シーズン最終盤、3年ぶりのマレーシアGPにHonda勢が挑む
オーストラリアGPに続く第18戦マレーシアGPが、10月21日(金)から10月23日(日)までの3日間、クアラルンプール郊外のセパン・インターナショナル・サーキット(以下、セパン)で開催されます。過去2年は、新型コロナウイルスの感染拡大で開催が中止されており、日本、タイ、オーストラリアと同様、3年ぶりの開催となります。セパンでは、今年2月にMotoGPクラスの公式テストが2日間行われており、MotoGPクラスのライダーたちにとっては、8か月ぶりの走行となります。
マレーシアGPは、1991年にシャーアラムでスタートしました。その後、ジョホールへと舞台を移し、99年からはクアラルンプール国際空港に近い、セパンで開催されるようになりました。マレーシアGPは今年で29回目、セパンでは22回目の開催となります。
Hondaは、マレーシアGPでこれまで14勝を挙げています。セパンでは、バレンティーノ・ロッシが01年と03年、ダニ・ペドロサが12年、13年、15年、マルク・マルケスが14年と18年に優勝し、通算7勝を挙げています。
セパンは一周5.543km。2本の長いストレートとバラエティーに富んだコーナーを組み合わせたレイアウトで、MotoGPマシンのテストに適していることから、ウインターテストの舞台として定着しました。マレーシアは熱帯地方にあり気候が安定しているため、1年中走行することができます。
チームや選手にとって、セパンはシーズンを通して最もデータが豊富なサーキットの一つですが、過去2年間は大会が開催されませんでした。今季苦戦を続けてきたHonda勢にとっては、今年2月の初テストからマシンがどう進化したのかを確認できる貴重な大会となります。
前戦オーストラリアGPで今季初表彰台に立ったマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、オーストラリアGPに続いて連続表彰台と今季初優勝に挑みます。マルク・マルケスは、第8戦イタリアGPを終えて、6月に4回目となる右腕の手術を行いました。そして9月の第15戦アラゴンGPで復帰を果たしました。アラゴンGPはリタイアでしたが、第16戦日本GPではPPから4位、第17年タイGPでは予選8番手から5位でフィニッシュ。そして前戦オーストラリアGPでは予選2番手から2位と、手術から復帰4戦目にして表彰台に立ちました。
右腕の状態はよくなっており、着実に本来の走りを取り戻しています。同時に来季に向けてのマシン開発テストも急ピッチで進めており、今大会ではさらに1歩前進する意気込みです。
これまでマレーシアGPでは、125ccクラスで10年、MotoGPクラスは14年と18年に優勝しています。マルケスにとっては優勝回数の少ない大会の一つですが、14年の大会では、シーズン最多ポールポジション記録となる13回目を樹立。15年のウインターテストでは、初めて1分59秒台を切って1分58秒台に入れる驚異的な走りがファンの強烈な記憶して残っています。そして19年の大会では転倒を喫し予選11番手でしたが、決勝ではすばらしいスタートを切って一気に上位に浮上し、2位でチェッカーを受けました。
チームメートのポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、得意のサーキットで今季2回目の表彰台獲得を目指します。前戦オーストラリアGPは、不安定なコンディションの中で好調な走りを発揮できず13番グリッドからのスタートとなりました。これが影響して決勝は11位でしたが、今大会は、その雪辱に挑みます。これまでセパンでは、125cc時代の09年に3位、10年にはマルク・マルケスに続いて2位でフィニッシュ。Moto2クラス時代には、11年に3位、13年には2位になっています。MotoGPクラスでは、6位を最高位に4回のトップ10フィニッシュを果たしています。
前戦オーストラリアGPで好走を見せながらブレーキのミスで転倒、前を走るジャック・ミラー(ドゥカティ)を巻き添えにして転倒リタイアとなったアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、気持ちを切り替えて今大会に挑みます。アレックス・マルケスは、この転倒接触事故で今大会ロングラップ・ペナルティーを科せられており、予選では少しでもいいグリッドを獲得する意気込みです。
アレックス・マルケスは、Moto2クラスに出場していた19年大会で2位になりMoto2クラスのタイトルを獲得しました。思い出深く、そして相性のいいサーキットだけに、ロングラップ・ペナルティーをこなしながら決勝では追い上げのレースに挑みます。
右手負傷のため、中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が今大会も欠場します。長島哲太が、第17戦タイGP、第18戦オーストラリアGPに続き3戦目の代役出場となります。長島は、日本GPではTeam HRCからワイルドカードで出場しており、これで4戦連続の出場となります。
MotoGPクラスのデビュー戦となった日本GPは転倒リタイアでしたが、タイGPではMotoGPでは初めて経験するウエットレースで22位。前戦オーストラリアGPでは、高速サーキットのフィリップアイランドの攻略にやや苦戦しましたが、セッションをこなすごとに1秒づつタイムを短縮、決勝ではファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)とバトルを繰り広げて19位でフィニッシュしました。セパンでは、Moto2時代の19年に予選2番手、決勝8位という結果を残しています。今大会はポイント獲得を目標に全力を尽くします。