10年間開催されたことがなかったマドリードでのXトライアル、2戦を終えてポイントリードを守るボウは、ここでも見事な勝利をおさめて開幕3連勝を飾ることになりました。そして若きチームのナンバー2、マルセリは、すばらしいパフォーマンスを発揮して準優勝。今回のXトライアルは、マルセリの10回目のXトライアル参戦となります。チームデビューを果たした前戦第2戦ではその緊張から成績は振るわずで残念な結果となりましたが、2戦目にして見事実力を発揮してくれました。
ラウンド1では、Repsol Honda Teamの2人は、試合をよくコントロールしていました。セクションでは簡単ではありません。第4セクションなどは、参加8名が全員5点になるなど、難しいセクションが用意されていました。
マルセリは減点13点で全体の3番手、ボウは11点で、ライバルのアダム・ラガと同点でしたが、セクション走破タイムでボウがラガを上回っていたため、ラウンド1のトップはボウがとることになりました。
ラウンド2では、ボウが自身のテクニックの優位性を存分に発揮して、わずか7点で6セクションを走破、ここでもこのラウンドのトップスコアをマークしました。第4セクションで転倒を喫したマルセリは、ラウンド2では4番目のスコアをマークしました。しかし規則によって、ファイナル進出はラウンド1とラウンド2の合計点で決められることになっています。マルセリの合計スコアは27点で、見事、ここまでの3番手のポジションを得て、ファイナルへの進出を決めたのでした。
ファイナルでは、ボウが卓越したマシンコントロールを見せ、マドリードでの夜を完ぺきに演出しました。その減点はたったの2点。文句なしの開幕3連勝となりました。そしてマルセリは、第4セクションを2点で走破できたことでライバルに差を広げて、ボウに遅れること5点、合計7点でファイナルを走りきれました。
結果、マルセリは堂々の表彰台獲得です。今回の結果ばかりではなく、今後のマルセリの進化にも、大きな可能性を感じるリザルトとなりました。
マドリードアリーナでの今回の勝利によって、ボウはXトライアルランキングのリードをさらに広げることに先攻しました。優勝のポイントが20点、加えてラウンド1、ラウンド2の勝者に与えられるボーナスを2点手にして、そのポイント差はさらに大きくなっています。
この日2位表彰台に上がったマルセリは、今回の2位獲得によって、ポイントテーブル上でもジャンプアップ、ランキング6位に浮上して、マドリード大会を終了しました。
Xトライアルの次なるラウンドは、4月10日のバルセロナとなります。トライアルの聖地といわれるスペインはカタロニア州、その首都たるバルセロナでの一戦は、地元のライダーのみならず、この地に本拠地を置くRepsol Honda Teamとしては、ぜひ好成績をおさめたいところ。昨シーズンのバルセロナ大会を思い起こせば、ボウが2021年Xトライアル世界タイトルを決定し、マルセリははじめて2位表彰台を獲得することができた思い出のスタジアムです。
今年のバルセロナは、どんな戦いとなるでしょうか。