JSB1000 決勝 Race-2
JSB1000 2021
Round 2

清成龍一が2戦連続の2位、亀井雄大が初の3位表彰台に登壇

jp 鈴鹿サーキット

全日本ロードレース選手権シリーズ 第2戦(鈴鹿2&4レース)は、三重県鈴鹿サーキットで四輪の全日本スーパーフォーミュラ選手権と併催で、JSB1000のみ開催されました。第2戦としての戦い以外に、鈴鹿8時間耐久ロードレースの出場権を賭けたトライアウトとしても行われ67台がエントリー。その内、42台がトライアウト対象で18枠を争います。予選通過は44台と厳しいものとなりました。

清成龍一が2戦連続の2位、亀井雄大が初の3位表彰台に登壇

木曜日からスポーツ走行が行われ、金曜日も同様の走行時間が設けられました。四輪レースの影響から路面コンディションが難しいことに加え、参加台数の増加でタイムアップが難しい走行が続きました。グループA,Bと分けられた予選は、赤旗中断などの波乱の中で、ベストタイムがレース1、セカンドタイムがレース2のグリッドを決めました。

予選では難しい状況の中でもHonda CBR1000RR-Rを駆るライダーたちが大躍進、次々と好タイムをマークしました。ポールポジションは中須賀克行(ヤマハ)となりますが、Astemo Honda Dream SI Racingの清成龍一が2番手、3番手には濱原颯道(Honda Dream RT 桜井ホンダ)が付けフロントローを獲得します。4番手には岩田悟(Team ATJ)、5番手の亀井雄大(Honda Suzuka Racing Team)までが2分6秒台を記録します。7番手にHonda Dream RT 桜井ホンダからスポット参戦の日浦大治朗。8番手に名越哲平(MuSASHi RT HARC-PRO.Honda)。9番手に秋吉耕佑(MURAYAMA.TJC.RT)と2番手から9番手までがHonda勢となります。TOHO Racingは代役参戦の山口辰也が16番手、スポット参戦の國峰啄磨が2分8秒台までタイムを詰め18番手につけました。

レース1決勝は14周で争われ、ホールショットは清成、岩田、中須賀が続き、少し遅れて濱原、加賀山就臣(スズキ)、亀井、日浦、秋吉が続きます。2周目、中須賀が岩田をホームストレートで捉え清成の背後につけます。濱原がバックストレートから130Rで岩田を捉え3番手に浮上。清成、中須賀、濱原、岩田の4台がトップ集団を形成しますが、3周目にデグナーカーブの2個目で5台の多重クラッシュが発生してセーフティカーが投入されます。コースクリアになるまで5周の間、ライダーたちは隊列を組んで周回を重ねました。セーフティカーが解除された8周目にリスタート。解除後の最終コーナーで名越が転倒を喫し、さらには濱原がトラブルでピットインします。

トップの清成の後方に中須賀、岩田、加賀山、亀井、日浦、秋吉と続きます。1コーナーで加賀山が岩田を捉え3番手に浮上。10周目には中須賀が首位に立ち、清成、加賀山、岩田とオーダーが変化します。それを追い亀井が続きます。清成は、2分6秒台で逃げる中須賀を追い、自身も2分6秒台にタイムアップして食らいつきます。トップ2台が一騎打ちとなり、激しい3番手争いを繰り広げる岩田は加賀山を強烈にプッシュします。最終ラップ、岩田は加賀山に130Rで仕掛けますが痛恨の転倒リタイア。レースは中須賀が勝ち、2位清成、3位に加賀山、4位に亀井、5位に日浦が入ります。6位に秋吉、8位には國峰が入りました。代役参戦の山口が11位となりました。濱原はトラブルを解消しピットアウトして走り切り36位完走となりました。

翌日のレース2はレース1より多い16周で争われました。決勝は太陽が顔を出しますが、強い風が吹くコンディションとなりました。絶妙なスタートを決めてホールショットを奪ったのは清成で、2番手に濱原、亀井、岩田、加賀山、日浦、名越、秋吉が続きます。130Rで岩田を中須賀が捉え、オープニングラップは、清成、濱原、中須賀、岩田、亀井で通過します。2周目、亀井は岩田を捉え4番手に浮上します。日浦も秋吉を捉えて7番手に上がります。4周目の1コーナーで中須賀が濱原を捉えて2番手となり、清成、中須賀、濱原、亀井がトップ集団を形成します。5番手に岩田、加賀山、名越が秋吉を捉え8番手に浮上し、それを追って秋吉、國峰が続きました。

