンに大きな期待を抱いています。今回のテストは、2日目の午後にスコールが来たことですべてのメニューを消化できませんでしたが、次のインドネシアテストに向けてしっかり準備を進めました。

MotoGPクラスで5年目を迎える中上貴晶は、2年前のセパンテストでは、19年のシーズン終盤戦に行った右肩手術のため十分な状態ではありませんでした。しかし、万全の体調でテストに挑んだ今年は、2日間で104ラップを消化。着実にタイムを短縮しました。2日目のスコールでタイム更新は果たせませんでしたが、用意された2台の新車の確認作業を終え、続く、インドネシアのマンダリカテストでは、コース攻略とマシンのセットアップを進めます。

マルク・マルケスの弟アレックス・マルケスは、2日目にレースシミュレーションを実施、すばらしいペースで連続周回をこなしました。19年のMoto2チャンピオンのマルケス弟は、デビューシーズンの20年には2回の表彰台を獲得していますが、昨年は一度も表彰台に立つことができませんでした。今年はニューマシンとの相性もよさそうで、今年の活躍を期待させる初テストとなりました。

Hondaはこれまで最高峰クラスでは、ライダーズタイトルを21回、コンストラクターズタイトルは26回獲得と、ともに最多記録を持っていますが、今年はその更新に向けていいスタートを切ることができました。

次回のインドネシア・マンダリカテストは、11日から13日までの3日間で開催されます。


Marc Márquez
Marc Márquez 93
Repsol Honda Team
セパンの2日間のテストにはとても満足していますが、さすがに疲れました!体力的に少し厳しい状況でしたが、とてもポジティブです。これからのシーズンを楽しむためにいまは苦しいですががんばります。今回は、プッシュするとスピードが上がりました。いくつか大きなことにトライしながら、今年のマシンをたくさん学んでいます。このマシンには明らかにポテンシャルがあります。今日はマシンを調整したあと、フロントのフィーリングをさらに理解することができました。ポルとアレックスがロングランで速かったので、勇気づけられました。雨の中、数周走りましたが、フィーリングはよかったです

Pol Espargaro
Pol Espargaro 44
Repsol Honda Team
今回のテストは、全体的にかなり満足しています。もっと周回できたらよかったのですが、天候はしょうがありません。新しいマシンで上位に近付くことができたのはポジティブです。1周のタイムをもっと縮めたいと思います。ファステストラップでは少しミスをしてしまいましたが、ロングランではいい仕事ができました。MotoGPクラスは、土曜日の予選タイムがタイトになってきているので、1周のスピードを上げることが重要です。いいデータを集めることができました。次のテストまで少し宿題ができました

Takaaki Nakagami
Takaaki Nakagami 30
IDEMITSU Honda LCR
ここセパンでの2日間のテストは、とてもいいものでした。昨日からマシンに対する自信を深め、解決策を見出すことができました。今年のマシンは本当にすばらしい可能性を秘めていて、その点でもとても満足しています。メカニックたちは、この2日間、本当にたいへんでしたが、彼らはすばらしい仕事をしてくれました。チームに感謝したいと思います。次のマンダリカでのテストは、新しい国、新しいサーキットなので、とても楽しみです

Alex Márquez
Alex Márquez 73
LCR Honda CASTROL
2日目のテストは全体的にとてもいい仕事ができたと思います。今回のテストで最も重要なことは、マシンを理解し、たくさん周回し、今後に向けてインフォメーションを集めることでした。どんどんマシンの理解を深めることができました。いい仕事ができました。まだ改善の余地はありますが、セットアップとベースはとてもいいです。今日はほぼレースディスタンスに匹敵する15周のシミュレーションを行いました。安定していたし、ペースは悪くありませんでした。残念ながらタイムアタックは、できませんでした。一度やろうとしたときに転倒してしまいました。でも今週末の最も重要なことはフィーリングをつかむことでした。2日間がんばってくれたチームに感謝したいです。次のマンダリカではどこを改善すべきかを考え、明確なプランで取り組みます



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