Day 1
TrialGP 2021
Round 6

トニー・ボウ、最終戦を勝利し29回目の世界タイトルを獲得

pt Gouveia

2021年シーズンの最終戦で、Repsol Honda Teamが誇る史上最強のライダー、トニー・ボウは、新たな世界タイトルを自身の経歴に加えました。今日は、ボウにとって世界選手権125勝目、そして15年連続のアウトドア世界選手権タイトルを獲得した輝かしい日となりました。15のアウトドアタイトルに加え、14のインドア世界タイトルと合わせ、ボウの持つタイトルは29となりました。これはもちろん、史上最多の世界タイトルです。

トニー・ボウ、最終戦を勝利し29回目の世界タイトルを獲得

ゴウベイヤの町を流れる川を中心に設定された12のセクションは、とても滑りやすいものでした。すべて自然の地形を生かして作られたものでしたが、難度は高く、それでいて油断のできない戦いとなりました。

ボウが世界タイトルを獲得する条件は、あと1ポイントを獲得すること。つまり完走しさえすれば、タイトル獲得が決まるという、圧倒的アドバンテージを持っていました。しかしそんな状況に甘えることなく、ボウは最後まで力の限り戦い、ライバルを圧倒してタイトル獲得に華を添えることになったのです。

2021年シーズン、ボウは9戦中7勝。またひとつ、ボウの強さが世界にアピールされる結果となりました。15年連続で世界タイトルを獲得し続けるトニー・ボウは、王者の中の王者です。

そして一方、チームメイトの藤波貴久にとっては、この戦いは特別なものとなりました。今大会を最後に、藤波は世界選手権参戦から引退することを決めていたからです。

1ラップ目は6番手、そして2ラップ目はスコアを半分に減らして追い上げた藤波でしたが、最終的には惜しいところで7位となりました。これが、藤波の最後のリザルトになりました。昨年のランキング7位から、ひとつ順位を上げて6位が、藤波の最後の世界ランキングとなりました。

この戦いを持って、Repsol Honda Teamは2021年のトライアルGPシリーズを終了します。明けて日曜日、トニー・ボウは同じゴウベイヤを会場とするトライアル・デ・ナシオン、国別対抗試合に、スペイン代表として出場します。


Toni Bou
Toni Bou 1
Repsol Honda Team
開幕のわずか1か月前にけがを負ってしまい、いつもと違う苦しいシーズンになりました。15年連続でチャンピオンを獲得してきて、いつかチャンピオンでなくなる日が来ると思いますが、けがが原因で失いたくはありませんでした。100%の力を出して戦い、シーズンの進行とともに調子を整えていきました。けがをする前がいい状態だったので、回復も早かったです。またチャンピオンになることができて、とてもうれしいです。チームのみんなに感謝しています。

藤波選手のキャリア最後の大会ということで、今日はみんなにとって特別な日でした。彼のいないTeam HRCは想像できません。彼の今後の活躍を祈っています

Takahisa Fujinami
Takahisa Fujinami 7
Repsol Honda Team
この26年間、僕のトライアルを支えてくれたHonda、HRC、そしてメカニックのみなさん、マインダー、もう本当にたくさんの人に、感謝したいと思います。それらすべての力がなければ、僕が26年間世界選手権に参加し続けることはできなかったでしょう。

今日の最後の戦いは7位で終えることになりましたが、それでも今日のライディングには満足しています。最後の最後まで、真剣に戦うことができたのは、大いに誇らしい思いです。

ライダーとしての経歴には幕を下ろすことになり、これからは新たな人生の始まりになりますが、大きな希望を持って進んでいきたいと思います。

トライアルというファミリーのみなさん、チームやスポンサーのみなさん、この日、ポルトガルの会場にいたすべてのみなさんのおかげで、今日は本当に特別な1日になりました。この日をみなさんと共有できたことを、とてもとても誇りに思っています。26年間のトライアル、ありがとうございました

Miquel Cirera
Miquel Cirera
このシーズン、私たちは本当によく働きました。昨年に続き、コロナ禍は続きましたが、その状況は昨年とは異なり、今年は今年でむずかしいものとなりました。

トニー・ボウは、勝利に向けて常に先頭に立って戦い、チームを牽引してきました。チームはこれに応えて彼を勝利に向けて押し上げました。こういう姿勢を含めて、トニー・ボウの強さです。あらためて、彼の強さに対し、祝福を惜しみません。そして同時に、ボウの家族や、この地でともに勝利を目指したみなさんにも、祝福を送りたく思います。

そしてまた、藤波貴久にとって、この日は特別なものとなりました。この日、彼は最後まで力いっぱい戦いました。今日はもちろんのこと、これまでのすべての戦いに最大の感謝と、最高の祝福をお送りしたいと思います。

トライアルライダーとしてのキャリアは終了しましたが、人生はまだまだ続きます。私たちは、藤波貴久のこれからの人生に幸あらんことを祈っています

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決勝

Pos. Num. ライダー マシン L1 L2 タイム総減点 総減点
1 1 トニー・ボウ Honda 10 10 0 20
2 68 A.ラガ TRRS 13 11 0 24
3 69 J.ブスト ヴェルティゴ 15 11 0 26
4 38 G.マルセーリ モンテッサ 22 9 2 33
5 88 M.グラタローラ ベータ 19 19 0 38
6 56 M.ゲラベルト ガスガス 29 10 0 39
7 7 藤波貴久 Honda 26 13 2 41

ポイントランキング

Pos. Num. ライダー マシン ポイント
1 1 トニー・ボウ Honda 172
2 68 A.ラガ TRRS 150
4 69 J.ブスト ヴェルティゴ 122
4 88 M.グラタローラ ベータ 112
5 56 M.ゲラベルト ガスガス 95
6 7 藤波貴久 Honda 94

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