加藤がチャンピオン獲得に向けてポイントを着実に積み重ねる
7月27日(土)~28日(日)、ドイツ・ニュルブルクリンクにてフランスF4選手権第4大会が開催されました。2024年は、ホンダ・レーシング・スクール(HRS)の卒業生である加藤大翔(かとう・たいと)が、ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)からフランスF4に参戦しています。
フランスF4は1大会3レース(金曜日:予選、土曜日:レース1・2、日曜日:レース3)というフォーマットで行われています。スターティングポジションは、レース1は予選の最速タイム順、レース2は予選のトップ10選手のリバースグリッド、レース3は予選のセカンドベストタイム順となります。前回のレースでランキングトップに立った加藤は、今回もチャンピオン獲得に向けてリードを広げるべく、着実に準備を行い、サーキットへ入りました。
今年がデビューイヤーの加藤にとって、今回のニュルブルクリンクも初めて走行するコースです。シミュレーターでは走りこんでいるものの、実際には欧州特有の天候変化にも対応していくことが求められます。
金曜日に行われた予選では、加藤のマシンにトラブルが発生してしまい、残念ながら期待していたポジションの獲得には至りませんでした。
「スロットルにトラブルが発生してしまいました。タイヤのウォームアップ時間もライバルたちより少なく、好タイムを刻むチャンスが減ってしまいました。セッションの最後にまずまずのラップを刻み、6番手でフィニッシュすることができました。タイヤのグリップが上がってきていたので、あと1~2周走れていたらもっといいタイムが出せたのは間違いなかったです。天候がよかっただけに残念です」と加藤は話しました。
土曜日は雨となりました。レース1は6番グリッドからスタートし、1周で2番手までポジションを上げました。しかし、難しいコンディションの中、一時は9番手までポジションを落とし、8位でチェッカーを受けることとなりました。
「いいスタートを決めることができました。しかし路面はとても滑りやすいコンディションで、ライバル勢を避けるためにワイドなライン取りを強いられ、スタート直後から順位を落としてしまいました」
予選上位10番手までがリバースグリッドとなるレース2では、加藤は5番グリッドからのスタート。レースはセーフティカー(SC)先導で始まり、残り時間16分半となったところでSCがピットレーンに入ってバトルがスタートしました。
第1コーナーで前方を走る2台の接触がありましたが、加藤はこれをうまく避け、3番手へとポジションアップ。しかし、レース中盤、ライバルの1台に後ろから接触され、加藤はサスペンションにダメージを抱えましたが、加藤はなんとか4番手でチェッカーを受けました。
日曜日は雨が止み、全車が新品のスリックタイヤでレースに挑むことになりました。加藤は10番グリッドからいいスタートを切り、1周目に7番手へポジションアップしたところで、他車のアクシデントによりセーフティカーが導入。レースが再開されると加藤は先行車との差を詰め始めました。
「予選でのトラブルによって10番手からのスタートとなり、難しいレース展開を予想していました。結果的には完ぺきなスタートを決めて、先頭集団に追いつくことができました」
加藤はファステストラップを刻みながらオーバーテイクを重ね、4番手まで浮上。3番手の選手よりも速いペースで真後ろまで迫りましたが、あと一歩のところでオーバーテイクには至らず、4位でチェッカーを受けました。