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MotoGP 2022
Round 7

マルク・マルケスとポル・エスパルガロが表彰台を目指す

fr Le Mans

第7戦フランスGPが、5月13日(金)から5月15日(日)の3日間、ル・マン・サーキット(ブガッティ・サーキット)で開催されます。フランスGPは、1951年に第1回大会が行われ、今年で59回目を迎えます。

マルク・マルケスとポル・エスパルガロが表彰台を目指す

ル・マンでは、1969年に初めてグランプリが開催されました。その後、ポール・リカール、ノガロ、マニクールなどを経て、2000年に再びグランプリの舞台となりました。今年で23年連続、ル・マンでは通算35度目の開催となります。

コロナ禍の中で行われた2020年は大幅にカレンダーが変更となり、10月上旬に開催されましたが、昨年から例年通り5月の開催となりました。昨年はコロナ禍の中で制限はありましたが、大勢のファンがスタンドを埋めました。

ル・マンは、自動車の24時間耐久レースの舞台としても知られています。このレースは、一部に一般道路を利用するサルテ・サーキットで行われます。一方、グランプリや2輪の24時間耐久レースは、一周4.185kmのブガッティ・サーキットで行われます。

ブガッティは、全体的にストレートが短く、典型的なストップ&ゴーのレイアウト。パッシングポイントが少なく、シケインやヘアピンが勝負どころとなり、激しいブレーキング競争が見ものです。俊敏な旋回性とエンジンの鋭い加速性能が問われるル・マン。こうした特徴を持つサーキットだけに、決勝レースではグリッドが非常に重要となり、予選では激しいアタック合戦が繰り広げられることになります。

この時期のル・マンは、不安定な天候が多く、昨年は“フラッグ・トゥ・フラッグ”となりました。過去14年を振り返っても、07~09年の3年間と、12年と13年はウエットレース。昨年同様、レース中にマシンを乗り換えることができる“フラッグ・トゥ・フラッグ”が適用されるなど、的確なセットアップが求められます。今年はウイークを通じて好天が予想されていますが、常にウエット対策が求められます。

Hondaは、2000年にル・マンでフランスGPが復活してから過去21年間で10勝を挙げています。今年は11勝目を目指します。

前戦スペインGPで今季ベストの4位でフィニッシュしたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、Moto2時代の11年に、MotoGPクラスでは、14年、18年、19年と3度優勝しています。昨シーズンは3勝を挙げましたが、昨年のシーズン終盤戦、そして今年のシーズン序盤に目の障害で欠場しています。しかし、徐々に体調も戻り、ペースを取り戻しているだけに、今大会は、今季初優勝、初表彰台が期待されます。

Repsol Honda Teamで2年目を迎えるチームメートのポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、開幕戦カタールGPで3位表彰台に立ちましたが、それ以降、さまざまな理由で表彰台を逃しています。これまでル・マンでは、125ccクラスに出場していて2010年に優勝。このときはマルケスが3位になっており、フランスGPで一緒に表彰台に立っています。ウエットコンディションで開催された20年には3位表彰台を獲得するなど、今大会は得意とするサーキットの一つ。Hondaに移籍して今季2回目、通算3回目の表彰台獲得と念願の初優勝に挑みます。

前戦スペインGPで今季ベストの7位でフィニッシュした中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、今大会では、さらに上位を目指します。今年はマシンのバランスに苦しんで思うようなレースができていません。さらに、スペインGP後に行われた公式テストで転倒して左ヒザを負傷しました。しかし、ヒザの状態は確実に回復しており、スペインGPの勢いを今大会もキープして、念願の初表彰台獲得に挑みます。

過去フランスGPでは、125ccクラスに出場していた09年にベストリザルトの5位、Moto2時代には、13年にキャリア初のPPを獲得しています。相性のいいサーキットですが、最大の敵は不安定な天候になっていました。今年は好天が予想されているだけに、中上の走りに注目されます。

アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、得意のコースで今季ベストを目指します。デビューシーズンとなった20年は、不安定な天候の中で初表彰台獲得の2位でフィニッシュしています。“フラッグ・トゥ・フラッグ”になった昨年の大会も19番グリッドからすばらしい追い上げを見せて6位でフィニッシュしました。

今年はマシンのセットアップに苦戦し、これまでの最高位は、ポルトガルGPの7位。セッティングが決まればすばらしい走りをするだけに、今大会は2年ぶりの表彰台獲得が期待されます。これまでル・マンでは、Moto2時代の18年に2位、19年に優勝しています。得意のサーキットで復活をアピールする意気込みです。

*過去、最高峰クラスで優勝したHondaライダーは、1983年&85年にフレディ・スペンサー(NS500) 、以後、エディ・ローソン(NSR500)、ミック・ドゥーハン(NSR500)、アレックス・クリビーレ(NSR500)、バレンティーノ・ロッシ(RC211V)、セテ・ジベルノー(RC211V)、マルコ・メランドリ(RC211V)、ケーシー・ストーナー(RC212V)、マルク・マルケス(RC213V)が優勝しています。


Marc Márquez
Marc Márquez 93
Repsol Honda Team
レース後に行われたテストを含め、ヘレスの週末は全体的に実りのあるものでした。いろいろと学ぶことができました。これからフランスへ向かいます。何ができるかを考えていきたいと思います。重要なことは引き続きセットアップを築き上げてトップとの差を縮めていくことです。ヘレスでは前進することができました。引き続き、前に進まなければなりません。テストのあとなので、すべてのことを確かめることはとても重要です。ル・マンでは過去にいいレースもありました。難しいレースもありました。コンディションが大きく影響しますが、今週末は天気がよさそうなので楽しみです 

Pol Espargaro
Pol Espargaro 44
Repsol Honda Team
昨年、自分たちのポテンシャルをきちんと発揮し始めたのがル・マンだったと思います。それ以降、僕とマシンは、確実によくなっていきました。そのため今回のヘレステストで見つけたことを実際に行動に移すのが楽しみです。ル・マンでは過去にいいレースをしたことがあります。気温が低く、それでいて、グリップレベルが高いコンディションは僕のライディングスタイルによく合います。MotoGPは今接戦となっています。そのため過去の実績に頼ることはできません。レースウイークの最初からいい仕事をしなければなりません。いい予選にして、レースでは一生懸命戦いたいです 

Takaaki Nakagami
Takaaki Nakagami 30
IDEMITSU Honda LCR
左ひざの調子はまだ100%ではありませんが、日に日によくなっています。これは週末のフランスGPへ向けていい兆候です。マシンに乗っているときに、このケガが大きな問題を引き起こさないことを願っています。いつものようにベストを尽くします。チームと一生懸命取り組み、日曜日のレースへ向けてできる限り準備を進めたいと思います

Alex Márquez
Alex Márquez 73
LCR Honda CASTROL
ル・マンへ向かいます。ヘレスでは1日のテストでいろいろなアイディアを試しました。ペースを上げるためにどうすればいいのか、レースウイークをどのようなプランで進めていくのか。それをはっきりさせるためにも重要なテストでした。テストではあまり新しいことにトライしませんでした。なぜなら、すでにいいベースがあるからです。マシンの力を100%引き出すことに集中して取り組みます。 ル・マンはハードブレーキングが多く、私たちの強みでもあるので、相性がいいかもしれません。ル・マンが楽しみです。天気予報通りにいい天気になることを願っています。金曜日の午前中から集中して取り組み、チームとともにフランスGPを楽しみたいと思います 

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