IAS 決勝
IAS 2021
Round 7

小川友幸、危なげなく開幕3連勝を飾る

jp スポーツランドSUGO

秋も深まった宮城県スポーツランドSUGOでの全日本トライアル選手権東北大会。例年ならこれが最終戦となるはずですが、今年はコロナ禍でのスケジュール変更があり、これがシリーズ3戦目、10月末にして全5戦のシーズンを折り返す一戦となりました。

小川友幸、危なげなく開幕3連勝を飾る

参加者はもちろん、観戦者を含めて全員の検温が実施され、感染症まん延防止の処置は引き続き厳重に行われました。用意されたセクションは10セクション。これを2ラップしたのち、スペシャルセクション(SS)2カ所という、全日本では定番の設定です。

第1戦、第2戦と2連勝してこの大会に臨んだ小川友幸(TEAM MITANI Honda)は、勝負どころとなるのは第2、第6、そして第10セクションではないかとみていました。第2は時間設定がタイトなことと、前半の登りポイントと後半のブロックが難所であること、第6はごろごろとした岩を走り抜けてからの急斜面の処理、そして時間との戦いが鬼門に。そして第10はそそり立ったコンクリートブロックがライダーの行く手を阻んでいました。

今回は、この難所に加え、時間配分の難しさもライダーを苦しめることになりました。ライバルの動向を見るべくセクショントライを遅らせているうち、早くスタートしている他クラスのライダーの渋滞にも飲み込まれ、どんどん時間を使ってしまいます。

結局、小川、氏川政哉(TEAM MITANI Honda)ともに、最後の第9、第10セクションはトライすることなく、5点のパンチを受けて1ラップ目をゴールすることになりました。「申告5点」といわれるもので、時間がないときなどに用いられますが、トライをした結果5点になるかもしれないセクションならともかく、クリーンできる可能性が高いセクションだと、かなりの痛手となってしまいます。そして2つのセクションを申告5点としたうえ、小川は4点、氏川は6点のタイムオーバーも喫してしまいました。タイムオーバーは1分ごとに1点の減点として集計されます。

それでも、1ラップ目の小川はトップスコアをマークしていました。勝負どころとしていた第10セクションを申告5点としたなど、惜しいところはありましたが、2位に2点差、3位には7点差をつけました。氏川は3つの5点に加えて申告5点がふたつで10点、さらにタイムオーバーの6点で31点、9位で1ラップ目を終了。2ラップ目のばん回に期待がかかります。

2ラップ目、小川の堅実で正確なライディングは1ラップ目よりさらに光りました。第2を3点、第6をクリーンして、第10は残念ながら最後のポイントを攻略しきれず5点となりましたが、2ラップ目の減点11点は、この日のベストスコアとなりました。2ラップ目を終えて、小川のスコアは29点。2位にちょうど10点差でSSに進みました。

SSの1つ目は、第6セクションを手直ししたもので、難所の登りのラインが変更されていました。昨年のSSではこれに手こずったライダーが多かったのですが、今年はクリーンが多く出て、ここでは勝負がつかず。最後の勝負はオーバーハングの高い大岩が難関のSS第2で決まることとなりました。

この大岩はなかなかの難所で、ほとんどが5点、クリーンするものはごくわずか。足をつきながらでも抜けられさえすれば拍手喝采でしたが、ここを野崎史高(ヤマハ)がクリーン。1点差で野崎をリードしていた氏川は岩に登れず、これで逆転を許してしまう結末となりました。

その後、最後にトライした小川は、彼らしい美しいクリーンを叩き出し、この勝負を締めくくりました。終わってみれば11点差の圧勝。小川友幸の2021年3勝目となりました。


小川 友幸
小川 友幸 1
TEAM MITANI Honda
調子がよいわけではなかったのですが、大きなミスがなく、ライバルが減点をとっていったので、3勝目をあげることができました。これで開幕3連勝。開幕2連勝をしたことはありますが、もしかすると、開幕3連勝は初めてかもしれません。この調子で、最終戦の中部大会の2日間も決めていきたいと思います。

氏川 政哉
氏川 政哉 5
TEAM MITANI Honda
今日は、セクションの攻略についても課題はありましたが、それよりもペース配分を間違えてしまって、それで勝負から脱落してしまいました。終盤に2つのセクションを申告5点としなければいけなかったことも、タイムオーバー減点をとってしまったことも、ペース配分の失敗が原因ですから、これを最大の課題として、最終戦に臨みたいと思います。

決勝リザルト

Pos. Num. ライダー マシン 総減点 クリーン数
1 1 小川友幸 Honda 29 12
2 3 黒山健一 ヤマハ 40 10
3 6 柴田暁 ヴェルティゴ 46 9
4 7 久岡孝二 ヤマハ 48 10
5 2 野﨑史高 ヤマハ 51 11
6 5 氏川政哉 Honda 55 11
9 9 武井誠也 Honda 67 7
13 12 藤原慎也 Honda 64 5
14 10 斎藤晶夫 Honda 67 4

IAS ポイントランキング

Pos. Num. ライダー マシン 総合ポイント
1 1 小川友幸 Honda 75
2 3 黒山健一 ヤマハ 52
3 2 野崎史高 ヤマハ 44
4 5 氏川政哉 Honda 40
5 6 柴田暁 ヴェルティゴ 39
6 4 小川毅士 Beta 31
9 10 斎藤晶夫 Honda 18
10 9 武井誠也 Honda 18
11 12 藤原慎也 Honda 15

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