WorldSBK

【2020シーズン総集編】HRCが18年ぶりにワークス参戦 Hondaとして5シーズンぶりの表彰台を獲得

2020年のスーパーバイク世界選手権(SBK)に18年ぶりにワークスチームを復活させ、ニューマシンCBR1000RR-R FIREBLADE SPを投入したTeam HRC。ライダーはMotoGPでの活躍ののち昨シーズンからSBKに参戦し、16勝を挙げてランキング2位を獲得したアルバロ・バウティスタと、2003年からスーパーバイクなどで活躍を続け、昨シーズンは7位を獲得したレオン・ハスラムという経験豊富な2人を新たに起用。また、サテライトチームのMIE Racing Althea Honda Teamは初のSBKフル参戦となる高橋巧を起用した。

【2020シーズン総集編】HRCが18年ぶりにワークス参戦 Hondaとして5シーズンぶりの表彰台を獲得

2月29日から3月1日にかけて行われた開幕戦オーストラリアが、Team HRCとCBR1000RR-R FIREBLADE SPにとってのデビューレースとなった。蓄積データが少ない新型マシンのセットアップを進めながらのレースとなったが、レース1でハスラムが5位、バウティスタが6位に入る。2日目も両選手がポイントを獲得してまずまずの船出となった。


新チーム&マシンのデビュー戦を5位で飾ったハスラム
新チーム&マシンのデビュー戦を5位で飾ったハスラム

開幕戦後、新型コロナウイルスの世界的流行により長い中断に入ったSBK。スケジュールの大幅な変更、縮小が発表され、8月のスペインでようやく第2戦が行われた。決勝日は2日とも最高気温が37℃に達し、タイヤに厳しいコンディションで思うようなフィーリングを得られない中、バウティスタがレース1、2ともにシングルフィニッシュ。1週間後の第3戦ポルトガルでも順調にポイントを重ねた。モーターランド・アラゴンで行われた第4戦、バウティスタは2日目のSPレースで4位につけると、レース2ではトップに引けを取らないペースを見せて3位を獲得。Team HRCとCBR1000RR-R FIREBLADE SPとしてはデビュー4戦目で初の、Honda勢としては5年ぶりとなる表彰台に登壇した。また、高橋はレース1で15位に入り、今季初めてのポイントを獲得した。


ワークス復帰後初の表彰台獲得を喜ぶTeam HRC
ワークス復帰後初の表彰台獲得を喜ぶTeam HRC

翌週に同会場で行われた第5戦テルエル大会でもSPレースで4位に入るなど速さを見せたバウティスタであったが、レース1、2ともに表彰台争いの最中に転倒を喫する悔しい結果に。一方のハスラムはレース2で今季ベストリザルトとなる4位でフィニッシュした。前週の大会を最後にAlthea Racingとのコラボを解消し、「MIE Racing Honda Team」として再スタートした高橋はレース1で15位となり、2戦連続でポイントを獲得した。第6戦はSBK初開催のバルセロナ・カタルニア・サーキットで行われた。予選で今季ベストの3番手を確保したバウティスタはオープニングラップで7番手まで後退したものの、追い上げを見せてレース1を5位フィニッシュ。高橋はレース2で今季最高の14位に入り、3戦連続でポイントを獲得した。開発途上ながら成果を挙げていたHonda勢であったが、第7戦フランス大会では両日とも低い気温と雨に苦しみ、2ケタ順位に沈んでしまう。


3戦連続でポイント圏内に食い込んだ高橋巧
3戦連続でポイント圏内に食い込んだ高橋巧

最終戦エストリル大会では、初日の予選でハスラムが今季Honda勢最上位となる2番グリッドを確保。レースではセカンドグループをリードし5位でフィニッシュした。高橋は今季ベストに並ぶ14位、チームメートで初参戦のエリック・グラナドは15位でうれしい初ポイントを手にした。レース2はバウティスタが5位、ハスラムが7位に入り、最終的なポイントランキングはバウティスタが9位、ハスラム10位となった。長い中断後に過密日程となり、開発途上のマシン、チームにとっては厳しい戦いとなった今シーズン。しかし、厳しい状況の中でもTeam HRCは上位争いに食い込み、フランス以外の大会でシングルフィニッシュを果たす安定感があった。来季も同じライダーラインナップが発表されており、今季で得た貴重なデータをもとに開発・熟成を進めて、初優勝、その先のタイトルを目指す。




Points

順位

ライダー

マシン

総合

1

2

3

4

5

6

7

8

1

J.レイ

カワサキ

360

 

12

20

20

12

10

25

12

25

16

12

25

20

9

25

25

9

13

25

12

13

13

5

2

2

S.レディング

ドゥカティ

305

16

7

16

25

9

25

9

5

20

25

9

13

12

16

20

2

10

11

6

25

4

20

3

C.デイビス

ドゥカティ

273

8

 

11

13

5

20

5

13

20

5

20

16

5

16

6

25

13

5

16

20

6

25

4

T.ラツカトリィオグル

ヤマハ

228

25

9

 

16

16

20

9

8

10

3

8

11

3

9

10

10

1

7

25

12

16

5

M.ファン・デル・マーク

ヤマハ

223

13

5

13

7

9

16

3

16

11

7

10

13

10

13

12

20

7

7

11

7

13

6

A.ローズ

カワサキ

189

20

6

25

7

3

11

13

6

4

7

10

4

11

7

3

8

16

9

9

10

9

アルバロ・バウティスタ

Honda

113

10

 

10

9

8

7

11

6

16

6

11

4

1

3

11

10

レオン・ハスラム

Honda

113

11

2

4

6

1

4

4

1

3

6

9

9

2

13

6

7

3

11

2

9

22

高橋巧

Honda

6

1

1

2

2


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