レース1は名越、レース2は清成が2位、日浦は2レースとも3位
全日本ロードレース選手権シリーズ 第5戦が、三重県鈴鹿サーキットで開催されました。本来の予定であれば、この週末はFIM世界耐久選手権 鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)が行われる予定でしたが、新型コロナウイルスの影響でスケジュールが変更され、MFJグランプリとして開催され、全日本の最終戦として行われていた鈴鹿戦が、7月に開催されることになりました。暑い時期のスプリントレースは、ライダーにとって、あまり経験がなく、予測のつかない戦いとなりました。
8耐を思わせる湿度の高い暑さの中で、木曜日、金曜日と練習走行が行われました。最高峰クラスのJSB1000は、土曜日の午前中に40分間の予選がありましたが、3度も赤旗が出る波乱のタイムアタックとなりました。終盤にタイムアップを狙っていたライダーにとっては、計画が崩れる予選となりました。
今大会も2レース開催となりトップタイムがレース1のグリッドを決め、セカンドタイムがレース2のグリッドに適用されます。ポールポジション(PP)は中須賀克行(ヤマハ)、2番手加賀山就臣(スズキ)、Honda Suzuka Racing Teamの亀井雄大が3番手タイムを記録してフロントローに並びました。秋吉耕佑(MURAYAMA・TJC・RT)は4番手、5番手にはHonda Dream RT 桜井ホンダからスポット参戦の日浦大治朗、6番手に名越哲平(MuSASHi RT HARC-PRO.Honda)が付けてセカンドローに並びます。7番手には濱原颯道(Honda Dream RT 桜井ホンダ)、8番手岩田悟(Team ATJ)、9番手にASTEMO Honda Dream SI Racingの清成龍一と続きました。TOHO Racingの山口辰也は15番手に付けました。
午後になり気温も路面温度も上昇、鈴鹿8耐を思わせる天候の中でレース1のスタートが切られました。ホールショットは亀井が奪いますが、加賀山が亀井を捉え首位に立ち、亀井、中須賀が続きます。130Rで亀井が加賀山を捉えトップを奪い、オープニングラップをクリアします。亀井、加賀山、中須賀、秋吉、濱原、名越、柳川明(カワサキ)、清成が続きました。日浦は10番手から集団を追いかけます。2周目、名越は濱原を捉えて5番手に浮上します。清成は7番手へとポジションアップ。日浦も9番手へと順位をばん回します。トップ集団は、2分7秒台で周回を重ねました。4周目、秋吉がスロー走行、さらに200Rで首位をキープしていた亀井が痛恨の転倒。この転倒で、5周目に入るとセーフティカーが導入されます。中須賀を先頭に、加賀山、名越、濱原、日浦、柳川、岩田が続きます。清成は10番手に付けます。
7周目にセーフティカーが解除され、8ラップ目からリスタートします。中須賀が首位となり、加賀山、名越、濱原、日浦、柳川、岩田が続きます。名越は加賀山を捉えて2番手浮上、中須賀を追います。さらに濱原も加賀山の背後に付け、日浦、岩田と続き3番手争いがし烈になります。逆バンクで日浦が一気に3番手浮上し、それを、濱原、岩田、加賀山が追う展開になります。日浦は名越を追い、2番手争いに持ち込み、最終ラップの攻防に注目が集まりました。
14周を走り切り中須賀が優勝し、注目の2番手争いは名越が逃げきり2位。3位に僅差で日浦が入り表彰台に登りました。岩田は濱原を捉え4位を獲得、濱原は5位。山口は10位。清成は11位でチェッカーとなりました。
レース2は日曜日の午後にスタート。グリッドは予選のセカンドタイムで決まるため、PPは中須賀、名越は3番手でフロントロー。日浦が4番手、5番手に濱原、6番手に秋吉、7番手清成、8番手に亀井、9番手に岩田となります。山口は15番手からのスタートとなりました。レース2は加賀山のスタートダッシュで始まり、清成も3列目グリッドから1コーナーを4番手でクリアし、すぐに3番手にポジションアップします。清成は130Rで2番手浮上し加賀山の背後に迫り、2周目の1コーナーでトップ浮上します。それを中須賀、加賀山、日浦、濱原、名越、岩田が追います。名越は濱原を捉えて、5番手となります。清成と中須賀は、2分7秒台にタイムを入れトップ争いを繰り広げます。シケインで加賀山を捉えて3番手浮上した日浦も2分7秒台にタイムアップしてトップ争いを追いかけます。名越も4周目には加賀山を捉えて4番手浮上し、日浦を追います。トップ争いに日浦、名越も追いつき4台の争いとなります。7周目のシケインで日浦を捉えた名越が3番手浮上します。
レース折り返しとなる8周目、トップは清成、それを中須賀、名越、日浦が僅差で追います。6番手に濱原、7番手に岩田が続きます。9周目に中須賀が前に出て、清成、日浦、名越とオーダーが変わります。10周目のシケインで日浦が清成を捉えて2番手浮上。ですが、12周目にスプーンで日浦がミスをした隙をついて清成が2番手に再浮上します。名越は4番手、5番手の加賀山に濱原が接近します。16周を走り切り、中須賀が優勝し今シーズンのタイトルを決めました。2位に清成、3位日浦でチェッカー。4位には加賀山を捉えて濱原が入りました。7位に岩田、秋吉は9位。山口は12位でレースを終えました。