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MotoGP 2022
Round 10

シーズン折り返しの第10戦ドイツGPにHonda勢が挑む

de Sachsenring

第10戦ドイツGPが、6月17日(金)~19日(日)の3日間、ドレスデン近郊のザクセンリンクで開催されます。2020年はコロナ禍で開催が中止となりましたが、昨年から例年通り7月に大会が復活し、今年で24度目の開催となります。

シーズン折り返しの第10戦ドイツGPにHonda勢が挑む

ザクセンリンクの歴史は古く、1927年に初めて公道を使ったレースが行われ、1961~1972年には東ドイツGPの舞台となりました。そして、90年に東西ドイツが統合されると、ザクセンリンクでのグランプリ復活を望む声が高まり、1998年に全面改修を行いドイツGPの舞台として復活しました。

グランプリが復活した当初のザクセンリンクは、一周3.508kmのショートコース。タイトなコーナーが連続し、ストレートも短く、エンジンパワーをほとんど発揮できないレイアウトでした。

そのため、2001年にコースの後半部分が改修されて3.704kmへと延長されました。さらに、03年にはコース幅を広げる改修が行われ、全長は3.671kmへとわずかに短くなりましたが、MotoGPマシンのパフォーマンスを発揮できるコースに生まれ変わりました。以来、ザクセンリンクは、パッシングポイントの多い白熱した戦いが繰り広げられるサーキットとして、選手たちから好評です。

過去23回の大会でHondaは17勝を挙げています。これまでザクセンリンクで優勝してきたHondaライダーは、ミック・ドゥーハン、アレックス・バロス、バレンティーノ・ロッシ、セテ・ジベルナウ、マックス・ビアッジ。そして18年に引退したダニ・ペドロサは、2007年、10年、11年、12年と4勝を挙げています。さらに、13年にMotoGPクラスにデビューし、史上最年少記録でチャンピオンに輝いたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、13年から19年までドイツGP7連勝を達成。2年ぶりに大会が復活した昨年はその記録を8連勝(Moto2時代を含めて11大会連続ポール・トゥ・ウインを達成)へと伸ばしました。Repsol Honda Teamは過去11回連続で大会を制覇、今年はRepsol Honda Teamとして12回連続、Hondaとして18回目のザクセンリンク制覇に挑みます。

その大偉業に貢献してきたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、第8戦イタリアGPを終えて、20年7月のスペインGPで骨折した右腕上腕の再手術を米国で行い、第9戦カタルニアGPから欠場しています。現在はスペインの自宅で右腕の回復を待っています。リハビリ開始や復帰の時期は未定ですが、今年のドイツGPは残念ながら欠場することになりました。

9戦を終えて総合15位のポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、前戦カタルニアGPでは序盤5番手を走行するも、リアタイヤのパフォーマンスを発揮できず17位。自身にとって、そしてRepsol Honda Teamにとっての本拠地でノーポイントという厳しいレースとなり、今大会はその雪辱に挑みます。

ポル・エスパルガロは、3月の開幕戦カタールGPでは新型RC213Vで今季初表彰台を獲得しましたが、それ以来、さまざまな理由で苦戦が続いています。カタルニアGP後に行った公式テストの成果を今回は活かす意気込みです。

ザクセンリンクでは、Moto2クラス時代の13年に3位表彰台に立っていますが、MotoGPクラスにスイッチしてからは14年の7位が最高位。Repsol Honda Teamで初めて挑んだ昨年は予選8番手、そして決勝は不安定な天候の中で10位という結果でした。今大会は、今季2度目の表彰台獲得と初優勝を目指します。

マルク・マルケスの代役として出場するテストライダーのステファン・ブラドル(Repsol Honda Team)は、今大会がホームGPとなります。ブラドルは、10代のころからザクセンリンクでレースを経験しています。これまでザクセンリンクでは、08年の125ccクラスで2位、Moto2クラスでタイトルを獲得した11年はマルク・マルケスに次いで2位。MotoGPクラスではLCR Hondaから出場した13年に4位になっています。代役として出場した19年大会は、予選14番手、決勝10位でした。

ブラドルは、マルク・マルケスの代役として出場した第3戦アルゼンチンGPで19位、ワイルドカードで出場した第6戦スペインGPは転倒リタイア、再び、マルク・マルケスの代役として出場した前戦カタルニアGPも転倒リタイアに終わっています。今大会は今季4回目の出場となりますが、ポイント獲得と上位入賞を目指します。

9戦を終えて総合16位につける中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、前戦カタルニアGPで転倒リタイアに終わりました。転倒して医務室に運ばれた中上は市内の病院に搬送され、2日間入院。骨折などはありませんでしたが、右肩に痛みがあるなど完全な状態ではありません。スペイン、フランス、イタリアと3戦連続でシングルフィニッシュを達成した勢いは中断しましたが、今大会は再び、体調の回復を確認しながら今季ベストを目指します。

9戦を終えて総合18位のアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、前戦カタルニアGPでは最後尾グリッドからスタートして10位でフィニッシュしました。カタルニアGP後の公式テストではさまざまなセッティングにトライしており、その成果を今大会に活かす意気込みです。

ザクセンリンクでは、Moto2クラスでチャンピオンを獲得した19年に優勝しています。昨年はMotoGPクラスで初めてザクセンリンクを走り、予選12番手から転倒リタイアに終わりました。今年は第5戦ポルトガルGPの予選7番手、決勝7位がベスト。今大会は今季ベストリザルトの更新、そして2年ぶりの表彰台獲得に挑みます。


Pol Espargaro
Pol Espargaro 44
Repsol Honda Team
カタルニアGP後のテストはとても忙しいものでした。そのテストを終えて、1週間レースから離れトレーニングに集中できたのはよかったです。今大会はシーズン10戦目のドイツです。このサーキットは過去にHondaが何度も成功してきたサーキットです。今年の私たちの状況は少し違いますが、マシンに乗るたびに全力で取り組んでいます。今週末がどうなるか楽しみです。気温はかなり高く、観客席は満席になりそうです。すばらしいレースになりそうです

Stefan Bradl
Stefan Bradl 6
Repsol Honda Team
今年もザクセンリンクを走ることを楽しみにしています。ドイツのファンの前で走れるのはうれしいです。最後にこのサーキットを走った19年はとてもいい思い出があります。短い準備期間で力強いレースをすることができました。MotoGPはいま、すべてが接近しています。私たちには新たなプランがあります。見に来てくれるすべてのファンのためにいいショーにしたいと思います。Los gehts!(さあ、行こう!)

Takaaki Nakagami
Takaaki Nakagami 30
IDEMITSU Honda LCR
モンメロのアクシデントの後、体調は日に日によくなっています。まだ100%回復していませんが、金曜日にマシンに乗ってみたいと思っています。正直、自分のコンディションのことはよくわかりませんが、全力でがんばりたいです

Alex Márquez
Alex Márquez 73
LCR Honda CASTROL
ザクセンリンクはムジェロやモンメロとは違うタイプのサーキットです。とても小さくて、MotoGPマシンで走ると、まるでカート・トラックのように感じますが、とてもいいサーキットです。昨年初めてMotoGPマシンで走りました。いい週末にしたかったのですが、序盤ダニーロ・ペトルッチ(KTM)と接触してクラッシュしてしまいました。バルセロナのレースの後のテストで見つけたことを活かし、前進できるように今週末もがんばります。いつものようにモチベーションは高いです。体調もいいので、パフォーマンスがもっと向上するようにがんばります。モンメロのレースは自信につながりました。いろいろな意味でとても重要でした。この調子で引き続き努力し、集中して取り組みたいと思います

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