加藤が3レース連続で表彰台を獲得
6月21日(金)から23日(日)の3日間、ホンダ・レーシング・スクール(HRS)の卒業生で、Hondaの育成プログラム「ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)」からフランスF4選手権に参戦している加藤大翔(かとう・たいと)が、ベルギーのスパ・フランコルシャンで開催された第3戦に挑みました。加藤は3レースすべてで表彰台を獲得する好成績を収め、前戦に獲得した総合ランキングトップの座を守り、さらにリードを広げる結果となりました。
フランスF4は1大会3レースというフォーマットで行われています。スターティングポジションは、レース1は予選の最速タイム順、レース2は予選のトップ10選手のリバースグリッド、レース3は予選のセカンドベストタイム順となります。
加藤は初走行のコースにすばやく適応し、最初のフリープラクティスではトップタイムを、2回目のフリープラクティスでは2番手のタイムを記録しました。予選ではポールポジション争いに加わることが確実と思われた中、加藤は「スパ・ウェザー」とも呼ばれる、スパ特有の天候変化の難しさを経験。朝はドライだった路面が、午後には雨が降りウエットコンディションへと変化しました。
「予選では周回を重ねるごとにタイムを向上させることができ、なんとか4番手に入ることができましたが、ウエットコンディションでのドライビングスキルにはまだ課題があることを感じました」と21日(金)の夕方に話していた加藤でしたが、翌日には早速大きな進歩をみせることになりました。
予選と同様のウエットコンディションで開始したレース1にて、加藤は4番グリッドから好スタートを切ると、すぐに2番手へと浮上しました。このレースの最速タイムを記録しながら前を走行する選手を追いかけましたが、そのギャップは大きく2位でチェッカーを受けました。
路面はレース2のスタート時には渇き始め、スリックタイヤでスタートできる状況になりました。予選トップ10の選手がリバースグリッドでスタートするこのレースでは、加藤は7番グリッドからのスタート。まずは、1周目で5番手へポジションアップし、スピードをみせながら前を走行するライバルに果敢に挑みました。そして残り時間2分半を切ったところでトップに浮上。最後までポジションを守り、トップでチェッカーを受けました。
「とてもエキサイティングなレースで、最速タイムを記録することもできました。途中、コースの一部で雨が降り始めストレスを感じました。最後まで集中力を保たなければいけないレースでした」と、加藤は接戦のレース2を振り返りました。
スパはオーバーテイクできるポイントがいくつかあるため、レース3についても加藤は優勝に向けて自信を持って挑みました。しかし、レース3は他車のアクシデントが相次ぎ、セーフティカーが導入される展開となりました。結果、4番手スタートから3番手へポジションを1つ上げ、レースを終えました。
「不運なことにセーフティカーが2回導入され、非常に限られたレース時間となりました。1つポジションを上げ、前を走る2人のライバルとの差がわずかだったため、バトルができると期待していましたが、残念ながらレースはセーフティカー導入のまま終了となってしまいました」と加藤は語りました。
3レース連続で表彰台を獲得した加藤は、総合ランキングで2番手の選手に16ポイントの差をつけて同ランキングトップを維持しています。
フランスF4選手権の第4戦は、7月26日(金)~28日(日)にドイツのニュルブルクリンクにて開催されます。