WorldSBK

Honda HRC、2026年WorldSBKチームを発表

新型CBR1000RR-Rのリバリー発表に続き、焦点はHonda HRCチームへと移ります。来週オーストラリアで開幕する2026年スーパーバイク世界選手権(WSBK)に向け、準備が着々と進んでいます。

Honda HRC、2026年WorldSBKチームを発表

2026年仕様のCBR1000RR-Rの鮮烈な新リバリーが公開され、今度はプロジェクトを支える人々に焦点が移ります。Honda HRCチームは、オーストラリアで開催される2026年WSBK開幕戦に向けて臨戦態勢を整えています。

新シーズンの幕開けは、ジェイク・ディクソンとソムキアット・チャントラという新たなライダーラインアップを迎え、Honda HRCにとってWSBKにおける重要な新章の始まりとなります。ディクソンは来週、Honda HRCの一員としてWSBKレースデビューを果たす予定です。冬季テストでは天候に悩まされる場面もありましたが、イギリス出身のディクソンは着実な進歩を見せ、クルーチーフのトム・ヨジッチのもとでCBR1000RR-Rへの自信を深めています。

一方でチャントラは、トレーニング中に追った右腕の負傷からの回復を続けており、オーストラリアでの開幕戦は欠場します。抜糸及びギプスの除去を終え、現在はリハビリを開始しています。チーム及びクルーチーフの佐々木哲也と連絡を取りながら回復を続けています。直近2回のテストでチャントラの代役を務めたテストライダーの長島哲太が、フィリップアイランドでも代役として参戦します。

2026年シーズンは、森雄司がチームマネージャーを務めることで、チームにとっても新たな一歩となります。これまでHonda HRC WSBK体制内で技術部門を担当してきた森は、プロジェクトの継続性を担う存在であり、Honda HRCファクトリーチームの一員としてMotoGPや鈴鹿8時間耐久ロードレースでの国際的なレース経験も兼ね備えています。

公式プレシーズンテストの最終2日間は、2月16日~17日にフィリップアイランド・サーキットで実施されます。続く2月20日~22日には、同じフィリップアイランドにてシーズン開幕戦が開催される予定です。し烈でエキサイティングなWSBKシーズンの幕開けに向け、舞台は整いました。


Jake Dixon

「Honda HRCのファクトリーライダーとしてWSBKでHondaを代表できることは、本当にすばらしい気持ちです。このプロジェクトに参加することは長年の夢であり、新たな章をスタートできることに心からワクワクしています。ファクトリープロジェクトに加わるということは、常に新しいことに挑戦し、学び続ける必要がありますし、自分自身も賢く時間を使うことが求められます。これほど強力で経験豊富なクルーに囲まれていることが、大きな支えになっています。初めてチームに合流した時は、プロジェクトの規模の大きさに正直少し圧倒されましたが、皆さんがとても温かく迎えてくれたことで、自信を持ってシーズンに臨むことができます。2026年は学びと成長の1年になると確信していますし、チームが一歩ずつ自分の成長を支えてくれると信じています。また、テストチームも非常に強力で、長島はすでにすばらしい仕事をしていますし、ジョナサン・レイの加入もHondaにとって大きな力になります。彼とはお互いをよく知っていますし、意見交換も非常に前向きなものです。マシンに対するコメントも似ている点が多く、それは開発面でも重要です。CBR1000RR-Rは非常にパワフルなマシンで、敬意を持って向き合うべき存在です。今は無理をするのではなく、マシンを深く理解し、リスクを取るべき場面とそうでない場面を見極めることに集中しています。冬季テストは悪天候の影響で走行時間が限られましたが、ウエットでの走行も経験を積むうえで有益でした。特に自分のようなスーパーバイクのルーキーにとって、1周1周が経験の積み重ねになります。最後に、ソムキアットの1日も早い回復を願っています。彼はすばらしい人柄ですし、チームとして共に成長し前進していくうえで、彼の早期復帰はとても重要です」

