マルク・マルケスとポル・エスパルガロが表彰台を目指す
第7戦フランスGPが、5月13日(金)から5月15日(日)の3日間、ル・マン・サーキット(ブガッティ・サーキット)で開催されます。フランスGPは、1951年に第1回大会が行われ、今年で59回目を迎えます。
ル・マンでは、1969年に初めてグランプリが開催されました。その後、ポール・リカール、ノガロ、マニクールなどを経て、2000年に再びグランプリの舞台となりました。今年で23年連続、ル・マンでは通算35度目の開催となります。
コロナ禍の中で行われた2020年は大幅にカレンダーが変更となり、10月上旬に開催されましたが、昨年から例年通り5月の開催となりました。昨年はコロナ禍の中で制限はありましたが、大勢のファンがスタンドを埋めました。
ル・マンは、自動車の24時間耐久レースの舞台としても知られています。このレースは、一部に一般道路を利用するサルテ・サーキットで行われます。一方、グランプリや2輪の24時間耐久レースは、一周4.185kmのブガッティ・サーキットで行われます。
ブガッティは、全体的にストレートが短く、典型的なストップ&ゴーのレイアウト。パッシングポイントが少なく、シケインやヘアピンが勝負どころとなり、激しいブレーキング競争が見ものです。俊敏な旋回性とエンジンの鋭い加速性能が問われるル・マン。こうした特徴を持つサーキットだけに、決勝レースではグリッドが非常に重要となり、予選では激しいアタック合戦が繰り広げられることになります。
この時期のル・マンは、不安定な天候が多く、昨年は“フラッグ・トゥ・フラッグ”となりました。過去14年を振り返っても、07~09年の3年間と、12年と13年はウエットレース。昨年同様、レース中にマシンを乗り換えることができる“フラッグ・トゥ・フラッグ”が適用されるなど、的確なセットアップが求められます。今年はウイークを通じて好天が予想されていますが、常にウエット対策が求められます。
Hondaは、2000年にル・マンでフランスGPが復活してから過去21年間で10勝を挙げています。今年は11勝目を目指します。
前戦スペインGPで今季ベストの4位でフィニッシュしたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、Moto2時代の11年に、MotoGPクラスでは、14年、18年、19年と3度優勝しています。昨シーズンは3勝を挙げましたが、昨年のシーズン終盤戦、そして今年のシーズン序盤に目の障害で欠場しています。しかし、徐々に体調も戻り、ペースを取り戻しているだけに、今大会は、今季初優勝、初表彰台が期待されます。
Repsol Honda Teamで2年目を迎えるチームメートのポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、開幕戦カタールGPで3位表彰台に立ちましたが、それ以降、さまざまな理由で表彰台を逃しています。これまでル・マンでは、125ccクラスに出場していて2010年に優勝。このときはマルケスが3位になっており、フランスGPで一緒に表彰台に立っています。ウエットコンディションで開催された20年には3位表彰台を獲得するなど、今大会は得意とするサーキットの一つ。Hondaに移籍して今季2回目、通算3回目の表彰台獲得と念願の初優勝に挑みます。
前戦スペインGPで今季ベストの7位でフィニッシュした中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、今大会では、さらに上位を目指します。今年はマシンのバランスに苦しんで思うようなレースができていません。さらに、スペインGP後に行われた公式テストで転倒して左ヒザを負傷しました。しかし、ヒザの状態は確実に回復しており、スペインGPの勢いを今大会もキープして、念願の初表彰台獲得に挑みます。
過去フランスGPでは、125ccクラスに出場していた09年にベストリザルトの5位、Moto2時代には、13年にキャリア初のPPを獲得しています。相性のいいサーキットですが、最大の敵は不安定な天候になっていました。今年は好天が予想されているだけに、中上の走りに注目されます。
アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、得意のコースで今季ベストを目指します。デビューシーズンとなった20年は、不安定な天候の中で初表彰台獲得の2位でフィニッシュしています。“フラッグ・トゥ・フラッグ”になった昨年の大会も19番グリッドからすばらしい追い上げを見せて6位でフィニッシュしました。
今年はマシンのセットアップに苦戦し、これまでの最高位は、ポルトガルGPの7位。セッティングが決まればすばらしい走りをするだけに、今大会は2年ぶりの表彰台獲得が期待されます。これまでル・マンでは、Moto2時代の18年に2位、19年に優勝しています。得意のサーキットで復活をアピールする意気込みです。
*過去、最高峰クラスで優勝したHondaライダーは、1983年&85年にフレディ・スペンサー(NS500) 、以後、エディ・ローソン(NSR500)、ミック・ドゥーハン(NSR500)、アレックス・クリビーレ(NSR500)、バレンティーノ・ロッシ(RC211V)、セテ・ジベルノー(RC211V)、マルコ・メランドリ(RC211V)、ケーシー・ストーナー(RC212V)、マルク・マルケス(RC213V)が優勝しています。