小川友幸が逆転勝利 氏川政哉とワンツーフィニッシュ
2021年全日本トライアル選手権開幕戦。当初、この大会は第3戦の予定でしたが、コロナ禍の影響で第1戦と第2戦が延期となったため、改めて日程が組み直され、九州大会を新たな第1戦として2021年シーズンが始まりました。
コロナ禍が収まらない最中の全日本選手権開幕戦となりましたが、感染対策をきっちりと施し、表彰式は無観客、パドックへの観客の立ち入り制限という、厳しい対応のもとでの開催となりました。
会場の矢岳高原は2019年に全日本選手権を初開催した会場です。昨年はコロナ禍によって九州大会が中止となっていたため、選手をはじめ関係者全員の願いがかなっての開幕戦開催となりました。
森の中に配置された10セクションは、ダイナミックな大岩を素材として使い、見ごたえのあるものとなっていました。その一方、減点はごく少ない戦いとなるとの予想がトップライダーによって示されていました。試合が始まると、小川友幸(TEAM MITANI Honda)が第2セクションで1点、今年からTEAM MITANI Hondaに加入した氏川政哉が第5、第6セクションで1点ずつを失うなど、細かい減点が記録されていきます。
1ラップ目、トップは小川毅士(ベータ)の6点で、これを同点クリーン数の差で氏川が追う展開となりました。小川友幸の1ラップ目は10点で、4位につけてばん回を期します。
2ラップ目、セクションを走るのも2回目となり、その攻略法をつかんだ各ライダーは、それぞれ減点をぐっと少なくしてきました。氏川は2ラップ目をたった2点で終え、小川友幸は10セクションすべてをクリーン。2ラップ目は黒山健一(ヤマハ)もオールクリーンで、トップ争いが大接戦となってきました。
10セクション2ラップの戦いを終えて、トップは黒山の7点。以下、氏川が8点、小川友幸が10点と続きます。4位小川毅士は13点、5位に野崎史高(ヤマハ)が15点で続きます。
そして大会のクライマックス、SS(スペシャルセクション)の始まりです。大岩が勝負どころとなりますが、SS第1はクリーン勝負、SS第2は難所がそこここに配置してありました。トップ争いをする上位3人は、まずSS第1をクリーン。点差に変化のないまま、最後の勝負であるSS第2のトライに入ります。
2ラップ終了時点で3位だった小川友幸が、トップ3の中では最初のトライとなります。柴田暁(ヴェルティゴ)、野崎、小川毅士が次々に5点となる中、小川友幸は見事なクリーン。やるべき仕事をして、氏川と黒山のトライを待ちます。
氏川は、中盤の岩でミス。必死のリカバリーで減点を2点に抑え、最後の大岩も走破して試合を終えました。氏川の総減点は10点。小川友幸と同点ですが、クリーン数で小川が勝っているので、小川の逆転が決まりました。あとは最後の黒山のトライ次第で、勝利の行方が決まることになります。
その黒山は、氏川がミスをした中盤の岩でマシンを滑らせ、テープを切って5点。最後の最後に、大逆転が待っていました。黒山の総減点は12点となり、これで小川友幸が優勝、氏川政哉の2位が決定。2人体制となったTEAM MITANI Hondaの見事な1-2フィニッシュで、2021年の開幕戦は幕を下ろしました。
決勝リザルト
Pos. | Num. | ライダー | マシン | 総減点 | クリーン数 |
1 | 1 | 小川友幸 | Honda | 10 | 18 |
2 | 5 | 氏川政哉 | Honda | 10 | 15 |
3 | 3 | 黒山健一 | YAMAHA | 12 | 18 |
4 | 2 | 野崎史高 | YAMAHA | 20 | 14 |
5 | 4 | 小川毅士 | Beta | 23 | 15 |
6 | 6 | 柴田暁 | VERTIGO | 32 | 9 |
8 | 12 | 藤原慎也 | Honda | 52 | 10 |
9 | 10 | 斎藤晶夫 | Honda | 56 | 7 |
11 | 9 | 武井誠也 | Honda | 52 | 6 |