Somkiat Chantra

「術後の回復は順調に進んでおり、経過にも満足しています。保護具を外し、抜糸も比較的早い段階で終えられたことは前向きなステップでしたが、再びバイクに乗るには、もう少し時間が必要です。今は焦らず、完全な状態で復帰できるよう回復を続けています。昨年11月のヘレステストで初めてHonda HRCチームと過ごした時間は、とても充実したものでした。ガレージに入った瞬間から温かく迎えられ、まるで家族のような雰囲気を感じました。Hondaのファクトリーチームに加わることは、自分にとって大きなステップであり、非常に重要なプロジェクトです。すぐにリラックスできる環境を作ってくれたチームには本当に感謝しています。技術面では、トレーニング目的で市販仕様のCBR1000RR-Rには乗っていましたが、WSBK仕様はまた違った体験でした。それでもフィーリングは最初からポジティブでした。テストでは、チームと密に連携しながら段階的にバイクを理解することに集中し、特にブレーキングやシフト操作時のライディングスタイルなど、自分の改善すべき点を確認していきました。この回復期間中も森さんやクルーチーフの佐々木さんとは常に連絡を取り合い、回復状況を共有しています。開幕戦に出場できないのは非常に残念ですが、医師の指示に従うことが正しい選択だと理解しています。早くチームに戻れるよう全力を尽くしています。Honda HRCの皆さんのサポートに感謝するとともに、復帰してチームの成長と前進に貢献できる日を心から楽しみにしています」


Yuji Mori - Team Manager

「私はすでにHonda HRC WorldSBKプロジェクトの一員でしたが、チームマネージャーという役割を担うことは、全く異なる責任を伴います。この仕事は技術面にとどまらず、多国籍の多くのメンバーと協働しながら、チーム、開発グループ、そしてライダーの間で適切な環境と共通の方向性を築くなど、その責務は多岐にわたります。今年は、バランスの取れた強みを持つ2人の有力な新ライダーを迎えます。ディクソンはMoto2での優勝経験と高いモチベーションを持ち、チャントラはMotoGPでの経験に加え、確かな技術的理解と安定感を備えています。彼らの情熱と献身は、チームが次のステップへ進むための大きな力になるでしょう。まずはチーム全員で前進し、安定した結果を積み重ね、常にトップ争いに加わることが目標です。最終的な目標はもちろん勝利ですが、チームが一丸となって取り組むことで、着実に進歩し目標に到達できると信じています。最後に、長年支えてくださっているサポーター及びテクニカルパートナーであるMotul、Akrapovič、One Heart – Satu Hatiをはじめ、すべてのスポンサーの皆さまに感謝申し上げます。また、新たにYum Yum、Sittipol、EESTをパートナーとして迎えられることをうれしく思います。皆さまからの信頼に心より感謝するとともに、この新シーズンを共にスタートできることを楽しみにしています」

Tom Jojic

「ジェイクと仕事ができることをとてもうれしく思っています。私自身もMoto2の経験があるため、長年あのパドックで過ごしてきた彼のバックグラウンドをよく理解しています。テストでは、スーパーバイクの電子制御に適応し、パッケージ全体から最大限のパフォーマンスを引き出せるようサポートすることに重点を置いてきました。バイクセットアップやシャシー、ライディングスタイルに関しては極端な違いはありません。ライディングスタイルは多少変わりますが、最大の適応課題はより大きなパワーと多様な電子制御システムをどう扱うかという点です。フィリップアイランド前に完全なドライコンディションでのテスト日程がもう少しあれば理想的でしたが、昨年11月の初テスト以降、確実に前進していますし、ジェイクの自信も高まっています。同時に、冷静さを保つことも重要です。彼はレースウイナーとして加入しましたが、フィリップアイランドは彼にとって初めてのWSBKレースウイークエンドであり、この選手権で豊富な経験を持つライダーたちと戦うことになります。もしいい結果が出ればすばらしいことですし、難しい状況になったとしても、そこから積み上げていきます。最大の目標は堅実な週末を過ごし、ジェイクにとって初のWSBK参戦から貴重な経験を得ることです」

Tetsuya Sasaki

「ソムキアットは本当に人柄のいい選手で、チームに前向きで楽しい雰囲気をもたらしてくれる存在です。最初のテストから一緒に仕事をすることを楽しめましたし、彼の取り組み姿勢には感銘を受けました。スタートは非常に安定しており、そこから段階的にペースを上げ、テストの終盤にはいいラップタイムでしめくくりました。もちろん、スーパーバイクやタイヤへの適応はまだ必要ですが、彼の技術と将来性には大きな期待を寄せています。残念ながら負傷により、昨年11月は1回のテストしか共に行えませんでしたが、限られた走行時間を最大限に活かし、充実したテストを行うことができました。冬季テスト期間中は長島哲太と作業を続け、貴重なデータを収集しながらバイクの挙動について明確な理解を深めてきました。その間もソムキアットとは常に密に連絡を取り合っていました。開幕戦では、長島とともに可能な限り多くの情報を収集していきます」



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