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MotoGP 2022
Round 15

マルク・マルケスがアラゴンで復帰戦に臨む

es MotorLand Aragón

第15戦アラゴンGPが、9月16日(金)から18日(日)までの3日間、スペイン・アルカニス郊外のモーターランド・アラゴンで開催されます。2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大幅に日程が変わりましたが、21年からほぼ例年通りの日程となり、今年も9月中旬の開催となりました。

マルク・マルケスがアラゴンで復帰戦に臨む

モーターランド・アラゴンは、スペインGP、カタルニアGP、バレンシアGPに続くスペイン4カ所目のグランプリ開催地で、10年にアラゴンGPとしてスタートしました。20年にはアラゴンGP&テルエルGPが2週連続で開催されており、今年はモーターランド・アラゴンでは14回目、アラゴンGPとしては13回目の開催となります。

モーターランド・アラゴンは一周5.078km。マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキット、タイのチャーン・インターナショナル・サーキット、そしてトルコのイスタンブール・パーク・サーキットなどを手がけたドイツ人デザイナーのヘルマン・ティルケ氏によって設計されました。ティルケ氏がデザインしたサーキットは、自然の地形を利用したアップダウンと、バリエーションに富んだコーナーが連続し、リズム感あふれるレイアウトが特徴です。モーターランド・アラゴンはこうした特徴に加え、2本の長いストレートを組み合わせたレイアウトになっており、パッシングポイントが多いため、選手たちから高い評価を得ています。

これまでHondaは、このサーキットですばらしい記録を残してきました。2010年の初開催から昨年まで、13戦で7勝を上げています。800ccから1000ccにエンジンの排気量が変わった12年以降では、RC213Vは実に6回の優勝を達成しています。

このサーキットでは、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が13年にデビューしてから圧倒的に強さを発揮してきました。最高峰クラスにデビューした13年、16年、17年、18年、19年と5回の優勝。20年はケガのために出場できませんでしたが、昨年はフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)とし烈な優勝争いを繰り広げて2位。優勝は果たせませんでしたが、地元ファンを大いに喜ばせました。

そのマルケスが、今大会から復帰します。先週、サンマリノGPが開催されたミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリでテスト走行に挑み、6月上旬に行った右腕の再手術からおよそ3か月を経て、順調に回復していることをアピールしました。このテストでは、手術後初走行ながらHonda勢5選手の中でトップタイムをマークして周囲を驚かせました。

マルケスは、MotoGPマシンを完全にコントロールするために必要な腕の筋肉が本来の状態には戻っていませんが、骨は100%融合されていることが確認されています。今大会からの復帰は、優勝争いをすることが目標ではなく、レースに向けての体力測定と完全な体力の回復が目的となります。同時に、2023年型RC213Vの開発に向けて、Hondaのエンジニアにフィードバックを与えることもマルケスにとっては重要な仕事。復帰に向けてその最初の一歩となるアラゴンGPでは、しっかり完走を目指します。

チームメートのポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、マルケスの復帰を喜んでいます。最近のレースでは、自身が期待したような結果を残せていませんが、マルケスとともにマシンの開発に全力を注ぐ意気込みです。前戦サンマリノGPでは、スタート直後の1コーナーで発生した多重クラッシュの犠牲者になり、リタイアに終わりました。この転倒でエスパルガロは右手首を痛めましたが、ホームGPとなるアラゴンGPでは万全の体制で臨みます。

エスパルガロは、アラゴンではこれまで2勝を挙げています。125cc時代の10年と、12年には当時Hondaエンジンを搭載していたMoto2クラスで優勝しています。しかし、MotoGPでは14年の6位が最高位。今年はMotoGPクラスでの大会ベストリザルトと今季2回目の表彰台獲得に挑みます。

開幕前にLCR Honda IDEMITSUから来季の参戦継続が発表された中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、今季ベストリザルトに挑みます。20年の大会では、2連戦の2戦目となったテルエルGPでキャリア初のPPを獲得しました。しかし、決勝はオープニングラップの4コーナーで転倒を喫しリタイア、昨年の大会は10位と苦戦しただけに、今年はその雪辱に挑みます。アラゴンGPで今季ベストリザルトを残し、ホームGPとなる日本に向かう意気込みです。

チームメートのアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、20年のアラゴンGPで2位表彰台を獲得。連戦となったテルエルGPでは表彰台争いに加わるも転倒リタイアと残念な結果でしたが、印象に残るレースでした。その雪辱に挑んだ昨年は、オープニングラップに転倒リタイアと悔しいレースに終わっています。今年は2年ぶりの表彰台獲得に挑みます。

これまでアラゴンでは、Moto3時代の13年に3位、14年に2位。Moto2時代の16年に2位、19年に3位、そして20年にMotoGPクラスで2位と3クラスで表彰台に立っています。過去2戦、オーストリアGP、サンマリノGPとHonda勢トップでフィニッシュしているマルケスが得意とするサーキットで今季ベストリザルトに挑みます。


Marc Marquez
Marc Marquez 93
Repsol Honda Team
どう言えばいいのかわかりませんが、今週末、MotoGPに戻ることになり、とても興奮しています。アラゴンは僕にとって特別なサーキットです。今週末の目標は、いきなり戦うことではありません。すべてを構築し、今後へ向けて準備をすることが目標です。自分自身、マシン、すべてにおいてです。ミサノテストはよかったと思いますが、レースウイークはまた別です。もっと過酷であり、休む時間も少ないので、ミサノとは違うチャレンジになります。これまで回復へ向けて全力で取り組んできました。ジムやバイクのトレーニングもしてきました。戻ることができてうれしいです

Pol Espargaro
Pol Espargaro 44
Repsol Honda Team
ミサノではいいテストができました。家でトレーニングや回復につとめました。ポジティブな日々を過ごすことができたので、今週末のアラゴンのレースが楽しみです。もちろん地元ファンの応援も追い風になります。今大会はテストの成果を活かし、ポジティブな週末にしたいと思います。これからたくさんのレースが待っているので、この時期にいいスタートを切ることは重要です。勢いをつけて取り組みたいです。最初の仕事はミサノで見つけたことを確認し、今週末どのように前進できるかを考えることです

Takaaki Nakagami
Takaaki Nakagami 30
IDEMITSU Honda LCR
来年も LCR Honda IDEMITSUからMotoGPに参戦することが発表されました。来年のことがはっきりしたので、今週末へ向けてモチベーションは上がっています。アラゴンではチームと自分自身のためにポジティブな週末にしたいと思います

Alex Marquez
Alex Marquez 73
LCR Honda CASTROL
ホームGPなので、モチベーションはとても上がっています。アラゴンは地元にもっとも近いレースになります。とてもいい思い出があります。Moto2とMoto3、そして2020年からはMotoGPで走ってきました。今回もまた大きな挑戦になります。どこまで速くなれるのかやってみないと分かりませんが、今週末は特別な週末になることは間違いありません。もちろん、期待は大きいです。昨年は厳しい週末で、速さがありませんでした。今回は100%集中して最初の瞬間から一生懸命プッシュしてがんばります。そしてファンと一体になりたいと思います。週末を楽しめるようにがんばります。それが一番のカギです

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