荒天の中で小川友幸が完勝を飾る
2021年全日本トライアル選手権の第2戦となったのは関東大会。本来なら世界選手権日本大会に続いて開催されるはずだった大会でしたが、世界選手権は2年続けて中止となったため、これがツインリンクもてぎで開催される今年唯一のトライアルメジャー大会となりました。
引き続き感染症まん延防止の処置がとられ、今回はパドックへの一般入場が制限されました。それにともないパドックに隣接する5つのセクションでの観戦ができなくなりましたが、ともあれ九州大会に続き、1カ月ぶりの全日本選手権開催。会場はほっと、安堵と期待に包まれました。
開幕戦は1-2フィニッシュを飾ったHonda勢。特にHondaライダーとしてのデビュー戦初勝利まであと一歩まで迫り2位入賞を果たした氏川政哉(TEAM MITANI Honda)には、いよいよ初勝利の期待がかかります。
出だしから好調だったのは開幕戦で逆転勝利を果たした小川友幸(TEAM MITANI Honda)でした。ライバルたちが5点を続出した第1セクションをクリーンすると、第2セクションも1点。この時点で単独トップに立ち、以後、ライバルとの点差を少しずつ広げていきます。
スタートの遅いトップグループが第6セクションにかかる頃、強いにわか雨がもてぎを襲います。滑る土が岩に乗り、マシンコントロールは格段に難しくなりますが、小川は出られるセクションを確実に出て、1ラップ目にして2位にダブルスコアに近い点差を築きます。この日の小川は、絶好調でした。
一方氏川は、そこここで5点減点となってしまい、なかなか本領を発揮するに至りません。1ラップ目には10セクション中8つのセクションで5点。この時点での順位は、なんと10位と低迷していました。これは厳しい戦いになりそうです。
2ラップ目、小川の好調ぶりは変わらず。全くほかを寄せつけずに、10のセクションを走り抜けます。コンディションは悪化しているのですが、それでも小川の集中力は変わりません。2ラップを終えて、2位との点差は22点。小川友幸、久々の圧倒的な試合コントロールでした。
氏川は、2ラップ目では1ラップ目よりはだいぶ減点を減らすことに成功。ポジションを6位まで上げたところで2ラップを終了しました。
この後、上位10名が2セクションのSS(スペシャルセクション)を走って勝負に決着をつけることになっていましたが、ちょうどこの頃に雷鳴が聞こえてきました。局地的雷雨の襲来です。ライダーはもちろん、お客さんの安全も考え、協議の結果、SSと表彰式は中止となり、競技は2ラップ終了時点の結果をもって終了という決断が下されました。
小川は開幕戦に続いて2連勝、ランキングポイントでは、早くも2位に17点差をつけました。氏川はランキング4位となり、次戦以降の巻き返しに期待が集まります。
決勝リザルト
Pos. | Num. | ライダー | マシン | 総減点 | クリーン数 |
1 | 1 | 小川友幸 | Honda | 30 | 10 |
2 | 2 | 野崎史高 | ヤマハ | 52 | 7 |
3 | 3 | 黒山健一 | ヤマハ | 58 | 4 |
4 | 6 | 柴田暁 | ヴェルティゴ | 60 | 2 |
5 | 4 | 小川毅士 | Beta | 61 | 5 |
6 | 5 | 氏川政哉 | Honda | 72 | 1 |
7 | 10 | 斎藤晶夫 | Honda | 77 | 3 |
10 | 9 | 武井誠也 | Honda | 86 | 2 |
12 | 12 | 藤原慎也 | Honda | 89 | 1 |
IAS ポイントランキング
Pos. | Num. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
1 | 1 | 小川友幸 | Honda | 50 |
2 | 2 | 野崎史高 | ヤマハ | 33 |
3 | 3 | 黒山健一 | ヤマハ | 32 |
4 | 5 | 氏川政哉 | Honda | 30 |
5 | 6 | 柴田暁 | ヴェルティゴ | 23 |
6 | 4 | 小川毅士 | Beta | 22 |
7 | 10 | 斎藤晶夫 | Honda | 16 |
10 | 12 | 藤原慎也 | Honda | 12 |
11 | 9 | 武井誠也 | Honda | 11 |