ビエルゲSPレース8位でポイント獲得。代役出場の長島哲太は、レース2を9位でフィニッシュしてポイントを獲得する
今大会、土曜日に行われたレース1は、ウエットからドライへと路面コンディションが変化する今季初の”フラッグ・トゥ・フラッグ”となりました。日曜日になってもフィリップアイランドは、風が強く雲の動きが速く、依然として天候は不安定で、午後1時にスタートが切られたSPレースは、ウエットコンディション。午後4時にスタートが切られたレース2はドライコンディションでしたが、時折小雨がぱらつく不安定な天候の中で行われました。
今季初の”フラッグ・トゥ・フラッグ”となった前日のレース1では8位でフィニッシュしたチャビ・ビエルゲ(Team HRC)は、ウエットコンディションのSPレースでは、フロントにレインタイヤ、リアにインターミディエイトを選択、徐々に路面が乾いて行く難しいコンディションの中、8位でフィニッシュしました。
ビエルゲは、オープニングラップに7番手にポジションを上げるとレース折り返し点の5周目には6番手までポジションを上げます。しかし、後半は路面が乾き始めたことから8番手へとポジションを落としましたが、ポイントを獲得。さらに、レース2に向けて絶好のポジションをキープしました。
ドライコンディションになったレース2では、レース1&SPレースの8位以上を目指し、好スタートを切りましたが、2コーナーで後続のギャレット・ガーロフ(ヤマハ)に追突され、コースアウトを喫し、転倒しました。再スタートを切ったビエルゲは、転倒したマシンの確認と修復のためにピットに戻り再スタートします。その理由は、このレースでビエルゲはセットアップを変更しており、その確認のための走行でした。シーズン最後のレースは、悔しい結果となりましたが、来季に向けて再スタートを切ったビエルゲは、12ラップを走行してピットに戻り、今シーズン最後のレースを締めくくりました。
前戦インドネシア大会で負傷したイケル・レクオーナ(Team HRC)の代役として急きょ、出場。WSBKデビュー戦となった前日のレース1では10位でフィニッシュした長島哲太は、SPレースは19位でしたが、レース2では9位でフィニッシュ。レース1に続きポイントを獲得しました。
グリッドについたときはウエットコンディションでしたが、ところどころ青空が広がったSPレースでは、タイヤ選択がリザルトに大きく影響しました。タイヤ選択はスリック、インターミディエイト、レインなど、さまざまでしたが、スーパーバイク世界選手権に初出場の長島は、ピレリタイヤのインターミディエイトの経験がなかったことから、前後レインを選択。路面が濡れている序盤は6番手までポジションを上げましたが、その後、路面はどんどん乾いたことから19番手までポジションを落としました。
このレースで優勝したアルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)は前後スリック。2位のトプラク・ラツカトリィオグル(ヤマハ)と3位のジョナサン・レイ(カワサキ)はフロントにレイン、リアにインターミディエイトという選択でした。
タイヤ選択で悔しい結果に終わった長島は、ドライコンディションで行われたレース2ではベストリザルトの9位でフィニッシュしました。長島は、12番グリッドから序盤に16番手までポジションを落としますが、その後リズムをつかみ、シャビ・フォレス(ドゥカティ)、ルーカス・マヒアス(カワサキ)、ロリス・バズ(BMW)、マイケル・ファン・デル・マーク(BMW)らを次々にパスしてレース中盤には10番手まで浮上。15周目にはアクセル・バッサーニ(ドゥカティ)をパスして9番手へとポジションを上げました。
その後、1コーナーで2人のライダーが絡むアクシデントが発生し、レースは赤旗中断。22周のレースでしたが、17周を終えた時点のリザルトでレースは成立しました。
これで2022年シーズンはすべての日程を終了しました。今大会、レース1とSPレースでポイントを獲得したビエルゲは、164ポイントを獲得して総合10位。前戦インドネシア大会と今大会を欠場したイケル・レクオーナは、189点を獲得して総合9位でした。また、最終戦オーストラリア大会に代役出場してレース1とレース2でポイントを獲得した長島は、13点を獲得して総合21位でした。
最終戦を終えたチームHRCは、タイトル奪取を目指す2023年シーズンに向けて、12月中旬からテストを開始する予定です。