昨年の全7戦から全9戦に増え、本来の様式を取り戻しつつある全日本モトクロス選手権シリーズですが、最終戦は第61回MFJ-GPモトクロス大会として開催されました。今週末は、押し寄せた寒気により全国的に気温が低下。会場は最低気温4℃という寒さとなりました。予報では降雨の可能性がありましたが、天気は日曜の最終レースまで持ちこたえました。
今大会は昨年と同様の11月開催とあって、日照時間との兼ね合いから各レースタイムを5分ずつカットし、IA1・IA2=25分+1周、IBオープン=15分+1周、というスケジュールが適用されました。
●IA2 ヒート1
ビクトル・アロンソ(ヤマハ)のタイトル獲得決定阻止を狙った横澤拓夢(TKM motor sports いわて)は、スタート直後から積極的に順位を上げて1周目をトップでクリア。柳瀬大河(Bells Racing)は、1周目に順位を下げて6番手からのレースとなりました。4周目、2番手の中島漱也(ヤマハ)が転倒して大きく後退。これで横澤のリードは約3秒に拡大し、柳瀬は5番手に順位を上げました。
レース中盤、横澤に福村鎌(スズキ)とアロンソが近づき、三つ巴のトップ争いとなりました。9周目から福村が遅れ、トップ争いは横澤とアロンソのマッチレースとなりましたが、11周目に横澤は2番手に後退。14周目のラストラップまで、横澤はアロンソを僅差で追いましたが、再逆転は果たせず2位でゴールしました。柳瀬は、10周目に1つ順位を落として6位でした。
●IA2 ヒート2
中島、横澤、福村、アロンソが、スタート直後から激しいトップ争いを展開。横澤が中島を抜いてトップに浮上し、1周目をクリアしました。柳瀬は、この4台を僅差で追う渡辺陵(ヤマハ)に次ぐ6番手。2周目には渡辺が福村を抜き、柳瀬も福村に迫りました。3周目には中島が3番手に後退。翌周から、横澤とアロンソが後続を徐々に離しつつトップ争いを繰り広げました。
横澤は、何度もアロンソに並ばれながらもトップを死守していましたが、7周目に2番手に後退。その後、レース終盤にかけて2~3秒のリードを許してしまいました。柳瀬は、7周目の段階では福村と中島を僅差で追う6番手。しかし8周目に福村、9周目に中島の攻略に成功すると、その後は後続を離しながら4秒ほど先行する渡辺を追いました。そしてレースは14周でチェッカー。横澤が2位、柳瀬は4位に入賞しました。
横澤 拓夢
5
TKM motor sports いわて 地元の東北地方で、チャンピオンシップをかけた最後の戦いでした。ヒート1は、その相手であるアロンソ選手に負けたらそこで終わりという状況だったので、何としても勝ちたいと思っていたし、かなり調子はよかったのですが、それでも彼は自分より速く、抜かれてしまいました。シリーズタイトルを獲得したいと願っていたので、心の底から悔しいですが、アロンソ選手と年間を通じてバトルすることで自分も成長できたし、結果的にはベストシーズンだったと感じています。本当はもっと海外のレースにも挑戦したいですが、円安や物価高を考えたら、プライベーターにとっては非常に厳しい状況です。そんなタイミングでアロンソ選手がスペインから日本に来てくれたことは、自分の成長という面で考えたら、ある意味ラッキーだったのかもしれません
地元の東北地方で、チャンピオンシップをかけた最後の戦いでした。ヒート1は、その相手であるアロンソ選手に負けたらそこで終わりという状況だったので、何としても勝ちたいと思っていたし、かなり調子はよかったのですが、それでも彼は自分より速く、抜かれてしまいました。シリーズタイトルを獲得したいと願っていたので、心の底から悔しいですが、アロンソ選手と年間を通じてバトルすることで自分も成長できたし、結果的にはベストシーズンだったと感じています。本当はもっと海外のレースにも挑戦したいですが、円安や物価高を考えたら、プライベーターにとっては非常に厳しい状況です。そんなタイミングでアロンソ選手がスペインから日本に来てくれたことは、自分の成長という面で考えたら、ある意味ラッキーだったのかもしれません
柳瀬 大河
3
Bells Racing 決勝ヒート1は、最初のコーナーに進入するブレーキングが少し早すぎましたが、スタートでいい位置を確保できました。予選から好調だったこともあり、上位でのフィニッシュを狙いました。しかし途中から腕上がりの症状に悩まされてペースが上がらず、6位に終わりました。逆にヒート2はスタートが決まらず、6番手あたりからのレースでしたが、しっかり追い上げることができました。表彰台圏内には届かなかったものの、久しぶりにまともなレースができたと感じています。チャンピオン争いには無関係な状況だったし、ランキングを気にするようなレベルでもなかったので、この最終戦にはリラックスして臨めました。本来の目標である優勝には遠かったとはいえ、少し調子を取り戻してシーズンのラストレースを走れたのは、それも大きな要因かもしれません
決勝ヒート1は、最初のコーナーに進入するブレーキングが少し早すぎましたが、スタートでいい位置を確保できました。予選から好調だったこともあり、上位でのフィニッシュを狙いました。しかし途中から腕上がりの症状に悩まされてペースが上がらず、6位に終わりました。逆にヒート2はスタートが決まらず、6番手あたりからのレースでしたが、しっかり追い上げることができました。表彰台圏内には届かなかったものの、久しぶりにまともなレースができたと感じています。チャンピオン争いには無関係な状況だったし、ランキングを気にするようなレベルでもなかったので、この最終戦にはリラックスして臨めました。本来の目標である優勝には遠かったとはいえ、少し調子を取り戻してシーズンのラストレースを走れたのは、それも大きな要因かもしれません