今季初の”フラッグ・トゥ・フラッグ”でビエルゲ8位、代役参戦の長島哲太は10位でフィニッシュ
2022年シーズンの最終戦となった第12戦オーストラリア大会は、11月19日、フィリップアイランドでスーパーポール(予選)と決勝レース1を行い、チャビ・ビエルゲ(Team HRC)が8位、前戦インドネシア大会のフリー走行で転倒し、負傷したイケル・レクオーナ(Team HRC)の代役として出場の長島哲太が、スーパーバイク世界選手権のデビュー戦で10位でした。
フィリップアイランドは、1990年に初めてスーパーバイク世界選手権が行われました。コロナ禍の中で21年は開催中止となりましたが、今年は20年大会以来、2年ぶりの開催となり31回目を迎えました。
フリー走行が行われた金曜日は快晴となりました。ロードレース世界選手権(WGP)のMoto2クラスに出場していたビエルゲは、フィリップアイランドを走るのは19年以来となり、初日のフリー走行はセットアップに苦戦して14番手でした。そして土曜日のFP3でさらにセットアップを進める予定でしたが、FP3は生憎の雨。その後に行われたスーパーポール(予選)はドライコンディションへと目まぐるしくコンディションは変わりましたが、予選では9番手と調子を上げることに成功しました。
しかし、午後の決勝レース1は再びウエットコンディションとなり、レインタイヤでレースは始まりました。その後、次第に路面は乾き、今季初の”フラッグ・トゥ・フラッグ”という難しい展開となりました。
初めて”フラッグ・トゥ・フラッグ”を経験するビエルゲは、ウエットコンディションでは7番手までポジションを上げました。そして、11周目にピットに入ってスリックタイヤにチェンジ。一時、10番手までポジションを落としましたが、その後も快調にラップを重ねて8位でフィニッシュしました。
レクオーナの代役としてWSBK初出場の長島哲太は、CBR1000RR-R FIREBLADE SPの開発ライダーを務め、今年の鈴鹿8時間耐久ロードレースで優勝しています。CBR1000RR-R FIREBLADE SPは乗り慣れているバイクですが、WSBKのオフィシャルタイヤとなっているピレリで走行するのは初めての経験でした。長島は、一カ月前にフィリップアイランドで開催されたロードレース世界選手権第18戦オーストラリアGPのMotoGPクラスに代役出場してコースに慣れているとはいえ、初日のフリー走行は初走行でトップから0.742秒差の6番手というリザルトは周囲を驚かせました。
この日は天候が目まぐるしく変わり、長島を苦しめました。ウエットコンディションとなったFP3では1コーナーで転倒、その後に行われたスーパーポール(予選)では、雨上がりのドライコンディションの中、4コーナーで転倒と2度の転倒を喫しましたが、10番グリッドを獲得しました。
迎えた決勝レース1は、ウエットからドライへと変化、WSBKデビュー戦の長島にとっては最も厳しい条件となりました。ウエットコンディションではオープニングラップ16番手から9周目には12番手までポジションを上げます。その後、路面コンディションが乾き始めたため11周目にピットに戻り、15番手までポジションを落としましたが、着実にポジションを上げて10位でチェッカーを受けました。
今季初の”フラッグ・トゥ・フラッグ”でTeam HRCは、ともに1分3秒とすばらしいピットワークで選手をコースに送り出しました。
11月20日(日)は、スーパーポール(SP)レースと決勝レース2が行われます。