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MotoGP 2022
Round 18

マルク・マルケスが好相性のオーストラリアGPへ挑む

au Phillip Island

第18戦オーストラリアGPが、10月14日(金)から16日(日)までの3日間、メルボルン近郊のフィリップアイランド・サーキットで開催されます。今年で32回目を迎えるオーストラリアGPは、1989年に第1回大会がフィリップアイランドで行われました。その後、シドニー郊外のイースタンクリークへと舞台を移しますが、97年から再びフィリップアイランドで行われるようになりました。2020年、21年は新型コロナウイルスの感染拡大で中止となり、今年は3年ぶりの開催となります。

マルク・マルケスが好相性のオーストラリアGPへ挑む

フィリップアイランドは、メルボルン市内から約150km、車で約2時間の距離にあります。東西約15km、南北約5kmの小さな島で、オーストラリア大陸とは橋でつながっています。島内にはコアラやペンギンの保護区があり、メルボルン近郊の観光スポットとしても知られ、連日、大勢の観光客が訪れます。

フィリップアイランドは、海に囲まれていることから天候が変わりやすく、気象の変化が選手たちを悩ませることになります。しかし、自然に恵まれ、海に囲まれたロケーションは、フィリップアイランドの最大の特徴で、その雄大な風景は、世界中のレースファンを魅了してきました。

一周4.448kmのサーキットは、ハイスピードコースが連続するレイアウトで、エンジンの性能差が生まれやすい加速区間がほとんどありません。アクセルの全開率が高く、スリップストリームを使い合うことから、エンジンの性能差が出にくく、毎年し烈なバトルが繰り広げられます。

今大会、右腕の再手術から復帰して4戦目を迎えるマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、これまですばらしい成績を残してきました。10年には125ccクラスで優勝し、初の世界タイトルを獲得。11年と12年にはMoto2クラスで表彰台に立ちました。13年にデビューした最高峰クラスでは、これまで7戦して、2015年、17年、19年の3大会で優勝しています。

マルケスは、20年シーズンのMotoGPクラス開幕戦となった第2戦スペインGPで右腕上腕部を骨折しました。今年は第8戦イタリアGP終了後の6月上旬に4度目の手術を受け、4カ月間の休養を経て、第15戦アラゴンGPに復帰を果たしました。アラゴンGPはリタイアでしたが、日本GP4位、タイGPでは優勝者と3秒差の5位と着実に回復していることを感じさせています。今大会はマルケスが得意とする左回りのサーキット。今季初、復帰後初の表彰台が期待されます。

ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)も、過去、優勝経験のあるフィリップアイランドで今季ベストを目指します。ポル・エスパルガロは、12年にHondaエンジンを搭載したMoto2クラスで、2位のマルケスに16秒差をつけて優勝。13年は大会2連覇を達成し、Moto2クラスのタイトルを獲得しました。

Repsol Honda Teamに移籍して2年目のシーズンを迎えるポル・エスパルガロは、これまでMotoGPクラスでの最高位は16年の5位。フィリップアイランドをRC213Vで走るのは初めてとなりますが、今大会は4戦連続ポイント獲得と今季2回目の表彰台獲得に挑みます。

アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、日本GP(もてぎ)、タイGP(ブリーラム)に続き、今大会もRC213Vで初めて走るサーキットとなります。これまでフィリップアイランドでは、Moto3クラスで参戦していた14年に2位。Moto2クラス時代は17年の6位がベストリザルトです。

最高峰クラスは初めての経験となりますが、どんなレースを見せるのか注目されます。前戦タイGPでは、20番グリッドからすばらしい追い上げを見せて8位でフィニッシュしました。今大会は、第5戦ポルトガルGPで獲得した今季ベストリザルトの7位更新と2年ぶりの表彰台獲得に挑みます。

右手の負傷のため前戦タイGPを欠場した中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、今大会も欠場することになりました。右手小指の皮膚移植を行い、その回復を待って復帰する予定です。中上の代役として、タイGPに続き、長島哲太が出場します。MotoGPマシンの開発を担当する長島は、第16戦日本GPにTeam HRCからワイルドカードで出場しました。このレースは転倒リタイアでしたが、タイGPでは、初めて経験するウエットコンディションの中、22位でフィニッシュしました。

長島はMoto2クラスでフル参戦6シーズン。19年の大会では10位でフィニッシュしています。


Marc Marquez
Marc Marquez 93
Repsol Honda Team
フィリップアイランドは、世界グランプリのカレンダーに組み込まれているほかのサーキットとは、かなり特徴が異なりますが、すばらしいサーキットです。これまで、ここでは思い出深いレースがたくさんありますが、特にレース序盤はいつもいいバトルになるので印象深いです。ただ、天候にはかなり気をつけなければなりません。今年はとても寒くなりそうで、風も強く吹くことが予想されます。この点にはかなり注意しなければなりません。今週末も何ができるかを考えていかなければなりません。タイGPからのインターバルを利用してトレーニングを続けて来ました。コンディションは毎日よくなっています。連戦のあとに1週間休みがあって本当によかったです 

Alex Marquez
Alex Marquez 73
LCR Honda CASTROL
3年ぶりにフィリップアイランドに来ることができてとてもうれしいです。大好きな国ですし、フィリップアイランドはとてもいいサーキットです。しかし毎年のように天候がトリッキーで、今週末も雨の予報が出ています。そのためどのようなコンディションになってもいいように準備を整えなければなりません。また、MotoGPマシンで初めて走るサーキットなので、大きな挑戦になります。いつものようにベストを尽くし、自信を持って、チームと100%で戦います。残り3戦なので、前に進み続けます。常にベストを尽くしたいです 

Pol Espargaro
Pol Espargaro 44
Repsol Honda Team
フィリップアイランドを再び走れるのが楽しみです。Moto2時代には2度優勝しています。個性あふれるレイアウトで、大きな集団のバトルがいつも繰り広げられます。忙しい3連戦を終えて家に帰り、家族に再会してトレーニングもこなしてきました。いい休みになりました。最近のレースは簡単には行かないことばかりですが、残りのレースは特徴の異なるサーキットが続きます。何ができるか考えていきたいと思います。天気予報によると、どんな天候もありそうで予測ができません 

Tetsuta Nagashima
Tetsuta Nagashima 45
LCR Honda IDEMITSU
今回も中上君が参戦できず残念です。彼が早く回復することを願っています。オーストラリアでレースができることになり、とてもうれしいです。日曜日の決勝で、いいポジションから戦うのは難しいと思いますが、これが3戦目のレースとなるので、今回もまた、いろいろ学びたいと思っています。前戦タイGPは難しいコンディションでしたが、多くの収穫がありました。オーストラリアがどんな週末になるか楽しみです。LCR HondaとHRCのすばらしい仕事に感謝しています。ベストを尽くせるようにがんばります 

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