Repsol Honda Teamにとって、すばらしい終幕となりました。初開催となるヴェルトレでのTrialGP、その初日に17回目のアウトドアタイトルを獲得した24時間後、ボウは再びすばらしい走りで今シーズン11勝目を上げました。ガブリエル・マルセリは最終戦も3位となり、総合ランキング3位を決めるなど、この上ないシーズンフィニッシュとなりました。
前日にタイトルを確定させて、すべてのプレッシャーから解き放たれたボウは、1ラップ目から無敵でした。1ラップ目のスコアは減点12点。2番手には6点差、3番手には14点差という圧倒的パフォーマンスをみせつけました。この勢いは2ラップ目も変わらず、16点で12セクションを走り終えたボウは、タイムオーバーの減点1を加えてトータル29点。リードを確実にキープして勝利し、完ぺきなシーズンに華を添えました。
ボウが走った跡には、数々の記録が残ります。今回の勝利はタイトル獲得後の最初の1章であり、シーズン11勝目、7連勝目となる勝利です。今シーズン行われた14戦では、もちろん毎回表彰台に登壇。勝利のなかった3戦も、しっかりと2位表彰台をキープしました。振り返れば、完ぺきなシーズンでした。
二日目、マルセリの序盤はあまり完ぺきとは言えませんでした。いくつかミスをおかして、1ラップ目は5番手につけました。しかし、3番手まではわずか1点差しかありませんでした。2ラップ目、マルセリの追い上げは功を奏しました。総合ランキング3位争いのライバルであるマテオ・グラタローラ(ベータ)に1点差で、最終戦に3位表彰台に上ることとなりました。
もちろんこの結果は、総合ランキング3位を獲得したことを意味します。マルセリの今シーズンを振り返ると、過去最高のシーズンとなりました。シーズン前半はアダム・ラガ(TRRS)、後半はグラタローラと競うこととなった総合ランキング3位争いは、最終的にグラタローラと22ポイントもの大差をつけてマルセリが勝利を収めました。今シーズン、マルセリの表彰台獲得は7回。2回に1回は表彰台を獲得してきたことになります。
さらにモンテッサにとっては、もう一つ大きな栄誉が待っていました。2023年シーズン、GPクラスとT2クラスのライダーの活躍によって、モンテッサは24回目のコンストラクターズタイトルを獲得しました。これはGPクラスとT2クラスのそれぞれ最上位の獲得ポイントをトータルして、コンストラクターの得点としてタイトルを競うものです。
これで2023年における個人の戦いは終了しました。しかし、Repsol Honda Teamの活動は続きます。すぐ翌週には、各国ごとにチームを組んで戦うトライアル・デ・ナシオンが開催されます。Repsol Honda Teamの2人、トニー・ボウとガブリエル・マルセリは、シーズン中は最大のライバルだったハイメ・ブスト(ガスガス)とともに、スペインチームを勝利に導くため、トライアル・デ・ナシオンに参加します。