6周目亀井が2コーナーでオーバーランした濱原の前に出て3番手に浮上し、トップの清成、中須賀を追います。名越も7番手にポジションアップします。トップ争いは接近し清成と中須賀の差は0.121秒となり、7周目には0.097秒、8周目は0.104秒と接近戦が続きます。3番手亀井は単独走行、4番手濱原、5番手争いを日浦、名越、加賀山が繰り広げます。9周目に日浦、名越が加賀山をパスしてポジションアップ。岩田は8番手、秋吉は9番手を走行します。12周目、ペースアップした日浦が濱原の前に出て4番手となります。

13周目の1コーナーで中須賀が並びかけ、清成は首位を守ろうとしますが、2コーナーで中須賀が前に出ます。中須賀はそのままリードを広げて優勝を飾り、清成は悔しい2位となりました。3番手の亀井に日浦が迫りましたが、亀井もペースアップして逃げきり3位となり、初の表彰台に上りました。4位に日浦、強風の影響で2度もコースアウトしながら追い上げた濱原が5位、名越が6位となります。レース1でメインカーを大破した岩田はTカーで参戦し8位でチェッカーを受けました。9位に秋吉、山口が14位。國峰は17位でレースを終えました。


清成 龍一
清成 龍一 2
Astemo Honda Dream SI Racing
すべての走行、毎セッション、決勝朝のウォームアップランまでも使い、さまざまなセッティングを試しました。それに応えてチームが仕上げてくれましたが、納得できるところには届いていません。自身、鈴鹿が苦手であることもありますが、海外レースをしていたときも、ここ鈴鹿が自分のバロメーターでもあり、しっかり乗れていない、マシンもタイヤもまだ把握しきれていない、出しきることができていないのだなというのがレースを終えての感想です。昨年の最終戦ではいいところまで行けたというのがあり、そこに戻ればいいのは分かっていますが、それでは進歩がないので、このトライを続けていきます。どちらのレースもスタートはうまく行き、全力ですべて全開で走りましたが、どちらも2位。悔しくて残念でたまりません。それでも、この悔しさを持ち続けて、これからも優勝を狙っていきます

亀井 雄大
亀井 雄大 11
Honda Suzuka Racing Team
前戦のもてぎ戦では、表彰台目前のトラブルだったので、今回は走りきれてよかったと思います。中須賀選手、清成選手というトップライダーの走りを開幕戦で見られたことで、自分はエンジンやブレーキのセッティングをもっと突き詰めていかなければと思いました。そうしなければ、あんな風な隙のないライディングはできないと気が付きました。今回はメカニックさんに妥協なく付き合ってもらいました。その成果が出たのだと思います。終盤はチームの先輩だった日浦大治郎さんが接近してきたので、心臓がバクバクで緊張しました。抜かれるわけにはいかないとペースアップしました。表彰台に乗った経験が少ないので上れたことは素直にうれしいです。JSB1000での初表彰台なので特別な気持ちです

日浦 大治朗
日浦 大治朗 41
Honda Dream RT 桜井ホンダ
ロードレースは2019年の鈴鹿8耐以来の参戦で、新型マシンに乗ったのは昨年に1度、今回のレース前に1度、今回で3回目になります。鈴鹿8時間耐久に向けてのテストでの参戦でした。レース1は、5位に入ることができてうれしかったのですが、何もできずに走り切っての順位でした。でも、レース2では順位を上げていくことができました。表彰台も見えました。届かず悔しい気持ちと、前を走っていたのが鈴鹿レーシングの後輩の亀井だったので、そのチームを退いた自分が追いかけているということに複雑な気持ちもありました。最終的に亀井が表彰台に上り、悔しい気持ちもありましたが、うれしくもありました。亀井は前半のペースがよかったし、速かった結果だと思います。今回、思いきり行っていいよと送り出してくれたチームに感謝します。久しぶりのレースを楽しむことができました。次もしっかり走って貢献できるようにがんばりたいです



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