Honda勢がサンマリノGPで全力の戦いを誓う
第14戦サンマリノGPが、9月2日から4日までの3日間、ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ(以下ミサノ)で開催されます。コロナ禍の中で、2020年と21年は変則スケジュールとなり、ミサノでは、サンマリノGPとエミリア=ロマーニャGPの2大会が開催されました。今年はGPカレンダーも正常化が進み、例年通り、9月にサンマリノGPが開催されます。
ミサノは、2011年のマレーシアGPにおいて、不慮の事故で亡くなったマルコ・シモンチェリ選手に敬意を表し、12年にミサノ・サーキットからミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリへと変更されました。
ミサノは、1993年にイタリアGPが開催されたのを最後に、2006年までグランプリは開催されませんでした。サンマリノGPも93年にムジェロで開催されたのを最後に開催が中断されていましたが、07年、コースの全面改修を受けたミサノで、サンマリノGPとして14年ぶりに復活、今年で16年目を迎えます。
ミサノは従来左回りのコースでしたが、07年の大改修で右回りに変更されました。そのときのコース全長は4.180km。08年にはコースの一部が改修され、4.226kmに延長されました。
ミサノは低中速のコーナーが連続するテクニカルコースで、リズミカルな走りを要求されます。Honda勢は、直近15年の大会では、10年にダニ・ペドロサが勝利、15年は“フラッグ・トゥ・フラッグ”の難しいレースとなる中、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が大会初制覇を果たしました。
16年はペドロサが6年ぶり2度目の優勝を果たし、17年はウエットコンディションの中でマルケスが2度目の大会制覇を果たします。19年は、ファビオ・クアルタラロ、マーベリック・ビニャーレス(当時ヤマハ)のヤマハ勢とし烈な優勝争いを繰り広げて最高峰クラスで3度目の優勝。21年の大会では、20年のケガから復帰したマルケスが4度目の優勝を達成、ポル・エスパルガロが2位と、Repsol Honda Teamが1,2フィニッシュを達成しました。
マルク・マルケスは、右腕上腕の手術のため現在欠場していますが、ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、2年連続表彰台と初優勝を目指します。今年は、ケガなどで思うような結果を残せていませんが、昨年表彰台に立ったミサノで今季2度目の表彰台が期待されます。ポル・エスパルガロは、Moto2チャンピオンに輝いた13年にミサノで優勝しています。得意のサーキットで今季ベストを目指します。
また、苦戦が続いているHondaですが、マシンの開発面でも、昨年との比較など、貴重なデータを収集する大会となります。今大会終了後には2日間の公式テストが予定されており、復活を目指すHondaとしては重要な大会となります。
マルク・マルケスの代役として出場のステファン・ブラドル(Repsol Honda Team)も、Moto2でチャンピオンに輝いた11年の大会でマルク・マルケスに続いて2位でフィニッシュしています。その後、LCR HondaでMotoGPクラスに参戦した13年に5位になっています。RC213Vの開発で重要な役割を果たすブラドルにとっても、今大会とそれに続く公式テストは、重要な大会となります。
前戦オーストリアGPでHonda勢トップの14位でフィニッシュしたアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、今季ベストを目指します。これまでアレックス・マルケスは、ミサノで表彰台に3度立っています。Moto3クラスに参戦していた13年に3位。翌14年は2位になり、この年、Moto3クラスのタイトルを獲得しました。その後、19年にはMoto2クラスで3位になり、Moto2クラスのタイトル獲得に大きく前進した大会でした。
前戦オーストリアGPで転倒リタイアに終わった中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、シーズンを通して最も得意とするミサノで今季ベストを目指します。これまでミサノでは、Moto2時代に3度、表彰台に立っています。13年に2位、15年と16年に3位。MotoGPクラスでは、まだ表彰台獲得はありませんが、今大会は今季ベストと初表彰台獲得に挑みます。