この日、最初に行われた3回目のフリー走行で、レクオーナは初日に行われたセッションから大きく前進。チームメートのビエルゲは、スーパーポール(予選)に向けてセットアップに集中しました。
短いながらもとても重要なセッションとなるスーパーポールに挑んだビエルゲとレクオーナは、午後のレース1で可能な限り最高のグリッドからスタートするために全力でプッシュしました。両選手は、セッション終盤にともにベストタイムをマーク。ビエルゲは1分31秒813で9番手、レクオーナは1分31秒931で11番手。この結果、ビエルゲは3列目、レクオーナは4列目から決勝に挑むことが決まりました。
そして、現地時間の午後2時に決勝レース1のスタートが切られました。スタート前に降った雨の影響で、オートドローモ・モストはウエットコンディション。断続的に小雨が降り続けていることから、ライダーたちはタイヤ選択に頭を悩ませます。最終的に、レインタイヤ、もしくはインターミディエイトタイヤと、タイヤ選択は大きく二つのグループに分かれました。
ビエルゲは、フロントとリアにレインタイヤを選択してグリッドに並びます。そして、9番グリッドから絶好のスタートを切ると第1コーナーで4番手に浮上しました。一方、前後にインターミディエイトタイヤを選択したレクオーナは、まずまずのスタートを切ったものの、1コーナーで強引にイン側に入ってきたライダーと接触しそうになり、コースアウトを防ぐために急ブレーキを強いられます。このためレクオーナはオープニングラップに20番手まで後退しました。
その後、降り続いていた小雨は上がり、路面コンディションも急速に変化します。そのためビエルゲは、4周目にピットインしてスリックタイヤに交換することを決断。レインタイヤを選択したほかのライダーも同じ理由で次々にピットインしました。
タイヤ交換を済ませ、コースに戻ったビエルゲは22番手を走行。その後、1分34秒台から33秒台というすばらしいペースで周回を重ねますが、インターミディエイトタイヤを選択し、ピットインしていない選手たちとの差は大きく、なかなかポジションを上げることができません。それでもレース終盤に5つポジションを上げ、17位でチェッカーを受けました。
オープニングラップに大きく遅れたレクオーナは、前を走るライダーたちより速いペースで周回を重ね、6周目には8番手、7周目には6番手までポジションを上げます。さらに終盤には、前を走るアンドレア・ロカテッリ(ヤマハ)との差を縮め、ラスト2周となった21周目にパスして5番手に浮上。さらに4番手のスコット・レディング(BMW)に迫りましたが、惜しくも届かず、今季ベストとなる5位でチェッカーを受けました。
不安定なコンディションの中で全力を尽くしたTeam HRCは、引き続き日曜日に行われる10周のスーパーポール(SP)レース、そして22周で行われる決勝レースに挑みます。