3週間前の第1戦ノガロで好調なヨーロッパデビューを果たした荒尾創大と野村勇斗は、2022年にホンダ・レーシングスクール(HRS)と名前を変更した、鈴鹿サーキット・レーシングスクール(SRS)の卒業生です。今回のポー戦は、初めて走るサーキットでの戦いとなりました。
FFSAアカデミーが開催するフランスF4の第1戦で表彰台フィニッシュと、見事なデビューを果たした両選手は、ポーでの第2戦に向けて、引き続きHondaの若手ドライバー育成プログラムであるホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)と、レッドブル・ジュニアチームにサポートされ、準備を進めました。
金曜日に行われたフリー走行と予選では、初走行のサーキットにも関わらず、野村はフリー走行でトップ、荒尾は予選でレース1の初ポールポジションを決めるなどの活躍を見せました。野村は、レース3の予選ではグリッド2番手を確保しました。
土曜日に開催されたレース1では、ポールポジションからスタートした荒尾は出遅れたものの、2位でフィニッシュ。表彰台を狙っていた野村は順位を3番手まで上げましたが、下り坂でミスによってバリヤーに激突、リタイアしました。ミゲール M21-F4の左フロントの損傷が激しかったため、残りのレースには出られず、ポー戦はそのまま終了となりました。
リバースグリッドでスタートしたレース2では、荒尾は一時ポイント圏内を走行しますが接触によりリタイア。しかし、レースペースが早いことは確認できました。
日曜日に行われたレース3では、先日戦ったストリートレースでの経験を活かし、見事なスタートでタイトル争いのライバル、ヒュー・バーターの前に出ました。
レース序盤では、スリップストリームを利用してすぐ後ろに迫ってきたバーターのプレッシャーに動じず、巧みにブロック。リズムを掴んだ荒尾は、そのままバーターをリードしました。中盤戦以降はバックマーカーの処理というチャレンジに直面しましたが、問題なく周回遅れのマシンを追い越し、シングルシーターでの初優勝を獲得。3週間後にシルキュイ・ド・ヌヴェール・マニ=クールで開催される第3戦を前に、チャンピオンシップリーダーとのポイント差を詰めることができました。