小川が開幕2連勝を飾る
4月14日(日)、全日本トライアル選手権(JTR)第2戦の大分・玖珠大会が、玖珠トライアルヒルズで開催されました。森の斜面のセクションは難度が高く、国際A級スーパー(IAS)クラスのライダーたちにとっては、滑る斜面と複雑な岩肌をどう攻略するかが課題となりました。
今大会には17人が参加。第1から第4セクションと第10セクションは比較的好スコアが期待できる設定です。ライダーとしては、超難関セクションが並ぶ第5から第9セクションまでを、いかに少ない減点で抜けるかが勝負のカギとなりました。
開幕戦で勝利して、幸先のよいシーズンインを果たした小川友幸(TEAM MITANI Honda)は、1ラップ目の第4セクションでゲート接触による減点5を受けてしまい、苦境に立たされました。しかし、多くのライバルたちが苦しんだ第5セクションを減点2のみで抜けると、続く第6セクションを減点1のみで抜けきりました。さらに誰も抜けられない第8セクションをただ一人走りきってみせて、13度のチャンピオンに輝いたその実力を遺憾なく発揮しました。1ラップ目の小川は、黒山健一(ヤマハ)に1点差の2番手につけました。
2ラップ目の小川は、第5セクションまでをすべてクリーンに攻略。1ラップ目に減点5となった第7セクションも減点3で抜け、2ラップ目の減点トータルは18点でした。10セクションを20点以下でまとめたのは、小川だけでした。
2ラップを終えて、小川と2番手の黒山との点差は5点。リードはとっていますが、逆転される可能性もある点差で、IASクラスのみ加えられているスペシャル・セクション(SS)に挑みました。第1SSは、滑る斜面を上り下りしながら大岩に挑む設定でした。柴田暁(TRRS)がクリーンを出していたものの、フル加速をすることで路面は深く削られ、また別の難しさが出てきています。暫定3位の武田呼人(ガスガス)が減点5となり、黒山は確実に減点1に抑えました。
最後にトライをした小川は集中してセクションに挑み、美しいクリーンを叩き出しました。第1SSのクリーンで2番手黒山との点差は6点となり、小川の勝利が確定しました。
第2SSは、大岩に次ぐ大岩。さらに岩の先にはまた岩があるという難セクションでした。ここでも小川は最後の最後まできっちりクリーンで走りきり、勝利こそしたもののSSで失敗した開幕戦のリベンジを果たしました。今大会のSSすべてをクリーンで攻略したのは、小川ただ一人でした。
開幕2連勝の小川は、2戦連続で2位となった黒山に10ポイント差をつけて、総合ランキング首位の座を守っています。昨年は序盤に苦しい戦いを強いられた小川でしたが、2024年は好調をキープしてシリーズ序盤の2戦を終えました。12連覇、14度目のタイトル獲得に向けて、その強さは加速しています。
次なる戦いは6月2日(日)、モビリティリゾートもてぎでの開催となります。
HRC公式Instagramで最新情報をチェック!
https://www.instagram.com/hondaracingcorporation/
IAS 決勝リザルト
Pos. | Num. | ライダー | マシン | 総減点 | クリーン数 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 小川 友幸 | Honda | 40 | 11 |
2 | 3 | 黒山 健一 | ヤマハ | 47 | 8 |
3 | 18 | 武田 呼人 | GASGAS | 54 | 9 |
4 | 6 | 柴田 暁 | TRRS | 54 | 9 |
5 | 5 | 小川 毅士 | Beta | 56 | 5 |
6 | 2 | 氏川 政哉 | ヤマハ | 59 | 9 |
8 | 7 | 久岡 孝二 | Honda | 67 | 6 |
10 | 8 | 武井 誠也 | Honda | 80 | 4 |
12 | 10 | 田中 善弘 | Honda | 72 | 4 |
17 | 20 | 浦山 瑞希 | Honda | 100 | 0 |
IAS ポイントランキング
Pos. | Num. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | 小川 友幸 | Honda | 50 |
2 | 3 | 黒山 健一 | ヤマハ | 40 |
3 | 2 | 氏川 政哉 | ヤマハ | 26 |
4 | 18 | 武田 呼人 | GASGAS | 25 |
5 | 5 | 小川 毅士 | Beta | 24 |
6 | 6 | 柴田 暁 | TRRS | 23 |
8 | 7 | 久岡 孝二 | Honda | 16 |
10 | 8 | 武井 誠也 | Honda | 12 |
11 | 10 | 田中 善弘 | Honda | 8 |