Race 1
WorldSBK 2023
Round 8

タイヤ選択が明暗を分けたレース1

cz Autodrom Most

オートドローモ・モストで開催されている第8戦チェコ大会の決勝レース1は、不安定な天候と刻々と変化する路面コンディションの中で行われ、Team HRCのイケル・レクオーナは5位、チャビ・ビエルゲは17位でゴールしました。

タイヤ選択が明暗を分けたレース1

この日、最初に行われた3回目のフリー走行で、レクオーナは初日に行われたセッションから大きく前進。チームメートのビエルゲは、スーパーポール(予選)に向けてセットアップに集中しました。

短いながらもとても重要なセッションとなるスーパーポールに挑んだビエルゲとレクオーナは、午後のレース1で可能な限り最高のグリッドからスタートするために全力でプッシュしました。両選手は、セッション終盤にともにベストタイムをマーク。ビエルゲは1分31秒813で9番手、レクオーナは1分31秒931で11番手。この結果、ビエルゲは3列目、レクオーナは4列目から決勝に挑むことが決まりました。

そして、現地時間の午後2時に決勝レース1のスタートが切られました。スタート前に降った雨の影響で、オートドローモ・モストはウエットコンディション。断続的に小雨が降り続けていることから、ライダーたちはタイヤ選択に頭を悩ませます。最終的に、レインタイヤ、もしくはインターミディエイトタイヤと、タイヤ選択は大きく二つのグループに分かれました。

ビエルゲは、フロントとリアにレインタイヤを選択してグリッドに並びます。そして、9番グリッドから絶好のスタートを切ると第1コーナーで4番手に浮上しました。一方、前後にインターミディエイトタイヤを選択したレクオーナは、まずまずのスタートを切ったものの、1コーナーで強引にイン側に入ってきたライダーと接触しそうになり、コースアウトを防ぐために急ブレーキを強いられます。このためレクオーナはオープニングラップに20番手まで後退しました。

その後、降り続いていた小雨は上がり、路面コンディションも急速に変化します。そのためビエルゲは、4周目にピットインしてスリックタイヤに交換することを決断。レインタイヤを選択したほかのライダーも同じ理由で次々にピットインしました。

タイヤ交換を済ませ、コースに戻ったビエルゲは22番手を走行。その後、1分34秒台から33秒台というすばらしいペースで周回を重ねますが、インターミディエイトタイヤを選択し、ピットインしていない選手たちとの差は大きく、なかなかポジションを上げることができません。それでもレース終盤に5つポジションを上げ、17位でチェッカーを受けました。

オープニングラップに大きく遅れたレクオーナは、前を走るライダーたちより速いペースで周回を重ね、6周目には8番手、7周目には6番手までポジションを上げます。さらに終盤には、前を走るアンドレア・ロカテッリ(ヤマハ)との差を縮め、ラスト2周となった21周目にパスして5番手に浮上。さらに4番手のスコット・レディング(BMW)に迫りましたが、惜しくも届かず、今季ベストとなる5位でチェッカーを受けました。

不安定なコンディションの中で全力を尽くしたTeam HRCは、引き続き日曜日に行われる10周のスーパーポール(SP)レース、そして22周で行われる決勝レースに挑みます。


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Iker Lecuona
Iker Lecuona 7
Team HRC
今日のレースにはとても満足していますが、スーパーポールは思ったほどよくはありませんでした。2本目のタイヤのフィーリングがよくなくて、ラップタイムを上げるチャンスを逃しました。決勝は不安定な天候と路面コンディションのため難しいレースになりました。グリッドではフロントとリアにインターミディエイトタイヤを装着しましたが、ベストな選択だったと思います。しかし、この時点では完全にウエットだったのでギャンブルでした。スタートは決まり、第1コーナーまでポジションをキープしましたが、イン側に入ってきたほかのライダーに押し出されました。そのままコースアウトするとショートカットのペナルティーを受けることになるので、マシンを止めてコースに残ることにしました。その結果、10番手くらいはポジションを落としたと思います。それからはペースとスピードを上げてポジションをばん回しました。(優勝した) ジョナサン・レイ(カワサキ)がトップに立った6周目からレース終盤まで、彼やほかの上位陣よりも自分は速いペースで走れましたし、最終的に5位でフィニッシュすることができました。最終ラップには4位を走る(スコット)レディングに迫りました。彼をパスすることはできませんでしたが、今日の結果とマシンのフィーリングには満足しています。前戦までは基本的にサーキットごとにベースのセットアップを何度も変更しましたが、前回のイモラでセッティングを変えてからは、マシンとフィーリングを楽しめるようになりました。今大会もいくつかの調整を行いましたが、それほど大きな変更はなく、昨年と同じようにプッシュし、動きをよりコントロールできるようになりました。チームはすばらしい仕事をしてくれました。本当に感謝しています。明日の天候も気になりますが、この調子をキープできるようにしたいです 

Xavi Vierge
Xavi Vierge 97
Team HRC
もちろん期待したような結果ではありませんが、ポジティブな内容でした。FP3からスーパーポールまでの間に皆がすばらしい仕事をしてくれたおかげでマシンのセットアップが進みました。そのため、スーパーポールではストロングポイントを活かし、ウイークポイントを抑え、僕らのポテンシャルを引き出すことができました。今年最高のスーパーポールだったと思います。しかし、レースでは何もかもがうまくいきませんでした。スタート前に雨が降り、その後、すぐに雨は上がりました。こういうコンディションでは常にギャンブルになりますが、レインタイヤを履いてレースに挑んだことが間違いでした。スタートはうまくいきました。そして、スリックタイヤに履き替えるために全力でギャップを広げようとしましたが、残念なことに、フラッグ・トゥ・フラッグの手順で大きくタイムをロスしてしまいました。その後、とても速いペースで周回できましたが、レースは終わったも同然でした。しかし、今日のレース内容をポジティブに捉え、この経験から学んでいきたいです。明日はあと2回チャンスがあります。スピードもあります。本来、自分たちがいるべきポジションに戻れるようにがんばります 



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