バルセロナでポル・エスパルガロ、アレックス・マルケスがホームグランプリに挑む
第9戦カタルニアGPが、6月3日(金)~5日(日)の3日間、スペイン・バルセロナ郊外のカタルニア・サーキットで開催されます。このサーキットでグランプリが開催されるのは今年で31回目。カタルニアGPとしては27回目を迎えます(1992~95年はヨーロッパGPとして開催)。過去2年は新型コロナウイルスの感染拡大でWGPの日程が大幅に変更となりましたが、カタルニアGPは休みなく開催を続けてきました。20年は9月に第9戦として開催され、昨年は例年通り6月に第7戦として開催されました。
過去バルセロナでは、1950年代と60年代に市内のモンジュイックで公道を利用したスペインGPが開催されました。61年には、125ccクラスでトム・フィリスがHondaのグランプリ初優勝を達成しました。Hondaにとってバルセロナは、グランプリにおける栄光の第一歩を踏み出した記念すべき場所となりました。
2001年には、この年の開幕戦日本GP(鈴鹿サーキット)で達成したHondaグランプリ通算500勝の祝賀会がバルセロナで行われました。その後、15年のインディアナポリスGPでは、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)による勝利で通算700勝目を達成。20年10月のアラゴンGPでは、Moto3クラスでハウメ・マシアが800勝を達成しました。
スペインでは、スペインGP(ヘレス)、カタルニアGP(バルセロナ)、アラゴンGP(アルカニス)、バレンシアGP(バレンシア)と、年間4戦が行われています。その中でカタルニア・サーキットは長い伝統を誇ります。コースも度々改修されて、16年までは一周4.727kmでしたが、17年にコース終盤のレイアウトが変更されて4.655kmに短縮。さらに、19年に最終セクションの安全性を高める改修工事で4.627kmに変更となり、昨年は10コーナーが改修されて4.657kmになりました。
カタルニアGPの開催されるバルセロナは、Repsol Honda Teamのヨーロッパにおける拠点となっており、今大会は今季ベストを目指します。
カタルニア・サーキットの隣町グラノレス出身のポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)にとっては、大勢のファンや家族、友人たちの前でレースを戦うのが待ちきれません。子どものころは「サーキットから聞こえるエンジン音を聞いてバイクのレーサーになることを夢見た」と語っています。過去カタルニアでは、125cc時代の08年に2位、10年に3位表彰台に立っています。Moto2時代は13年に優勝して、この年のタイトルを獲得。Repsol Honda Teamに移籍した昨年は、タイヤのパフォーマンスをうまく引き出せず転倒リタイア。前戦イタリアGPも転倒に終わっており、今大会はその悔しさをぶつけ、今季2回目の表彰台獲得と初優勝に挑みます。
今大会、Repsol Honda Teamは、マルク・マルケスの代役としてテストライダーのステファン・ブラドルが挑みます。マルク・マルケスは、20年スペインGPで骨折した右腕上腕骨の矯正手術を米国で受けるため、しばらくの間、欠場します。復帰の時期などは未定ですが、それまでブラドルが代役を務めます。
ブラドルは、マルク・マルケスがケガをした20年、そして21年と、たびたび代役として出場し、代役ライダーとしての責任を果たすだけなく、マシン開発に大きな貢献を果たしました。今年もマルク・マルケスが欠場した第3戦アルゼンチンで19位、ワイルドカードで出場した第6戦スペインGPは転倒リタイアに終わっていますが、今大会からはRepsol Honda Teamのライダーとして重責を担います。
8戦を終えて総合13位の中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、ヨーロッパラウンドに入ってから調子を上げており、第6戦スペインGP、第7戦フランスGPと連続7位でフィニッシュ、前戦イタリアGPでは、Honda勢トップの8位でした。今大会は過去3戦の好調を活かし、さらに上位を目指します。
バルセロナは中上がグランプリへの参戦を開始して以来、ヨーロッパラウンドの活動拠点にしている場所で、第2のホームGPとなります。これまでカタルニアでは、Moto2時代の16年に3位になっています。MotoGPでは、20年に表彰台争いを視野に入れる大接戦の中で7位。昨年はトラックリミットのペナルティーなどで13位に終わりました。今年は、今季ベストと念願の初表彰台獲得に挑みます。
アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)がホームGPで今季ベストに挑みます。ここカタルニアでは、Moto3時代の14年に優勝、16年2位。Moto2クラスでは17年優勝、18年2位、19年優勝とすばらしい成績を残しています。Repsol Honda TeamからMotoGPクラスにデビューした20年はタイヤの選択に苦労し、決勝13位と苦戦。LCR Honda CASTROLのライダーとして出場した昨年は11位とわずかにポジションを上げましたが、納得できる内容ではありませんでした。今年は8戦を終えて第5戦ポルトガルGPの予選、決勝7位がベストです。今年はこれまでの経験を生かし、2年ぶりの表彰台獲得と初優勝に挑みます。