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MotoGP 2022
Round 17

3連戦ラスト、3年ぶりのタイGPに臨む

th Chang International Circuit

アラゴンGP、日本GPに続く3連戦最後の戦いとなる第17戦タイGPが、9月30日から10月2日までの3日間、タイのチャーン・インターナショナル・サーキットで開催されます。チャーン・インターナショナル・サーキットは、2015年にスーパーバイク世界選手権(SBK)が初開催されカレンダーに定着。MotoGPは18年に第1回大会、19年に2回目が開催されましたが、新型コロナのパンデミックで20年、そして21年と大会が中止となり、今年は3年ぶりの大会開催となります。

3連戦ラスト、3年ぶりのタイGPに臨む

チャーン・インターナショナル・サーキットは、首都バンコクから東に約400kmの場所に位置します。カンボジア国境に面するブリーラム県にあり、コースは一周、4.554km。前半区間はロングストレートが続き、中盤から後半にかけては中速コーナーが続くテクニカルセクションとなります。パッシングポイントの少ない難しいレイアウトのため、予選から激しい戦いが予想されます。

16戦を終えて総合15位。3連戦最初のレースとなった第15戦アラゴンGPで7戦ぶりに復帰したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、スタート直後のハプニングでリタイアしましたが、前戦日本GPでは復帰2戦目にしてPPを獲得。決勝では表彰台獲得を視野に4位でフィニッシュしました。

マルケスは今年の6月、第7戦イタリアGPを終えて、20年7月のスペインGPで骨折した右腕上腕の再手術を行いました。その手術から3か月半を経て、第15戦アラゴンGPに復帰しましたが、この2戦は右腕の回復を確認しながらの走行となっています。

しかし、ウエットコンディションとなった日本GPの予選では、3年ぶりのPP(通算91回目)を獲得、決勝ではし烈な4位争いを制し、周囲を驚かせました。レースを終えたマルケスの右腕は、痛みもなく順調に回復していることが確認され、右腕のパワーが足りないことを除けば、予想以上に順調な回復を見せています。

チャーン・インターナショナル・サーキットでは、初開催となった18年に初優勝。2回目の開催となった19年大会では、最高峰クラス6度目のタイトル獲得を優勝で決めるという思い出深いレースとなりました。あれから3年、タイのレースファンは、本来の走りを取り戻しつつあるマルケスを楽しみにしています。

Repsol Honda Teamで2年目のシーズンを迎えるポル・エスパルガロは、Honda RC213Vでチャーン・インターナショナル・サーキットを走るのは初めてとなります。今年はマシンのセットアップに苦戦してきましたが、この数戦は随所で光る走りを見せています。前戦日本GPでは、前半はトップ10を走行しましたが、後半はタイヤの消耗に苦戦して12位でした。チャーン・インターナショナル・サーキットでは、19年に13位になっていますが、今大会はタイGPのベストリザルトに挑みます。

アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)もRC213Vでチャン・インターナショナル・サーキットを走るのは初めてとなります。今年は予選で思うようなグリッドが獲得できず、それが決勝レースを厳しいものにしていますが、後半戦に入り、オーストリアGP、サンマリノGP、アラゴンGP、そして日本GPで4戦連続でポイントを獲得しています。アレックス・マルケスは決勝では安定したラップで周回するだけに、今大会は予選で上位を目指し、決勝では今季ベストを目指します。

アレックス・マルケスは、Moto2クラスに参戦していた18年に、予選2番手、決勝5位という結果を残しています。今大会はMotoGPマシンでのコース攻略からスタートしますが、20年以来、2年ぶりの表彰台獲得を目指します。

中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、今大会を欠場します。中上は3連戦最初のレースとなったアラゴンGPの決勝で、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)と接触して転倒。右手の小指と薬指を負傷しました。連戦となった日本GPは痛みを堪えての出場となり、20位でフィニッシュしましたが、その後、右手小指の状態がよくないため今大会の欠場を決めました。

中上の欠場を受けて、前戦日本GPにTeam HRCからワイルドカードで出場した長島哲太が代役として出場します。長島は昨年からMotoGPマシンの開発に携わり、日本GPがMotoGPクラスのデビュー戦でした。結果は予選19番手、決勝は転倒リタイアでしたが、実戦に参加することで多くのことを経験しました。

チャーン・インターナショナル・サーキットでは、Moto2クラスに参戦していた18年に5位、19年に15位という結果を残しています。コースは十分に経験しているだけに、MotoGPクラス2戦目の参加を楽しみにしています。


Marc Marquez
Marc Marquez 93
Repsol Honda Team
今週末の目標は日本の週末のようにすべてをうまくまとめることです。もちろん日本のように再びフロントでバトルができたらいいのですが、それを期待するのは現実的ではないし、それは僕たちの目標でもありません。ここへ来たのは引き続き、右腕の状態を確認しながらさまざまなデータを築き上げていくためです。タイは18年と19年にとてもいい思い出があります。前回訪問したときは特にいい思い出があります。タイのファンにまた会えるのがとても楽しみです

Pol Espargaro
Pol Espargaro 44
Repsol Honda Team
今週末もまた何ができるか考えていきたいと思います。日本では今シーズンの序盤と同じスピードを少し見つけることができました。タイGPでも、これを繰り返して、前進しなければなりません。前回タイを訪れたときはあまり運がありませんでしたが、今回はマシンが違うので、今週末何が達成できるか楽しみです

Alex Marquez
Alex Marquez 73
LCR Honda CASTROL
アラゴンと日本はポジティブなGPでした。タイでは、Moto2時代にいいレースをしたことがあります。シーズンは残りは4戦になりました。引き続き仕事に取り組みたいと思います。モチベーションはかなり上がっています。今週末も大きな挑戦になります。なぜならMotoGPで初めて走るサーキットだからです。最初からベストを尽くします。雨でもドライでも全力ですべてのセッションに取り組み、日曜日にはいいレースをしたいと思います

Tetsuta Nagashima
Tetsuta Nagashima 45
LCR Honda IDEMITSU
まずはタカができる限り早く回復して復帰できることを願っています。彼の代役として、LCR Honda IDEMITSU Teamのためにベストを尽くします。そしてレースを楽しみたいと思います。今週末のイベントが楽しみです。日本GPは本当に楽しかったです。たくさんのことを学ぶことができました。MotoGPのマシンで学ぶことはまだたくさんあるので、今週末も同じようにがんばりたいと思います

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